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生涯最高のプロツアーと、赤黒アグロ

2018/09/07 00:00 

    • Carlos Romao
    • Hareruya Pros Blog

Translated by Takuma Kusuzawa

原文はこちら
(掲載日 2018/08/31)

はじめに

まずは2017-2018シーズンを振り返るところから話していくことにするが、一言で言うなら「とんでもないシーズンだったぜ!」

チームシリーズとしては微妙なスタートだったが、ルイス・サルヴァットプロツアー『イクサランの相克』で優勝し、マルシオ・カルヴァリョがトップ8に2回、俺とティアゴ・サポリートが1回ずつで、俺たちのシーズンは最高の終わり方をしたと思うね。みんなもそう思うだろ?

チームはよくやったし、俺が思うに、俺自身も頑張ったと思う。グランプリのキャップも余っていて、世界選手権に出場しなくても、次の2サイクルはプラチナ・レベルだ(サイクルに関しては鬱陶しく思うけど、そのうち慣れるだろう)。ゴールドになれた時点ですごく幸せだったし、プラチナに届くとは望むべくもなかった。トップ4入りが必要だったから、心底ビックリしているよ。世界選手権2018の招待は得られなかったけど、悲しさはなかったね!

25周年プロツアーとミネアポリス

お祝いはこれくらいにして、ミネアポリスであったマジック25周年記念プロツアーについて話そう。プロツアーには51回出場しているが、人生で一番良かったプロツアー旅行で、準備から道中起きたことまで全部話していくよ。

ミネアポリスは俺がこれまでアメリカで訪れた中でも最高の町だ!町にエネルギーがあって、たくさんの人が歩いてる。食事をするところもたくさんあるし、町中の移動に車が要らないんだ。バイクステーションがあって、2ドルで自転車を借りられる。そして、行きたい場所の近くにある別のステーションに返却すれば良い。町が平らで坂がないのが、歩きやすい理由なんだろうな。始めは運動不足のせいでちょっと大変だったんだけど、プロツアー会場に自転車や徒歩で到着したときの気持ち良さ分の価値はあったぜ。

フットボール(アメリカの友人は"サッカー"と言ってたな)の試合を2戦やったんだが、みんなの実力が分かって面白かったな。マジックプレイヤーを見かけたら、そいつがフットボールが上手いか予想してみると良い。実際にフィールドに出てみると、予想外にうまかったり下手だったりでビックリすることもあるはずさ。

準備の面では、マルシオ・カルヴァリョの記事に書いてあることに加えて、プロツアーのために10リーグ以上プレイしたんだ。「俺が世界で一番用意周到なプレイヤーだ!」なんて嘘を言うつもりはないけど、このプロツアーに関しては、3人チームの大会ということもあってチームメイトの足を引っ張りたくなかったから、いつもよりたくさんプレイしておきたかったんだ。

まずはレガシーのことから考え始めたんだけど、このフォーマットは俺には繊細過ぎた。スタンダードで追い上げるほうが簡単に見えたんだ。マルシオはレガシーの方がしっくり来ていたみたいで、席を入れ替えたってわけだ。

Nicol Bolas, the RavagerTeferi, Hero of Dominaria

スタンダードは、グリクシスと青白コントロールから準備を始めた。俺のことを知ってくれている人なら分かるとは思うけど、俺はコントロールプレイヤーなんだ。対戦相手からアドバンテージを得ることばかり考えているんだけど、今のスタンダードだと受け身なデッキを使うのは良くない気がしていた。アグロデッキが《ボーマットの急使》《反逆の先導者、チャンドラ》で押し切れるような状況ならば、これに抗うよりも流れに乗る方が良い、と思ったんだ。

練習を始めるために良いリストが欲しかったから、赤いデッキのスペシャリストで昨シーズンのスタンダード・マスターでもあるセバスティアン・ポッツォに相談したら、その後プロツアーで使うことになるリストをくれたんだ。練習を始めたリストが、そのまま提出したリストだったのさ!

たくさんプレイした中で、一番練習になったのはサイドボーディングだ。サイドボードプランを紙に書かなくても、全部覚えられたくらいだよ。1ゲーム目を終えた後にデッキボックスから紙を出したり、隣にアドバイスを求めたりする相手を見るたび、自分が天才みたいに思えたものさ。「俺は完璧に覚えてるぜ」ってな!

さて、俺は人が考えていることを予想するのが好きなんだが、今、君はこう考えているところだろう。「素敵な旅行だったね。サイクリングを楽しめたし、フットボールもして、青白コントロールはイマイチで、君は天才だった。で、早いところデッキのことを話してくれないか?」と。

ご主人様、仰せのままに。これがリストだ。

サイドボードガイドと豆知識

対ターボフォグ

vs. ターボフォグ

Out

Abrade Abrade 無許可の分解
Cut // Ribbons Cut // Ribbons

In

Duress Duress Duress
Doomfall Doomfall

ターボフォグはプロツアー前では大きな話題になっていなかった。その1週間、このデッキを考慮している人は居たみたいだけど、俺たちがリストを見たり話し合ったりは一切しなかった。

1ゲーム目はほぼ勝てない。手札に干渉できないし、《ドミナリアの英雄、テフェリー》《濃霧》系のカードにしっかり守られているからな!

DuressDoomfall

2ゲーム目は、《強迫》《大災厄》が勝ち筋で、引き込めなかった場合は《ボーマットの急使》で積極的に引きに行こう。勝つためのダメージは盤面に十分用意できていると思うから、手札が《反逆の先導者、チャンドラ》だろうと《強迫》だろうと大して変わらないさ。恥ずかしがらずに《ボーマットの急使》を生け贄に捧げよう!

対緑単

vs. 緑単

Out

ボーマットの急使 ボーマットの急使 ボーマットの急使 ボーマットの急使
航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ 航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ
ピア・ナラー キランの真意号

In

Glorybringer Glorybringer Magma Spray Magma Spray
Abrade Abrade
Hour of Glory Hour of Glory

《再燃するフェニックス》《損魂魔道士》が輝く時間だ!

Soul-Scar MageGoblin Chainwhirler

《損魂魔道士》《ゴブリンの鎖回し》が合わさるとめちゃくちゃだ! このコンボで目一杯アドバンテージを稼いでおこう。

Rekindling Phoenix

《再燃するフェニックス》はすべてをブロックするだろうし、攻めても強い。君がすべきなのは、相手の大きいクリーチャーを排除して、《原初の飢え、ガルタ》が出てくる時間を遅らせることだ。《原初の飢え、ガルタ》を除去することもできるけど、《顕在的防御》に守られるかもしれないからな! お互いに平凡な引きなら、こちらに分があるぜ

対青白&エスパーコントロール

vs. 青白&エスパーコントロール

Out

Soul-Scar Mage Soul-Scar Mage Soul-Scar Mage
Cut // Ribbons Cut // Ribbons

In

Duress Duress Duress
Doomfall Doomfall

ターボフォグほど厳しくはないが、1ゲーム目はやっぱり厳しい。大事なのは、プレッシャーを与え続けることだ。もし相手が《ドミナリアの英雄、テフェリー》を急いで出してきたら、相手はかなり不利な形になってるはずだ《残骸の漂着》には気を付けないといけないけど、無視しないといけない場面もあると思う。自分の手札がイマイチで大きく遅れているなら、白い呪文のことは構わず攻めていこう!

無許可の分解

サイドボード後は、《黎明をもたらす者ライラ》《奔流の機械巨人》がいるから《無許可の分解》は残さないといけない《削剥》なら《奔流の機械巨人》《魔術遠眼鏡》に対処できる。《強迫》《大災厄》がどれほど良い仕事をするかは、もう話さなくても構わないよな?

《ボーマットの急使》はいかなる手段を用いてでも守ることになるだろう。2ターン目にアタックしない、という選択肢もあるかもしれないな。そうすれば相手は《封じ込め》を唱えられないし、動きを遅くできるかもしれない。

対赤黒アグロ(ミラーマッチ)

vs. 赤黒アグロ
(先手)

Out

ボーマットの急使 ボーマットの急使 ボーマットの急使 ボーマットの急使
反逆の先導者、チャンドラ 反逆の先導者、チャンドラ
Soul-Scar Mage ピア・ナラー

In

Glorybringer Glorybringer Chandra's Defeat Chandra's Defeat
Abrade Abrade
Hour of Glory Hour of Glory

vs. 赤黒アグロ
(後手)

Out

ボーマットの急使 ボーマットの急使 ボーマットの急使 ボーマットの急使
航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ 航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ 反逆の先導者、チャンドラ 反逆の先導者、チャンドラ
ピア・ナラー キランの真意号

In

Glorybringer Glorybringer Chandra's Defeat Chandra's Defeat
Magma Spray Magma Spray Abrade Abrade
Hour of Glory Hour of Glory

《マグマのしぶき》を入れるのは好きじゃない。ミラーマッチでは、より攻撃的でありたいし、「さあ攻めよう!」ってとき、初期手札にこのカードは欲しくない。《反逆の先導者、チャンドラ》は悪くないけど、すごく良いってわけでもない。だから、何枚も入れるようなことはしないよ。

Glorybringer

このマッチの勝ち筋は、先手では能動的に、後手では受動的に動くことだ。こちらの《栄光をもたらすもの》が殺される前にこいつで何か倒せる状況を待つってのは、天気が良い日に公園でアイスクリームを手に持っているようなものだからな。

対グリクシス / グリクシス・ドラゴン

vs. グリクシス

Out

Soul-Scar Mage Soul-Scar Mage Soul-Scar Mage Glorybringer
Abrade Abrade

In

Duress Duress Doomfall Doomfall
Hour of Glory Hour of Glory

このデッキにとって、一番相性が良い相手だ。相手は《屑鉄場のたかり屋》の対処に難儀するし、こちらの懸念点は《スカラベの神》だけだ。相手のマナ基盤はめちゃくちゃだから、ほとんどの対戦で相手に《スレイベンの守護者、サリア》の紋章があるみたいになる。相手のすべての呪文は、最速から1ターン遅れて唱えられる感じだ。

隠し玉なんてものはない。クリーチャーを出して、道を開いた後は、勝ちを祝うだけさ!

最後に

この辺りがプロツアーで戦う中で良く見たデッキかな。プロツアーの後はスタンダードを追ってないので、赤黒のその後のバージョンについては分からないんだ。このデッキはかなり手堅いから、国別選手権でも使う予定だよ。

他に質問があるなら、TwitterでDMしてくれれば、答えられるぜ。

プロツアーについて言えば、人生で一番思い入れ深く、特別な大会になった。1ラウンド目で判断を間違えて、自分の試合に負けてしまったんだ。結果、チームがマッチを落として、それでとても焦った。チームの足を引っ張りたくなくて、その気持ちが最終ラウンドで勝ってトップ4入りの可能性が出るまでずっと残り続けていた。この1回のミスがチームに問題を起こさなかった、という安心感が、とにかく感動的だったのさ!

マルシオ、ティアゴと祝福が済んだあとも、会場を離れて1人でまた喜びに浸った。俺のチームメイトは世界で最高の2人で、俺のミスでトップ4を逃すような奴らじゃなかったんだ!

さて、プロツアートップ4だけじゃなくて、チームシリーズでも1位になれた。これでチームシリーズのファイナルへ招待され、Ultimate Guard Pro Teamという、とんでもない相手と決着を付けることになる。

プロツアーの最中に、ブライアン・デヴィット=マーシャル/Brian David-Marshallが現状を聞いてきたから、「チームシリーズのトップ2が手に入るなら、プロツアーのトップ4をトレードに出すよ」って返したんだ。実際にこのトレードをすることがなくてホッとしているんだが、この交渉は本当に熱望しているから言い出したんだ。Hareruya Latinの6人がプロシーンのトップで揃うのを、それくらい見たかったのさ

読んでくれて本当にありがとう、また次の記事で会えるのを楽しみにしてるぜ!

カルロス

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