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『ラヴニカのギルド』がモダンに与える影響

2018/10/17 00:00 

    • Lee Shi Tian
    • Hareruya Pros Blog

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2018/10/16)

はじめに

みなさんはじめまして。香港出身のリー・シー・ティエン/Lee Shi Tianです。Hareruya Prosに加入することができ、本当にうれしく思います。

これがHareruya Prosとして初めての記事になるのですが、今回とりあげるのは私が一番好きなフォーマット、モダンです。『ラヴニカのギルド』で登場したカードのなかから、モダンで活躍する可能性を秘めたカードたちをご紹介していきましょう。

『ラヴニカのギルド』で加入したモダンの新カードたち

《議事会の裁き》

議事会の裁き

マナコストを軽減できるカードは、カードパワーが高いフォーマットで使われる可能性が常にあります。マナコストが軽く、さまざまなカードに対処できるカードは、モダンの攻撃的なデッキに不足していたものです。

《議事会の裁き》は「クリーチャーを多く使うデッキの特権である除去」になる可能性がありますね。《霊気の薬瓶》を使う、スピリットや5色人間のようなデッキであればさらにうまく使えるかもしれません。また、白黒トークンもここ最近は影を潜めているような印象ですが、《議事会の裁き》のようなテンポがとれる除去があれば、再び白黒トークンが復活するきっかけになるかもしれませんね。

《戦いの覚悟》

戦いの覚悟

何を言っているんだと思われるかもしれませんが、「英雄的」デッキが活躍する可能性が現実味を帯びてきたかもしれないのです。モダンでアグロデッキが活躍する最低条件として、デッキの核となる部分がしっかりとしていることがあげられるのですが、《アクロスの十字軍》《恩寵の重装歩兵》《僧院の速槍》といったカードがその役割を担ってくれています。

アクロスの十字軍恩寵の重装歩兵統率の取れた突撃

従来は「英雄的」を同時に2回誘発できる軽量呪文が《統率の取れた突撃》だけだったのですが、《戦いの覚悟》という新しい仲間が加わったのです。マイナーなアーキタイプだった「英雄的」のデッキパワーを押し上げてくれる可能性を感じます。

《這い寄る恐怖》

這い寄る恐怖

ドレッジ以上にこのカードが合うデッキはないでしょう。《虚ろな者》デッキやブリッジヴァインが登場したことで、ドレッジは『ラヴニカのギルド』発売前から「墓地を使うデッキならこれ!」というポジションから外れてしまっていました。《虚ろな者》デッキやブリッジヴァインの方が、相手に干渉できますし、「ブン回り」があるからです。また、《硬化した鱗》デッキなどが環境のスピードをあげてしまったこともあり、ドレッジが環境のスピードに追い付けなくなってしまっていました。

しかし、《這い寄る恐怖》が登場した今、ドレッジが環境の速度に追いついたと思います。デッキのクロック速度が飛躍的にあがるためです。《燃焼》とあいまって、相手のライフも削り切りやすくなりました。実際、ドレッジがこの2種の呪文だけで18点のライフを削る場面を何度か見たことがあります。ドレッジ復権のときです!

燃焼這い寄る恐怖這い寄る恐怖這い寄る恐怖這い寄る恐怖

《陰惨な生類》

陰惨な生類

このカードを初めて見たとき、アブザンカンパニーにぴったりのカードだなと思いました。《臓物の予見者》《療治の侍臣》《台所の嫌がらせ屋》の3体を戦場に戻せば無限ライフが一気に完成するカードだからです。

仮にここまで綺麗にできなくても、単純にアドバンテージがとれる優秀なカードです。《永遠の証人》を戦場に戻して《陰惨な生類》を回収する、という動きなら安定してできるはずです。

臓物の予見者療治の侍臣台所の嫌がらせ屋永遠の証人

《霊廟の秘密》

霊廟の秘密

正しいデッキで使えば《Demonic Tutor》になりえるカードです。モダンであれば《思考囲い》《死の影》《死後の一突き》《御霊の復讐》といった、マナコストが軽い黒の呪文がたくさんあります。さきほどお話した《陰惨な生類》もサーチできますね。

個人的には、グリクシス《死の影》デッキに入れるのが一番自然かなと思います。とはいえ、モダンであれば《通りの悪霊》《傲慢な新生子》といった「宿根」向けのカードがたくさんありますし、《献身のドルイド》のように除去の対象になりやすいクリーチャーもいますので「宿根」しやすい環境だと思います。このように《霊廟の秘密》には大きな可能性が秘められているのです。

死の影御霊の復讐傲慢な新生子献身のドルイド

《遁走する蒸気族》

遁走する蒸気族

このカードはコンボ要素満載ですね。赤には《はらわた撃ち》《タイタンの契約》《炎樹族の使者》といったフリースペルが数多くありますからね。

このカードが登場したことで、「オールイン」の赤アグロができる可能性があるかもしれません。《炎族の先触れ》《遁走する蒸気族》をサーチする手段として優秀ですし、デッキに安定性を高めてくれます。仮に《遁走する蒸気族》が除去されたとしても、《ゴブリンの奇襲隊》《無謀な奇襲隊》といったカードを使い、通常のビートダウンプランに移行することもできるでしょう。

炎族の先触れ炎樹族の使者ゴブリンの奇襲隊無謀な奇襲隊

《獣に囁く者》

獣に囁く者

サーチできる《垣間見る自然》ともいえるカード。

エルフはモダンで常にTier2にいる悪くないデッキですから、ターン終了時に《召喚の調べ》から《獣に囁く者》をサーチしてきてコンボをスタートさせるといった動きが可能になり、エルフをもうひとつ上の次元へと押し上げるカードになるかもしれません。エルフであれば4マナぐらい簡単に生み出せますから、普通に手札から唱えても、マナカーブの頂点として恥ずかしくないカードであると思います。

垣間見る自然召喚の調べ

《暗殺者の戦利品》

暗殺者の戦利品

『ラヴニカのギルド』でモダンのカードといえばこのカードでしょう。どんなパーマネントでも触れるようになったため、黒緑系のデッキはトロンと戦えるようになりました。今までは《大爆発の魔道士》に頼りきりで、先手3ターン目に《解放された者、カーン》が出されないことを祈るばかりだったのです。

そして今や《暗殺者の戦利品》のおかげで後手でもトロンに勝てる見込みが出てきたのです。黒緑系のミッドレンジが復権することは容易に想像がつきますね。このカードのパワーを最大限に発揮したいのであれば、《廃墟の地》入りの黒緑のデッキが良いのではないかと思っています。

ウルザの塔廃墟の地

《秋の騎士》

秋の騎士

『ラヴニカのギルド』から一番のカードを選ぶなら、個人的には《暗殺者の戦利品》なのですが、ケルヴィン・チュウ/Kelvin Chewならきっと《秋の騎士》を推すでしょう。この柔軟性は目を見張るものがあり、《台所の嫌がらせ屋》《再利用の賢者》を1枚にしたようなカードです。この手のカードは、サイドボードの枠を節約してくれるため、メタが多様化している場合に素晴らしいカードになるのです。

台所の嫌がらせ屋再利用の賢者

《貴族の教主》を使うデッキは、《焼尽の猛火》《灼熱の血》といったカードを使うバーンデッキに散々苦しめられてきました、ですが今や《秋の騎士》がこの形勢をひっくり返す鍵となってくれることでしょう。

『ラヴニカのギルド』後のメタゲーム

『ラヴニカのギルド』からモダンで活躍しそうなカードをご紹介してきました。メタゲームでいうならば、ドレッジは間違いなく数を増やすでしょう。そして墓地対策のカードがますます一般的になり、墓地を使うデッキは巻き添えを食らうことになるでしょうね。また、《タルモゴイフ》も黒緑系のミッドレンジであれば使われるカードですので、再び日の目を見ることになるでしょう。

這い寄る恐怖タルモゴイフ

実際のところ、先週開催されたMagic Onlineのモダンチャレンジの決勝は、まさに黒緑ミッドレンジとドレッジの対戦でした。その2つのデッキは以下の通りです。

私が次に参加するモダンのイベントはグランプリ・アトランタ2018になりますが、『ラヴニカのギルド』のカードを使った、とんでもない戦術が颯爽と現れるのではないかと今から楽しみで仕方ありません。

読んでいただきありがとうございます。

リー・シー・ティエン (@leearson)

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