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USA Standard Express vol.130 -ローテーションで変わるもの-

2018/09/06 00:00 

    • Kenta Hiroki
    • コラム

 みなさんこんにちは。

 秋の新セットの『ラヴニカのギルド』の内容も徐々に明らかになってきました。ショックランドの再録のアナウンスもあり、チェックランドと合わせてスタンダードでも強固なマナベースが築けそうです。個人的にラヴニカのスタンダードの環境は多色が推奨されていてデッキの多様性もあり、楽しい環境だったので楽しみです。

 さて、今回の連載ではグランプリ・リッチモンド2018の入賞デッキを見ながら、現在の情報の中から次の環境のことも考えていきたいと思います。

グランプリ・リッチモンド2018
解明された環境、《ゴブリンの鎖回し》《奔流の機械巨人》の支配する世界

2018年9月2日

  • 1位 RB Aggro
  • 2位 UB Midrange
  • 3位 RB Aggro
  • 4位 RB Midrange
  • 5位 RB Aggro
  • 6位 UW Control
  • 7位 Esper Control
  • 8位 UB Midrange

トップ8のデッキリストはこちら

 ローテーションが近いこともあり、多くのプレイヤーはRB Aggroを選択していました。逆に《ゴブリンの鎖回し》の選択を見送ったプレイヤーの多くは《奔流の機械巨人》をフィニッシャーとしたUB MidrangeやEsper Controlといった青いデッキを選択しており、多数のプレイヤーをトップ16以内に送り込んでいます。

 《ゴブリンの鎖回し》を採用した赤いデッキはMOで開催されたRegional PTQも支配するほどで、環境のベストデッキと見て間違いありません。

グランプリ・リッチモンド2018

「RB Aggro」「UB Midrange」「Esper Control」「GU Aggro」

RB Aggro

 RB Aggroのリストは完成されており、無難な選択肢として今大会でも多くのプレイヤーに使用されていました。

 母数の多さも手伝ってプレイオフにも3名のプレイヤーを送り込み、優勝もRB Aggroでした。先にも述べた通り、MOのRegional PTQもほぼ独占状態にするほどです。

ゴブリンの鎖回し

 ローテーション後の環境では、《ゴブリンの鎖回し》は残るものの《ボーマットの急使》《栄光をもたらすもの》《反逆の先導者、チャンドラ》《キランの真意号》《熱烈の神ハゾレト》といった多くのカードが落ちてしまうので現在の形を維持するのは不可能となります。

☆注目ポイント

 《ボーマットの急使》などの軽いクロック、プレインズウォーカー、飛行クリーチャー、除去と揃っており、赤いアグロデッキながら環境の変化に対応することが可能で、環境初期から終盤までトップメタに留まり続けています。

ボーマットの急使反逆の先導者、チャンドラ栄光をもたらすもの

 《木端+微塵》がメインから2枚と多めに採用されているのが特徴的です。《木端》はMono Green Aggroの《緑地帯の暴れ者》《打ち壊すブロントドン》《鉄葉のチャンピオン》や、ミラーマッチの《栄光をもたらすもの》、Mono Blue Stormがサポート兼追加の勝ち手段として採用している《練達飛行機械職人、サイ》を処理できます。

 《微塵》もコントロールに対して有効で、最後の一押しとして使えるので無駄になりにくく、《ボーマットの急使》《熱烈の神ハゾレト》の能力によって能動的に墓地に落とせます。

木端+微塵チャンドラの敗北

 ミラーマッチが多発することを想定していたようで、《チャンドラの敗北》《マグマのしぶき》といった軽い除去がサイドに多めに積まれています。

 このデッキのローテーション後の形については『ラヴニカのギルド』のカード次第ですが、《魔術師の稲妻》《稲妻の一撃》といった火力スペルは残るので、《ケルドの炎》を軸にした速攻型の赤いアグロデッキが見られそうです。スポイラーでは《ゴブリンの熟練扇動者》を彷彿させる《Legion Warboss》やボロスカラーのウィニークリーチャーである《Boros Challenger》も確認できたので、Boros Aggroのようなデッキも見られるかもしれません。

Legion WarbossBoros Challenger

UB Midrange

 現環境のミッドレンジの代表格であるUB Midrangeは安定した成績を残し続けていますが、主力の《スカラベの神》《奔流の機械巨人》などがローテーションにより落ちてしまうので残念ながら新環境では存続は不可能となります。

 『ラヴニカのギルド』からどのようなカードが登場するかによりますが、多色のセットには大抵ミッドレンジに必要なカードパワーの高いスペルが含まれていますし、『基本セット2019』で登場した《破滅の龍、ニコル・ボーラス》も残るので期待できそうです。

☆注目ポイント

 破壊不能の《熱烈の神ハゾレト》や青白系のフィニッシャーの《ドミナリアの英雄、テフェリー》など、環境の多くの脅威をインスタントスピードで処理できる《ヴラスカの侮辱》はほとんど万能除去で、ローテーション後も《ドミナリアの英雄、テフェリー》をはじめとした脅威への回答として使われることになりそうなスペルです。

ヴラスカの侮辱アルゲールの断血

 『ラヴニカのギルド』の影響で環境が多色化し、ミッドレンジやコントロールが流行るなら《アルゲールの断血》の価値もさらに上がります。

 『ラヴニカのギルド』ではイゼットカラーの新プレインズウォーカーである《Ral, Izzet Viceroy》もプレビュー公開されており、その「+1」能力はイゼットの新メカニズムである「再活」との相性も良好です。環境屈指のパワーカードである《破滅の龍、ニコル・ボーラス》が残ることを考慮すると、現時点ではGrixis Midrangeにシフトしていくことが予想されます。

Ral, Izzet Viceroy破滅の龍、ニコル・ボーラス

Esper Control

 《奔流の機械巨人》は現環境でコントロールを選択する理由の一つで、《天才の片鱗》との組み合わせによるアドバンテージは現在のスタンダードのコントロールの強さを支えます。

 また、現在のモダンでトップメタの一角として活躍している青白コントロールでも主力として使用されている《ドミナリアの英雄、テフェリー》《アズカンタの探索》はスタンダードでもコントロールの強化に貢献しています。

ドミナリアの英雄、テフェリーアズカンタの探索

 そこに現環境のほぼ万能除去の《ヴラスカの侮辱》や確定カウンターの《不許可》、モダンやレガシーでも主力の除去として使用されている《致命的な一押し》など軽い優秀な妨害スペルを含めることで現在の形に至ったのがこのEsper Controlです。

☆注目ポイント

 ローテーション後は《奔流の機械巨人》というフィニッシャーと、長い間青いデッキのドロースペルとしてデッキの安定性を支えてきた《天才の片鱗》、軽い優秀な除去である《致命的な一押し》などこのデッキの多くのカードが落ちてしまいますが、《アズカンタの探索》《ドミナリアの英雄、テフェリー》は残ります。さらに『ラヴニカのギルド』から新たな3マナカウンターの《悪意ある妨害》が加入予定です。

悪意ある妨害

 《解消》を彷彿させる3マナの確定カウンターで、相手のスペルをカウンターしつつドローを質の向上を図ることが可能な上に墓地も肥やせるので、《アズカンタの探索》の変身にも一役買います。

 マナベースの方も《水没した地下墓地》《氷河の城砦》といったチェックランドと相性が良いショックランドが再録されるので、『ラヴニカのギルド』で登場するカードによっては新環境でも青白系のコントロールは活躍しそうです。フィニッシャーとしては現在でもコントロール同型用にサイドに忍ばせてある《変遷の龍、クロミウム》辺りが新たな候補となりそうです。

GU Aggro

 緑単はTurbo Fogやコントロールに対抗するために青をタッチしたバージョンが使われる傾向にあります。

 Andrew Baeckstromはグランプリ・ロサンゼルス2018でも同様のデッキでトップ16という好成績を残しており、プレイオフ進出は逃したものの安定した成績を残し続けています。

☆注目ポイント

 グランプリ・ロサンゼルス2018のリストからの変更点は、メインの《立て直しのケンラ》が抜けて《キランの真意号》《蔦草牝馬》が追加されているところです。《立て直しのケンラ》の「永遠」は捨てがたいところですが除去耐性がありサイズで赤いデッキに勝る《蔦草牝馬》はメインに4枚欲しいクリーチャーです。

蔦草牝馬鉄葉のチャンピオン

 このデッキはローテーション後は《不屈の神ロナス》《新緑の機械巨人》といったカードを失いますが、《ラノワールのエルフ》《鉄葉のチャンピオン》《蔦草牝馬》など主要なクリーチャーの多くは最近のセットに収録されていたものなので、ローテーション後の環境でも緑アグロは見られそうです。

 『ラヴニカのギルド』から再録予定のショックランドの恩恵で色も足しやすくなるのもポイントです。

総括

 ローテーションも間近ということで今回はグランプリ・リッチモンド2018で入賞したデッキを見ながらローテーション後の環境を考えていきましたが、現在の多くのデッキが《ボーマットの急使》《熱烈の神ハゾレト》《奔流の機械巨人》《スカラベの神》など『カラデシュ』~『アモンケット』ブロックのカードを軸にしており、環境が激変することは明らかです。

草むした墓聖なる鋳造所蒸気孔寺院の庭湿った墓

 『ラヴニカのギルド』は予想通りショックランドの再録も確定したので、チェックランドも含めると各デッキのマナ基盤が強化され、多色化が進みそうです。デッキの選択肢も増えると思うので往年の『ラブニカ』ブロックのスタンダードと同様におもしろい環境になりそうです。

 USA Standard Express vol.130は以上です。次回の連載までには新セットの詳しい情報も入ると思うので、新カード入りのデッキもご紹介していきたいと考えています。

 それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいスタンダードライフを!

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