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週刊デッキウォッチング vol.177 -ミッション:インポッシブル サーヴェイル-

2018/10/05 00:00 

    • 大久保 寛
    • コラム

 『マジックの華は、デッキリストだ』

 これはある人の言葉ですが、『デッキリストに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる』のだと。

 であればデッキリストを見るという行為は。

 単なる"知識の探求"を超えて、より深い意味合いを伴った行いと言えるのかもしれません。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週おもしろそうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものです。

 気になるデッキがあれば実際に組んで遊んでみるもよし。Magic Online用のtxtフォーマットもダウンロードしていただけます。

 さっそく、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介していきましょう。

スタンダード: 「青黒コントロール」

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虚報活動破滅を囁くもの悪意ある妨害

 いよいよ今日から新環境! 『ラヴニカのギルド』のリリースに伴ってスタンダードはローテーションを迎え、環境が大きく変化しました。特にMagic Onlineではリアルに先駆けてスタンダードのイベントが開催されていたので、今回は"つよ占術"と話題の新キーワード能力「諜報」を使ったこちらのコントロールデッキをご紹介したいと思います。

 キーカードは《虚報活動》。戦場に出たときに自分1ドロー+相手1ディスカードとアドバンテージの差をつけてくれる1枚ですが、なんとこのカード、「諜報」を行うたびに再度使い回すことが可能になるので見る見るうちに莫大なアドバンテージ差を生み出すことができます。《破滅を囁くもの》《夢喰い》、あるいは《思考消去》《悪意ある妨害》といった「諜報」持ちのカードが多数採用されているので、誘発型能力を誘発させるのも容易でしょう。

 特に「諜報」カードの中でも《悪意ある妨害》《破滅を囁くもの》頭一つ抜けて強力と言えるでしょう。かつて『テーロス』では《解消》という占術つきのカウンター呪文があり、当時のスタンダードでは青いデッキのキーカードの一つとして重宝されていましたが、《悪意ある妨害》は実質的にその上位互換と呼べる性能。《破滅を囁くもの》5マナ6/6飛行・トランプルというタフなボディになぜかメリット能力がついています。《冒涜の悪魔》が1マナ増えたらエラいことになったなぁ……(《冒涜の悪魔》もかなり強かった)

 ともあれまだ『ラヴニカのギルド』環境が始まったばかりの(それどころかリアルでは始まってもいない)時点で、これだけ完成度も高く新メカニズムにコミットしたデッキを作り上げるセンスには脱帽です。はたしてこの「青黒諜報」はメタゲーム上で活躍することになるのでしょうか?

「青黒コントロール」でデッキを検索

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モダン: 「ローグアグロ」

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抹消絡み根の霊野生語りのガラク

 vol.172でお話した"マジックの俗説"を覚えていますか? テキストが短いカードは強い、『すべて』と書かれたカードは強い、などですね。であるとすれば「すべてのアーティファクトと、すべてのクリーチャーと、すべての土地を破壊する。それらは再生できない。」と書かれたカードは3回も『すべて』と書かれているから強いですね。しかもこの呪文、打ち消されないんですよ。有名なカードなのでご存知の方も多いかもしれませんね、《抹消》というカードです。

 《粉砕の嵐》《神の怒り》《ハルマゲドン》を一絡げにしたこのド派手な呪文、撃たれた方は基本的にゲームを続行することが不可能な状態に陥ることでしょう。土地まで破壊されてしまうので当然といえば当然なのですが、逆に自分は「不死」や「頑強」、破壊不能を持ったクリーチャーであったり、《野生語りのガラク》のように《抹消》に巻き込まれないパーマネントを展開することで戦線を維持できます。

 ネックとなるのは8マナというマナコストの重さですが、こちらのデッキでは《楽園の拡散》《東屋のエルフ》によるマナ加速に加えて「信心」メカニズムも活用し、《ニクスの祭殿、ニクソス》から大量のマナを得ることで早いターンに《抹消》できる構築になっているようです。もちろん、簡単には死なない粘り強いクリーチャーたちの軍勢で素直にビートダウンとして振る舞うのも強そうです。

 《抹消》しかり《残酷な根本原理》しかり、撃てば勝つ呪文というのは必殺技感があってかっこいいですね。マナコストが重い呪文は普通なら忌避されますが、逆に苦労してプレイする達成感がありますし。こうした「必殺技デッキ」が構築できるところも、モダンの懐の広さが感じられます。

「ローグアグロ」でデッキを検索

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レガシー: 「親和」

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硬化した鱗電結の荒廃者伝承の樹

 先週もお話した通り、モダンで活躍中の「人間」デッキがレガシーでも頭角を現していました。去る8月に開催されたマジック25周年記念プロツアーでは「グリクシスシャドウ」も活躍しましたし、最近ではモダンのデッキがレガシーに逆輸入(?)されることも増えてきています。モダンのカードプールにもレガシー級のカードが多数存在するので何も不思議なことはないのですが……しかしながら《硬化した鱗》入り親和」がレガシー級であると考えた方はあまり多くはないのではないでしょうか?

 リストを掲載したはいいものの、おそらくみなさんご存知のデッキでしょうし、デッキについて改めて紹介することも多くはないんですよね。というかメインボードの《伝承の樹》《古えの墳墓》《不毛の大地》にサイドボードの《梅澤の十手》以外、合計で62枚ものカードがモダンのカードプールで組まれているんですよすごくないですか。語れることも特にないので『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の話でもしようかな……。

 冗談はさておき、広大なレガシーのカードプールに依存することなくほとんど『ミラディン』以降のカードだけで組まれ、こうして結果を残しているというのは《硬化した鱗》入り親和」というデッキそのものが持つ地力の高さを証明していると言えるでしょう。モダンで定番の枠である《活性機構》だけはレガシー級とは言えないのか《金属ミミック》に差し替えられていますが、サイドボードのカードに至るまでモダンのデッキ構成とほぼ変わりないのは驚きです。

 何より、デュアルランドを買い揃える必要がないのでモダンプレイヤーがレガシーに参入するには非常にお手頃なデッキです。ブン回ったときの強さはたしかにレガシーでも十分に通用するレベルでしょうし、何より1ターン目に《硬化した鱗》をプレイすれば対戦相手の驚く顔が見れることはうけあいでしょう。

「親和」でデッキを検索

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 いかがだったでしょうか。

 ある人は「すべてのデッキリストには意思が込められている」と言いました。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つことでしょう。

 読者の皆さんも、ぜひいろいろとおもしろいデッキを探してみてください。

 また来週!

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