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USA Standard Express vol.132 -スタンダードの最新メタゲーム-

2018/10/18 00:00 

    • Kenta Hiroki
    • コラム

 みなさんこんにちは。

 新セットの『ラヴニカのギルド』がリリースされて2週間が経ちますが、新環境のスタンダードを楽しんでいますか?

 アメリカでは『ラヴニカのギルド』がリリースされた直後にSCGのイベントも開催されていました。今回の連載ではSCGO ColumbusSCG Classics ColumbusMOPTQの入賞デッキを見ていきたいと思います。

SCGO Columbus
セレズニア議事会が新環境のスタンダードをリードする

2018年10月6日

  • 1位 Selesnya Tokens
  • 2位 Selesnya Tokens
  • 3位 Mono Red Aggro
  • 4位 Mono Red Aggro
  • 5位 Boros Angels
  • 6位 Mono Red Aggro
  • 7位 Esper Control
  • 8位 Golgari Midrange
Logan/Parson/Shoopman

Logan/Parson/Shoopman

StarCityGames.com

トップ8のデッキリストはこちら

 チーム構築戦で競われたSCGO Columbusは新環境らしくMono Red Aggroが多く、その次点でSelesnya TokensとGolgari Midrangeが続いていました(参考)。

 決勝戦は事前のMOのリーグでも結果を残していたSelesnya Tokensのミラーマッチで、その強さは本物だったようです。

SCGO Columbus デッキ紹介

「Selesnya Tokens」「Mono Red Aggro」「Esper Control」

Selesnya Tokens

 Selesnyaは『ラヴニカのギルド』が扱うギルドの一つということで《大集団の行進》《敬慕されるロクソドン》《協約の魂、イマーラ》などSelesnya カラーの優秀なカードが多数登場したことで生み出されたデッキです。

 今大会でワンツーフィニッシュを決めたことで一気に注目を集めることとなったSelesnyaは直前のMOのリーグでも結果を残しており、Week1デッキながら高い完成度です。

☆注目ポイント

 トークンを並べる《苗木の移牧》《大集団の行進》《敬慕されるロクソドン》《議事会の裁き》をキャストするための「召集」がしやすくなり、特に《敬慕されるロクソドン》はこのデッキのキーとなります。

苗木の移牧敬慕されるロクソドン開花+華麗

 Selesnyaの分割カードである《開花+華麗》は土地サーチと全体強化の効果を持つスペルで、地味ながらこのデッキの必須カードの一つです。序盤は必要な色マナを確保し、デッキの安定性に貢献するのでキープ基準も向上し、ゲーム後半は全体強化によってエンドカードとしても機能します。

不和のトロスターニ大集団の行進

 《不和のトロスターニ》は全体強化能力に加えてトークンを生成するETB能力を持ち、一度に3体のクリーチャーが並ぶので《大集団の行進》《敬慕されるロクソドン》といった「召集」 スペルとも相性が良い伝説のクリーチャーです。サイド後は追加の除去やスイーパー、《黎明をもたらす者ライラ》《ビビアン・リード》も投入され、トークン戦略からミッドレンジデッキにシフトしていくのもこのデッキの対戦難易度を上げる要因となっています。

Mono Red Aggro

 メタが固まり切っていない環境初期はMono Red Aggroのように能動的な戦略が勝ちやすい傾向にあり、今大会も例外ではなく2日目最大勢力でした。

 赤いアグロデッキは旧環境でもトップメタの一角として大きなトーナメントでは常に上位で見られましたが、《ゴブリンの鎖回し》《再燃するフェニックス》いったカードは健在で、ローテーションにより多くのパーツを失ったものの『ラヴニカのギルド』からの収穫も多く、現環境でも有力なデッキとされています。

☆注目ポイント

 《遁走する蒸気族》は赤いアグロデッキの新たな主力として定着しており軽い赤いスペルを多数採用したこのデッキではサイズアップもしやすく一部では赤い《タルモゴイフ》と評価されているクリーチャーです。

遁走する蒸気族実験の狂乱

 《実験の狂乱》は手札からカードをプレイできなくなるというデメリットがあるものの、《未来予知》のようにライブラリートップからカードをプレイすることが可能で、《遁走する蒸気族》とのシナジーもあり、手札を使い切りやすいこのデッキならデメリットもそれほど気になることはないと思われます。ミッドレンジやコントロールが多くなりそうな今後の環境では、《実験の狂乱》がより一層輝きそうです。

危険因子

 歴代最高の懲罰者スペルとプレビュー段階から注目を集めていた《危険因子》もメインに2枚、サイドに1枚採用されており、モダンのBurnでも採用されているこの赤いパワーカードはスタンダードでも活躍しています。

Esper Control

 環境の多くのデッキがローテーションにより主要なカードを失いましたが、旧環境のコントロールのキーカードである《ドミナリアの英雄、テフェリー》は新環境のスタンダードでも健在です。

湿った墓

 ショックランドの《湿った墓》が再録され、M10ランドなど多色マナが出る土地にも恵まれているので3色のコントロールデッキも組みやすい環境となっています。

 《スカラベの神》《奔流の機械巨人》という有力なフィニッシャーをローテーションにより失ったものの、環境の万能除去の一つであり《再燃するフェニックス》や各種プレインズウォーカーを処理できる《ヴラスカの侮辱》が使えることはEsperカラーを選択する理由の一つです。

☆注目ポイント

 『ラヴニカのギルド』で再録された《軽蔑的な一撃》がメインから採用されています。対象となるスペルは《敬慕されるロクソドン》《最古再誕》《正義の模範、オレリア》など環境の多くのデッキに数種類採用されているので、メタによっては十分にメインからも活躍します。特にミッドレンジが多くなりそうな今後のメタでは最高のカウンターの一つとなることが予想されます。

軽蔑的な一撃煤の儀式

 Mono Red Aggroが多くなることも見越していたようで、《渇望の時》がメインから採用されており、新たなスイーパーの《煤の儀式》とともにアグロデッキの猛攻を食い止めます。上述の《軽蔑的な一撃》をはじめとして《ヴラスカの侮辱》もあるので4マナ以上のクリーチャーを対処するのはそれほど難しくなく、《煤の儀式》の3マナ以下のクリーチャー限定という条件も問題になることは少なくなりそうです。

薬術師の眼識アズカンタの探索悪意ある妨害

 『ラヴニカのギルド』の新カードの《薬術師の眼識》《アズカンタの探索》《ドミナリアの英雄、テフェリー》と共に現環境の青いコントロールのカードアドバンテージ源として定着しており、《悪意ある妨害》《不許可》に代わる3マナの確定カウンターとして問題なく機能します。起動能力や誘発能力をカウンターできた《不許可》はたしかに汎用性に優れたカウンターでしたが、ドローの質を向上させる《悪意ある妨害》も悪くなく、墓地を肥やすことで《アズカンタの探索》も変身しやすくなります。

SCG Classics Columbus
《正義の模範、オレリア》が率いる新たなBoros軍

2018年10月7日

  • 1位 Boros Angel
  • 2位 Grixis Control
  • 3位 Mono Red Aggro
  • 4位 Boros Angel
  • 5位 Boros Angel
  • 6位 Jeskai Control
  • 7位 Golgari Midrange
  • 8位 Mono Blue Aggro
Brian Cooper

Brian Cooper

StarCityGames.com

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 SCGO Columbusと併催して開催されたSCG Classics Columbusは本戦とは異なる結果となりました。

 併催イベントなので必然的に本戦の2日目に残れなかったプレイヤーも参加していると思われますが、本戦はチーム戦だったので、初日の個人成績は2日目に残るのに十分だったとしてもチームメイトの成績が振るわずに初日落ちしたプレイヤーも少なからずいたと思われます。そういった意味でも、本大会の結果は新環境に入って初の個人戦だったので非常に参考になります。

SCG Classics Columbus

「Boros Angels」「Mono Blue Aggro」

Boros Angels

 Borosはプレビュー段階から高く評価されていたカードが多く、リリース前から新環境の有力な戦略の一つとして注目を集めていました。

 当初は前回もご紹介したBoros Aggroのように軽いクリーチャーと火力が中心のアーキタイプが主流になると考えられていましたが、今大会では期待の新カードである《正義の模範、オレリア》や、旧環境からお馴染みの《黎明をもたらす者ライラ》《豊潤の声、シャライ》といった天使クリーチャーを多数採用したミッドレンジ寄りのスタイルのBorosが結果を残しました。

☆注目ポイント

 『基本セット2019』から登場した《輝かしい天使》《黎明をもたらす者ライラ》とのシナジーもありフル搭載されています。《黎明をもたらす者ライラ》と組み合わせることで強化され、絆魂も付くのでトークンを生成する条件も満たしやすくなります。タフネスが3で除去されやすいという弱点は《豊潤の声、シャライ》でカバーしていきます。

輝かしい天使黎明をもたらす者ライラ豊潤の声、シャライ

 《正義の模範、オレリア》実質4/5飛行・警戒・トランプルというスペックを持ち、「教導」によって自軍のクリーチャーを強化するので、一度このクリーチャーが攻撃を始めればゲームも速やかに終わります。

 《ベナリア史》はカード自体の性能は高かったものの環境に合わずに活躍の機会が与えられなかったカードの典型でしたが、ローテーションにより環境が激変し再評価されています。2ターン続けてトークンを生成するのでプレインズウォーカーにもプレッシャーを与えやすく、特にコントロールとのマッチアップでは強さを発揮します。アグロデッキに対しても2ターン続けてブロッカーを用意できるので、このデッキに多数採用されている強力な天使クリーチャーを展開するまでの時間を稼ぎます。

正義の模範、オレリアベナリア史

 タフネスの高いクリーチャーが中心のこのデッキでは《轟音のクラリオン》相手側だけが一方的に被害を受けるスイーパーとして機能し、自軍のクリーチャーに絆魂も与えるのでボードアドバンテージとライフアドバンテージの両方に差を付けることができ、アグロデッキとのマッチアップでは決定打になりそうです。スイーパーモードによって巻き込まれてしまうクリーチャーは《善意の騎士》《輝かしい天使》のみで、《アダントの先兵》はライフを支払うことで破壊不能となり、能力を起動するために支払ったライフも2番目のモードにより回復可能なので地味ながらこのスペルと相性の良いクリーチャーです。

Mono Blue Aggro

 Mono Blue Aggroは旧環境から存在し、ローテーションにより失ったパーツがほとんどなかったため現環境でも健在で、旧環境のほとんどのデッキが主要なパーツがローテーション落ちしてメタが激変したためこのデッキにもチャンスが巡ってきました。

大嵐のジンマーフォークのペテン師

 《大嵐のジン》《マーフォークのペテン師》など軽いクリーチャーをカウンターでバックアップしていくクロックパーミッションで、コントロールに強くデッキのパーツのコストも安く済むこともあり、今後もよく見かけることになりそうなデッキです。

☆注目ポイント

 《大嵐のジン》はデッキを選びますが基本的に3マナ3+α/4飛行でペナルティーなしと高性能なクリーチャーで、後半に引いてくればフィニッシャーとして活躍が期待できます。

 《セイレーンの嵐鎮め》は1マナの飛行を持つクロックとして機能すると同時に除去の避雷針としても機能するので《大嵐のジン》などより重要なクリーチャーが生き残りやすくなります。また、《マーフォークのペテン師》《セイレーンの嵐鎮め》といったウィザードクリーチャーの恩恵で、多くの場合《魔術師の反駁》《対抗呪文》として機能します。

セイレーンの嵐鎮め魔術師の反駁

 また、打点を上げつつカードアドバンテージの獲得にも貢献する《執着的探訪》はこのデッキの方向性にマッチしているカードで、隣に《セイレーンの嵐鎮め》がいれば安全にプレイすることができます。

Standard PTQ
MOに群がるGolgari

2018年10月14日

  • 1位 Golgari Midrange
  • 2位 Golgari Midrange
  • 3位 Mono White Knight
  • 4位 Golgari Midrange
  • 5位 Golgari Midrange
  • 6位 Jeskai Control
  • 7位 Golgari Midrange
  • 8位 Golgari Midrange

トップ8のデッキリストはこちら

 SCGのイベントでは新環境らしくBoros、Selesnya、Mono Red、Epser Controlなど多数の異なるデッキが見られましたが、先週末にMOで開催されたPTQの結果はGolgari Midrangeがトップ8中に6名、優勝もGolgari Midrangeという極端なもので、前環境のRB Aggroを彷彿させます。

 前環境のように特定のデッキがメタゲームを支配することになるのかは断定できませんが、世界中のグラインダーが競うMOPTQで2週連続で優勝という結果を残していることを考慮すると、現時点ではGolgari Midrangeは頭一つ抜けています。

Standard PTQ デッキ紹介

「Golgari Midrange」

Golgari Midrange

 Golgari Midrangeは前環境からお馴染みでアドバンテージが取れる《マーフォークの枝渡り》《翡翠光のレインジャー》の2種類の「探検」クリーチャーに加え、『ラヴニカのギルド』の新カードでエターナルフォーマットでも使われるほどの万能除去である《暗殺者の戦利品》やプレインズウォーカーの《ゴルガリの女王、ヴラスカ》などを獲得し、今回トップ8に6名のプレイヤーを送り込むという前環境のRB Aggroを彷彿させます。

暗殺者の戦利品ゴルガリの女王、ヴラスカ

 前環境ほど《ゴブリンの鎖回し》を見かけなくなり《ラノワールのエルフ》などタフネス1のクリーチャーも依然と比べると使いやすくなりました。カードアドバンテージを稼ぐ手段が豊富でクリーチャーの質も高く、除去や妨害の種類も豊富で安定性のあるデッキです。

☆注目ポイント

 前回の連載でご紹介したバージョンに採用されていた《縫い師への供給者》は見られないものの、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》は余分な土地やマナクリーチャー、あるいはすでに役目を終えている《貪欲なチュパカブラ》などをドローに変換することができ、パーマネント除去能力もあるフレキシブルなプレインズウォーカーで、4マナというコストの軽さも魅力です。

 「宿根」能力によって墓地に落ちているクリーチャーの数だけトークンを生み出す《千の目、アイゾーニ》や、墓地に落ちたパーマネントを手札に戻す《ゴルガリの拾売人》コントロールデッキやミラーマッチでアドバンテージが取れるので重要なカードとなります。《野茂み歩き》はクリーチャーが「探検」 する度に強化されライフゲインもするクリーチャーで、「探検」持ちのクリーチャーを多数採用しているこのデッキで最低一度は誘発させることが期待できるので、特にMono Red Aggroとのマッチアップで強さを発揮します。

千の目、アイゾーニゴルガリの拾売人採取+最終

 分割カードの《採取+最終》はGolgari Midrangeの主力スペルとして定着しています。強力なETB能力を持つクリーチャーが多数採用されたこのデッキでは《採取》のモードが非常に強力で、《最終》もメインボードから無理なく採用できるスイーパーです。特に同型やSelesnyaといったミッドレンジデッキとのマッチアップで活躍します。

総括

 SCGのイベントは『ラヴニカのギルド』直後の環境ということもあり、Mono Red Aggroなどプロアクティブな戦略が中心で、他にもSelesnya やBorosといった『ラヴニカのギルド』のカードを多数活用したデッキが活躍していました。

 対してMOではリアルよりも先行して新セットのカードが使えたこともあり、環境の研究もより速いペースで進んでいます。MOPTQではGolgari Midrangeがプレイオフに6名進出したことから、現時点での最高のデッキの一つとして間違いなさそうです。来週末にはNew JerseyとLilleでスタンダードのグランプリも開催されるので、今後の動向にも注目です。

 USA Standard Expres vol.132は以上です。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!

この記事内で掲載されたカード

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