マジック名カード集 ~『ミラディン』編~

晴れる屋メディアチーム

はじめに

みなさま、「名カード集」へようこそ。

この「名カード集」では、時代を過去へと遡り、昔のエキスパンションの名だたるカードを紹介していきます。

今回は金属の世界、『ミラディン』をご紹介しましょう。

『ミラディン』ってどんなセット?

『ミラディン』とは、2003年10月に発売された全306種類からなるミラディンブロックの大型エキスパンション。アーティファクトがテーマであり、『テンペスト』以来となるコモンにアーティファクトが収録されたセットとなっています。

教議会の座席彩色の宝球金属ガエル物読み

新キーワード能力は4つ。そのなかでも「親和」はアーティファクト土地などの軽量アーティファクトと相性が良く、アーティファクトを高速展開する親和デッキを確立させました。そのスピードは突出しており、メインボードに《粉砕》などのアーティファクト対策が必須の環境へと変わっていきます。

その後の『ダークスティール』『フィフス・ドーン』でも順調に強化され続けた結果、ついにはアーティファクト土地を含めた8枚が禁止カード入りしてしまいます(その内6枚が『ミラディン』)。コスト軽減効果がいかに凶悪か、改めてマジック界へと知らしめたのです。

金属モックスロクソドンの戦槌歯と爪

残る3つは「刻印」、「装備」、「双呪」。今では当たり前となっている装備品が最初に登場したのもこの『ミラディン』からだったのです。

『ミラディン』の名カードたち

《大霊堂の信奉者》

大霊堂の信奉者

《大霊堂の信奉者》

アーティファクトが1つ戦場からいずれかの墓地に置かれるたび、対戦相手1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーは1点のライフを失う」ことを選んでもよい。

歴代のビートダウンデッキのなかでも、親和は頭一つ抜けた存在です。それは攻撃的なデッキが求める展開力と突破力、リソース確保手段、そしてライフを詰めるカードのすべてを兼ね備えていたからにほかなりません。親和デッキの詰め役を担っていたのはちっぽけな1マナクリーチャーである《大霊堂の信奉者》。アーティファクトが墓地に落ちるたびに誘発するため、対戦相手にアーティファクトを破壊されるたびダメージを与えて追い詰めます。デッキの大半がアーティファクトである親和デッキだからこそ、ダメージ源には困りませんでした。

もちろん、相手の除去に頼ることなく誘発条件を満たすカードも採用されています。《エイトグ》《電結の荒廃者》です。

エイトグ電結の荒廃者

《大霊堂の信奉者》の横に《エイトグ》《電結の荒廃者》が並んでいた場合は敗北必死。たとえライフが満タンだとしてもアーティファクト1枚が2~3点のダメージとなるため、あっという間に削りきられてしまいます。

また、自分と相手の墓地、どちらにアーティファクトが落ちても能力が誘発するため、ミラーマッチでは《大霊堂の信奉者》の有無が勝敗に影響することも少なくありませんでした。

《減衰のマトリックス》

減衰のマトリックス

《減衰のマトリックス》

アーティファクトとクリーチャーの起動型能力は、それらがマナ能力でないかぎり起動できない。

《減衰のマトリックス》《無のロッド》《呪われたトーテム像》をかけ合わせたカードです。クリーチャーとアーティファクトの起動型能力を封じるため、「装備」すらできません。このカードは対親和デッキへのメタカードとしてスタンダードとブロック構築を中心に活躍しました。

頭蓋骨絞め

『ダークスティール』にて《頭蓋骨絞め》が登場すると、世はまさに親和全盛期へ。割るのが先か、引くのが先かとアーティファクト破壊と《頭蓋骨絞め》のいたちごっこは続きますが、そこで注目されたのが《減衰のマトリックス》なのです。かのズヴィ・モーショヴィッツ/Zvi Mowshowitz氏(現マジック・プロツアー殿堂)は「《減衰のマトリックス》《頭蓋骨絞め》が入っていないデッキはデッキではない」とまで言いきっています。

3マナと親和の展開力に対してやや重いと思われるかもしれませんが、《酸化》《粉砕》で相手の出鼻を挫き、しかる後にプレイするだけで完全に動きを封じゲームに蓋をしてくれます。ひとたび《減衰のマトリックス》を出れば、《頭蓋骨絞め》はもちろん、《電結の荒廃者》《エイトグ》も能力を起動できず、並み以下のカードへと成り下がってしまうのですから。

《森の占術》

森の占術

《森の占術》

あなたのライブラリーから土地カードを1枚探し、それを公開してあなたの手札に加える。その後、あなたのライブラリーを切り直す。

《森の占術》は土地サーチ呪文。基本地形に限らず土地カードであれば何でも手札に加えられるため、土地を利用したコンボで採用されます。スタンダードやブロック構築では特定の土地カードを集めるために使用されました。

ウルザの塔ウルザの鉱山ウルザの魔力炉雲上の座

3種揃えることで7マナを生み出すウルザランドに、同名カード分マナを生み出す《雲上の座》。強力な土地システムですが、通常ドローだけで揃えるのはほとんど不可能といっていいでしょう。これらマナベースがひとつのアーキタイプとなり得たのも、この《森の占術》があればこそ。

歯と爪精神隷属器

さらに幸運だったのは優れたサーチカードに加えて無色マナを大量に必要とするパワーカード、つまり明確なゴールも存在していたことです。『ミラディン』では《歯と爪》《精神隷属器》などがあり、どちらもプレイできればゲームを決めてくれました。

《精神隷属器》

精神隷属器

《精神隷属器》

(4),(T),《精神隷属器》を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。あなたはそのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーをコントロールする。(あなたはそのプレイヤーが見ることのできるすべてのカードを見て、そのプレイヤーのすべての決定を行う。)

「あなたはゲームに勝利する」と読み替えても遜色ない派手な効果を持つのが《精神隷属器》です。効果を発揮するには合計10マナと途方もないマナが必要となりますが、対戦相手のターンを自由に操作できるため、それまで費やしたリソースも十分に回収できます。行動の決定権は《精神隷属器》を起動したプレイヤーにあり、自分にとって都合のいいように手札を使い、戦闘を行えるのですから。

ブロック構築からヴィンテージまで、あらゆるフォーマットで使用された究極のエンドカードです。スタンダードではトロン系がマナの使い道のひとつとして採用したばかりでなく、長期戦を得意とするコントロールでも見かけることがありました。ですが、より強力だったのはマナアーティファクトと踏み倒し手段を兼ね備えたデッキでした。

厳かなモノリス金属細工師修繕

『ミラディン』参入後のエクステンデッドは、まさに一面の銀世界。《厳かなモノリス》《金属細工師》がマナを供給し、必要なカードがあれば《修繕》で探し出せる茶単デッキが横行していました。ここでも《精神隷属器》はゲームを決めるフィニッシャーとなったわけですが、ミラーマッチでの強さは際立っていました。

たとえば、《マスティコア》で自軍を全滅させたり、《天才のひらめき》の対象を都合良く選定したり、《ファイレクシアの処理装置》で大量にライフを支払ったり、などなど。《ゴブリンの溶接工》で使い回すこともできたため、決まったら最後、一生相手にターンをコントロールされてしまうなんてこともあったのです。

《弧炎撒き》

弧炎撒き

《弧炎撒き》

(赤),あなたのライブラリーのカードを上から10枚、追放する:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。《弧炎撒き》はそれに2点のダメージを与える。

《弧炎撒き》はミラディンブロックを代表する、赤の重量級クリーチャー。4/5のナイスボディに小型クリーチャーを薙ぎ払う《ショック》様の起動型能力を持ち合わせています。ただし、この起動型能力はライブラリーをコストにあてるため、60枚デッキなら多くても4回程度しか使用できません。無駄撃ちは許されないのです。

煮えたぎる歌

ブロック構築やスタンダードでは、ビッグ・レッドやバーン、ポンザのフィニッシャーを務めました。同じセットに収録された《煮えたぎる歌》を利用すれば3ターン目に着地し、ボードを自在にコントロール。手札の火力や土地破壊で相手の行動をしばりながらダメージを刻み、ライフレースを圧倒的優位に進めてくれたのです。

再評価されつつある『ミラディン』カード

魔力の導管

《魔力の導管》はパーマネント上からカウンターを取り除き、蓄積もしくは+1/+1/カウンターとして置き換えるアーティファクト。構築戦ではあまり活躍できませんでしたが、とあるカードの登場により評価が大きく変わった1枚です。それは『モダンホライゾン2』の《ウルザの物語》です。

ウルザの物語

《ウルザの物語》は土地型の英雄譚であり、トークンを生成したり、低コストのアーティファクトをサーチして戦場に出す強力なの効果を持っています。しかし英雄譚の特性上、III章解決後には墓地へと置かれてしまいます。

《魔力の導管》を使うことで英雄譚上の伝承カウンターの数を減らせるため、延々と使い回すことが可能なのです。時間とともに戦場は構築物トークンで溢れかえり、III章の能力がスタックにある状況で《魔力の導管》を起動すれば、生け贄に捧げることなくアーティファクトをサーチできます。

まだある名カード

さて、『ミラディン』名カード集、お楽しみいただけたでしょうか。しかし、「あの有名カードなくない?」「もっといいカードあるよ!」と思われた方もいらっしゃるはず。

もっと『ミラディン』のカードについて知りたい方は、ぜひ、動画もご覧ください!

次回の「名カード集」では、『ダークスティール』をお届けいたします。

この記事内で掲載されたカード

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

晴れる屋メディアチーム 晴れる屋メディアチームの記事はこちら

このシリーズの過去記事

過去記事一覧へ