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あなたの隣のプレインズウォーカー ~第70回 2018年秋・ラヴニカ次元の現状~

2018/09/07 00:00 

    • 若月 繭子
    • コラム

 こんにちは、若月です。

 もうすぐ3度目のラヴニカが帰ってきます!『イクサラン』ブロックでかなり伏線が張られていたので納得といえば納得、けれど3セット連続というのは驚きました。これはよく思うのですが、「勢力」が幾つもある世界は賑やかだけど全て扱うのは大変そうなんですよね。ラヴニカ、10のギルドとその物語をしっかり網羅するにはやはり昔のブロック制度並みの3セットが必要なのかな、と。

 さてこの連載では「回帰」前におさらいをするのが恒例ですので、今回は『ラヴニカのギルド』に向けてラヴニカ次元は今どうなっているのか、断片的に存在する情報をなるべくまとめました。少し早めですが、プレビューが本格的に始まると書きたい内容が日々増えていって逆に収集がつかなくなるので今のうちに!

 なお、この記事では便宜上、各ブロック・セットを以下のように表現することがあります(公式の呼称ではありません)。

  • 『ラヴニカ:ギルドの都』ブロック(2005-2006年):ラヴニカ一期、もしくは単に「一期
  • 『ラヴニカへの回帰』ブロック(2012-2013年):ラヴニカ二期、もしくは単に「二期
  • 『ラヴニカのギルド』『ラヴニカの献身』『(セットタイトル未公開)』(2018-2019年):ラヴニカ三期、もしくは単に「三期
  • 1. 過去回おさらい

    拾い読み

     ドミナリアほどではないですがラヴニカも歴史は長く、設定や物語が既に沢山存在します。そしてこの連載は7年もやっているので、ラヴニカ次元や関連キャラクター・エピソードを扱った過去回も多数あります。その幾つかをざっとご紹介。

     『ラヴニカへの回帰』発売前に各ギルドと一期のストーリーを簡単に紹介したものです。各ギルドマスター達のエピソードや生死についても。カードこそありながら登場していない、もしくは死亡してしまったキャラクターも結構いるのですよね。《ゴルガリの死者の王、ジャラド》は『ラヴニカへの回帰』での(正確には『デュエルデッキ イゼットVSゴルガリ』での)カード化ですが、物語で活躍していたのはむしろ一期でした。(いやあのですね、「責任感が強い」って元々ギャグで書いたわけじゃなくて、どんなキャラかを一言で表現しようとした時に「姉が壊滅させたギルドをしっかり立て直して維持している」って所からそう受け取ったんです。オチはそこからの連想です。

     『デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2012』にて登場し、『ドラゴンの迷路』でカード化された《ラル・ザレック》を取り上げました。そしてこの回ではニヴ=ミゼットの「迷路レース開催宣言」を訳していますが、この場面本当格好良かったんですよ! 読んでて痺れたんですよ!! でも「つまり……『ドラゴンの迷路』はレースものになるってこと?」と困惑したのもまた事実でした。

     ラヴニカ二期のストーリーとキャラクター解説。第19回は各ギルドとプレインズウォーカー、20回はメインストーリー、20.5回は各迷路走者にスポットを当てています。《イゼットの模範、メーレク》の出落ちは今も伝説級だと思う。この頃のストーリーは今のような週刊連載形式ではなかったのでネタバレをいつ、どこまで書いて良いのかというのはかなり悩みどころでした。

     歴代プレインズウォーカー・デュエルデッキの背景的解説。ラヴニカ絡みはジェイスVSヴラスカを取り上げています。「倍返しだ!」に時の流れを感じる……。しかし後々ヴラスカが、誰もが認めるヒロインとなってジェイスとあんなに良い雰囲気になるとは誰が予想できただろうか。

     『マジック・オリジン』で語られたエピソードを踏まえつつ、『ドラゴンの迷路』と『戦乱のゼンディカー』の間にラヴニカで起こった出来事、ジェイスとギデオンの対面を扱っています。この二人は共に旧『ゼンディカー』ブロックとラヴニカ二期でカード化されていながら、それらの物語で接点はありませんでした。今ではすっかり良いコンビですが出会うまでには随分長くかかったものです。

     順番は前後しますが。『統率者(2015年版)』のテーマは対抗二色ということで、ラヴニカ次元からも伝説クリーチャーが登場していました。それが《幽霊議員カルロフ》《イズマグナスのミジックス》《クロールの死の僧侶、マジレク》の3体。この回では彼らの設定や背景を解説しています。後述しますがカルロフ(というかカルロフを含めた《幽霊議員オブゼダート》)とマジレクは三期のストーリーにも関わってきそうな……?

     イクサラン次元の秘宝、《不滅の太陽》を創造したスフィンクス。それはラヴニカ次元のアゾリウス評議会創設者にして元プレインズウォーカー、最高判事アゾール一世でした。ラヴニカ一期から少しずつあったその気配を辿った回。初出からカード化まで12年だよ12年! つい最近回想シーンとはいえ『基本セット2019』ストーリーで登場してくれたときは嬉しかった。

     我ながら沢山書いてきたんだなあ。読んだことがない方は気になった所をチェックしていただけると嬉しいです。

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    2. 幕間のラヴニカ

    思考を築く者、ジェイス迷路の終わり

     『ドラゴンの迷路』にて繰り広げられたギルド対抗迷路競争。その結果全ギルドの調停者としての力を証明したジェイスが「ギルドパクトの体現者」となり、再び10のギルド間に一応の平和がもたらされました。ですが今や不戦協定魔法ギルドパクトは1人の人間、それも自由にラヴニカ次元を離れてしまえるプレインズウォーカー。かつてのギルドパクトのような平穏無事が保たれるわけもなく……。週刊連載Magic Storyにおいて、ラヴニカ次元は主にセットとセットの幕間的なエピソードでよく舞台になってきました。ラヴニカ二期後、主にどんなことが起こっていたのでしょうか? それをまとめます。

    ■ ゲートウォッチが生活している(していた)

     『異界月』にてリリアナを加えて5人となったゲートウォッチは、ラヴニカに居を構えて共同生活を始めていました(リリアナは別宅)。ジェイスはギルドパクトの執務をしながら、ギデオンは時折ボロス軍やアゾリウス評議会に協力しながら。物語ではいきなりチャンドラを起こしにやってきたリリアナに「???」となった人も多かったのではないでしょうか。少なくとも私は理解するのにしばらくかかった。ですがカラデシュ次元での出来事へと全員出払ったきり、数か月(※日数経過はよくわからない)の間誰も戻ってきていない……はずです。

    第10管区のラヴィニア

     ジェイスの有能な副官である《第10管区のラヴィニア》はギルドパクト業務だけでなくこのゲートウォッチ宿舎(仮)についても色々と便宜をはかっていたようですが、いつまでも帰ってこない彼らに今頃は何を思っているのでしょうか。

    ■ テイサの反逆とその失敗

     オルゾフ組の名家の出身にして敏腕弁護士のテイサ。彼女は元々『ギルドパクト』の物語にて主人公の1人を務めていました。資産として受け継いだウトヴァラ地区へ赴くも、そこではイゼット団の狂科学者が何やらよからぬことを企んでいて……というような物語でした。

    オルゾフの御曹子、テイサ

     ラヴニカ二期では『ドラゴンの迷路』から登場。もしかして一期・二期継続登場キャラクターとしては最も出番が多いかもしれない。昔から人気ありましたからね。切れ者の才女、時々かわいい。それは112歳(本当)の現在でも変わりません。でもラヴニカ人の年齢は正直よくわからない。

    幽霊議員カルロフ幽霊の特使、テイサ

     そして二期のテイサ。プレビュー記事にてギルドマスターの《幽霊議員オブゼダート》の存在を厭わしく思っていることが明かされるとともに、ボロス軍の《軍勢の刃、タージク》に接触して密かな協力を要請していました。その時はそこで終わりだったのですが、2年以上を経て『統率者(2015年版)』の際に続きが語られました。テイサはオブゼダートの聖域へと侵入し、その支配の枷を取り払おうと試みるも失敗、逆に債務を追わせられてしまいました。タージクは捕われ、テイサはオブゼダートの塔へ向かわざるを得なくなる……という所でこのエピソードは終わっています。

     テイサとタージクはどうなったのか、ラヴニカ三期でそれが語られないわけはないと思う。ていうかこの件は幕間で済ませずにじっくりと語って欲しいです。

    ■ ゴルガリ団の内部抗争とヴラスカ

     まずは『Commander Anthology』合わせの話からでした。その少し後に『イクサラン』の公式発表、あの「ヴラスカ海賊団と恐竜が戦う世界」があったのでむしろそっち合わせだったのだろうか。私もわからない。

    クロールの死の僧侶、マジレク

     あるときゴルガリ団上層部に届いた招待状。それは最近ギルドに加わった昆虫種族クロールのマジレクからのものでした。ギルドの中でも更に虐げられている彼らは自分達の正当な扱いを求めて上層部に反逆、古の霊廟ウメリレクを開きました。それがどのような意味を持つのかはまだわかっていません。更にマジレクはヴラスカと繋がっており、彼女の助言を汲んでその行動に出ていたこともわかっています。

     一方そのヴラスカは『イクサラン』ブロックのエピソードを経て、現ギルドマスターのジャラドを倒してその座に就くチャンスを手にしました。ていうかジャラド、もしこのまま退場するとしたら物語での活躍はほぼ一期のみ、つまりカード化以前に限られちゃうのですが……それはなんかかわいそうなのでどうにかしてあげられませんかね。

    ゴルガリの死者の王、ジャラド

     そして『ラヴニカのギルド』のものと思われるヴラスカの画像は既に複数出ています。ひとまずWPNから最初に公表されたものを。

     これはまたずいぶんと……綺麗だなあ。背景はゴルガリ団の縄張りである地底街でしょうか。逆さ塔が印象的。腕に抱いているのは何? マフィアのボス的に愛玩動物? 衣服もイクサランでの実用的な海賊ルックから薄いメッシュに、花のような茸のような飾りまであります。ラヴニカ三期のストーリーがどの時点から始まるのかはわかりませんが、『イクサランの相克』の結末を見るにヴラスカがどこかで登場しないわけないですよね!

    危険な航海誘導記憶喪失

     けれど私達は知っている、そして待っているのです。ヴラスカが、殺したい相手である筈のジェイスに「船長」と呼ばれる日が来るのを……

    ■ ラル・ザレックの動向

    ラル・ザレック

     ラヴニカ二期にて「暗黙の迷路」を巡り奮闘したラル・ザレック。ジェイスについては迷路レースで敗北した相手として苦々しく思いながらも、同じ「正体を隠してラヴニカで生きるプレインズウォーカー」として共感と理解もしているという、ちょっと複雑な間柄です。物語で接する様子は傍から見るといい友人同士なのですが、本人にそう言ったら全力で否定するとかそういうやつ。そんな彼は『戦乱のゼンディカー』や『カラデシュ』の幕間にて、ジェイスに接触しては自分しか知り得ない情報を渡してきました。

    Magic Story「電光虫プロジェクト」より引用

    ラルは立ち止まり、ジェイスを振り返った。「かなりの数だ。ニヴ=ミゼットはお前がプレインズウォーカーだともう気付いているのかもしれないくらいにな」

     ジェイスが時折失踪している件にニヴ=ミゼットが気付き、その調査が行われていること。ちなみに《イズマグナスのミジックス》はカードより先にこの話で登場していました。

    Magic Story「電光虫プロジェクト」より引用

    ラルは顔をしかめた。「今起こっている筈だった」 頭上の雲は沈黙していた――証拠となる雷鳴も、次元渡りの兆候もなかった。「プレインズウォーカーだ、俺が追跡してきたのは。電光虫計画がまだ発見できていない奴だ。そいつは常に、毎日夕方に出現する」

    「毎日夕方?」

    「歯車仕掛けのように正確に。そいつは出現し、街のどこかを訪ねて、朝がくる前にまた次元渡りをして去る」

     同じ調査で「不可解な程規則正しくラヴニカを出入りしているプレインズウォーカーがいる」と判明したこと。これは後に、当時ラヴニカとゼンディカーを往復しながらボロボロになるまで戦っていたギデオンだと明かされました。

    正義の勇者ギデオン

     肝心の二期ストーリーにほとんど関わっていないと思ったら、本当貴方って人はなあ……!

    Magic Story「かの闘技場にて」より引用

    『あの女はラヴニカを離れた。行き先はない』

    『行き先はない?』

    『どこかの次元へ渡ったんじゃない。出ていっただけだ』

     そしてヴラスカがラヴニカを離れてどこかへ行ったこと。行き先が感知できなかったのはイクサラン次元の、《不滅の太陽》の効果だったんでしょうね。この話は『イクサラン』の発表よりもだいぶ前のことです。このように一見些細かもしれない描写がかなり先の展開の伏線だったりするのであなどれません。

     ……というように、幕間でラヴニカ次元に戻ると時折ラルは登場して存在感をアピールしてくれていました。その描写から見えてくるのは故郷であるラヴニカ次元と自らの居場所であるイゼット団への愛、自らの能力への矜持、そしてギルドマスターであるニヴ=ミゼットへの怖れや反発。新世代プレインズウォーカーよりも強大な非プレインズウォーカーはごろごろいますが、無論ニヴ=ミゼットもその一体です。ラルはプレインズウォーカーという存在や自分の素性を知られることをひどく怖れています……が、ニヴ=ミゼットはとっくに知ってるんじゃね? と私は思う。

    竜英傑、ニヴ=ミゼット

    公式記事「プレインズウォーカーのための『ラヴニカへの回帰』案内 その1」より引用

    平均的ラヴニカ人はプレインズウォーカー達の存在を知らないが、非常に歳を経ている者の中には個人的にプレインズウォーカー達と接触したことのある者もいる。その例がイゼット団のパルンズ(創設者)にしてギルドマスターのニヴ=ミゼットである。

     「接触したことのある」とはまた微妙な表現。原文は「have encountered them」、うーむ。接触はしたけれど知ってるわけじゃないよ、かもしれない。まあ少なくとも一万年前のギルドパクト調印時に(当時まだプレインズウォーカーだった)アゾールと会っているのは確実か。

     少し話がそれました。そのように典型的な「地元プレインズウォーカー」のラル、だからこそ『破滅の刻』ストーリーでニコル・ボーラスからその名が言及された時には誰もが唖然としました。

    Magic Story「破滅の刻」より引用

    「後でいい。ラル・ザレックを呼んで来るのだ。あれの進展は遅すぎる」

     カード通りにゲートウォッチが敗北する一方、ある意味『破滅の刻』結末における一番の驚きだったかと思います。地元愛を代表するようなプレインズウォーカーが、ボーラスと繋がっている……何かのっぴきならない事情があったのだとは信じたいですが。例えばボーラスの方から目をつけられたのなら断るわけにも逃げるわけにもいかないでしょうし。

    ■ ボーラスがラヴニカを狙っている

    Magic Story「妨害工作」より引用

    ラヴニカこそが、ニコル・ボーラスの目的。

    全てはそこへと繋がっていた。

    ヴラスカは両目を開き、ジェイスの投影は消えた。

    自身の手が震えていた。

    「あの軍を放とうとしてる。私らの故郷へ。私の力を借りて」

     そのボーラスは、ジェイスとヴラスカが解き明かしたところによると《次元橋》を用いて、永遠衆の軍勢をラヴニカへ放とうとしている」ようです。まるで《次元の門》からファイレクシア軍がドミナリアへと溢れ出したように……と例えるのは良いのか悪いのか。ファイレクシア(ヨーグモス)の目的はドミナリア征服でしたが、ボーラスがラヴニカの一体何を狙っているのかはわかっていません。

    次元橋無慈悲

     何なんだろうね。確かにラヴニカ次元は多元宇宙でも稀な繁栄を見せている世界だと思いますが、ボーラスがそこまで大がかりなことをする何かがあるのか。はたまたラヴニカ一期・二期で公開されながら特に物語に関わらなかった設定も結構あるのでそれ関係なのか。まあエルドラージ並みにでかいクリーチャーがいたりはするけど……。

    土着のワーム世界棘のワーム

     しかしこういう「謎のデカブツ」で過去の物語関わってきたのはネフィリムのみで。本当何なんでしょう。

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    3. PAX WEST発表から

     日本時間9月2日、新情報公開第一弾がありました。既に見た人も多いかと思いますが、わかる限りで&物語的に気になったものを解説したいと思います!

    ■ 季節感

     まずトレイラー冒頭が、プレインズウォーカーシンボルの形状に浮かぶ5本の塔を背景にして、風に舞う落ち葉。これは新セット発表のときから公表されてきましたが、今回のラヴニカの季節は秋とのことです。

    Boros Challenger薔薇たてがみのケンタウルス寺院の庭

     早速公開されている幾つかのアートにも「季節感」があります。ラヴニカは自然の少ない次元ですが、それでも綺麗な紅葉が印象的。実のところラヴニカの季節や世界的な気候がどうなっているのかは、これまであまり説明がありませんでした。明確な描写としてはイクサランのときにヴラスカが「ここ(イクサラン)より寒くて、冬には雪が降るよ」と言っていたくらいでしょうか。もしかしたら本当にこの先、冬の、雪降るラヴニカを見せてくれるのかもしれません。

    ■ 登場キャラクター(非プレインズウォーカー)

    公式ウェブサイトにPAX発表のまとめが掲載されています。その中に不穏な記述が……。

    公式記事「『ラヴニカのギルド』のメカニズム」より引用

    さて、ラヴニカ次元のギルドは今、どうなっているのでしょう? 実は、かなりの緊張状態です。住民たちの間には冷たい不安が広がっており、ギルド長の中には亡くなった者や行方不明の者もいます。

     「亡くなった者や行方不明の者もいます」。ラヴニカ一期→二期間にもギルドマスターの交替はありましたが、大体は一期の話中で死亡してしまったことによるものであり、理由ははっきりしています。今回のギルドマスター交代はどうなのか。やはりギルドパクト不在の影響もあるのでしょう。とはいえ既に旧キャラクターで「生存確認」されている人達もいます。

    悪意ある妨害

     フレイバーテキストがラザーヴの台詞です。ディミーア家のギルドマスターとして第二期からの登場。ちなみにこの人、当時の紹介記事に「素性不明の存在」「驚異的な熟達のシェイプシフター」「精神感応網から不可思議な知性を閃かせる」等々書かれていたことから「どう見てもボーラスだろ」という意見がそこかしこで見られました。

    ディミーアの黒幕ラザーヴ

     ……が、ラザーヴは『ドラゴンの迷路』小説にて《精神を飲む者、ミルコ・ヴォスク》と共にジェイスを捕えるも、プレインズウォークで逃走されてしまうという場面がありました。そしてラザーヴまでもその不可解さに頭をひねるという。ラザーヴはジェイスがプレインズウォーカーだと知らない、よって「ボーラスではない」ことはほぼ確定だと思います。その思わせぶりな設定は一体何だったのか。他人の空似か。いいけど。

     ところで昔、ある意味人気のあのキャラについてこんなことを書かれていたのは御存知でしょうか。

    イマーラ・タンドリス

    公式記事「物語のためのデベロップ」(掲載:2015年8月)より引用

    我々は将来《ジェラード・キャパシェン》《イマーラ・タンドリス》により公正な評価をしたいと望んでいます。

    Emmara, Soul of the Accord協約の魂、イマーラ

     公正な評価だ! 元々《復活の声》の能力はイマーラのものだったらしいですが、確かになんか近くなった感じ。イマーラはラヴニカ二期の物語に主要キャラクターとして登場していましたが、それ以降は少し名前が言及されたのみで本人の出番はありませんでした。過去話としてジェイスのオリジン回くらいですね。こうして再びカード化ということは、第三期にも引き続き登場するのでしょう(出番の量まではわかりませんが)。あといつかジェラードもお願いします。

    ■ 登場プレインズウォーカー

     一方でプレインズウォーカーは誰が来るのか。『ドミナリア』を経て何人もがラヴニカ次元に集結しようとしています。

    試練に臨むギデオン狡猾な漂流者、ジェイス反逆の先導者、チャンドラ暴君への敵対者、アジャニ
    ドミナリアの英雄、テフェリーヤヤ・バラードウルザの後継、カーン

     「ボーラスとの戦いに向かう」ことがはっきりわかっているのはこの7人、一応それぞれ最新のカードを。そしてアジャニが集めている戦力もあるでしょう、新キャラが来るのか既存キャラが来るのかはわかりませんが。『基本セット2019』でボーラスとの因縁ががっつり語られたウギンや、ボーラスに故郷を滅ぼされた新キャラの《ビビアン・リード》も気になります。そしてボーラス側のプレインズウォーカーも勿論いるでしょう。とはいえ誰が実際にカード化されるかまではわかりませんが。過去にも『カラデシュ』ブロックの物語には計9人のプレインズウォーカーが登場していましたが(ギデオン・ジェイス・リリアナ・チャンドラ・ニッサ・アジャニ・サヒーリ・ドビン・テゼレット)、カード化されたのは6人でした。

     そのボーラス側……とはやっぱり信じたくないのですが、ラルは早速新カードが公開されました。

    Ral, Izzet Viceroy

     かっこいい! 強い!(頭悪い感想) 手に持っているのは何? 《残忍な剥ぎ取り》をなんとなく思い出しますが何か意味があるのか否か。

     ヴラスカもまずはパッケージアートを中心に顔を見せてくれています。プレインズウォーカー・デッキの顔にもなっているので、こちらもカードとして間違いなく登場するのでしょうね。ギルドマスターになれたのかな?

    ■ 書籍

     ウェブ連載のMagic Storyとはまた別に、2019年春に書籍で小説が発売されることが発表されました。タイトルはシンプルに「Ravnica」。pastemagazine.comからの告知には概要と書影が公開されています。まず概要を訳しましょう。

    Magic: The Gathering Returns to Novels in 2019 With Greg Weisman's Ravnica より訳

    ニコル・ボーラスとその止められない軍隊が、ラヴニカを支配しようとしている。対するはゲートウォッチと、多くの異なる世界から集まったプレインズウォーカー達のチーム。この書籍はチャンドラやギデオン、ジェイスといったおなじみのキャラクターと、全くの新キャラクターが登場するだろう。

     そして書影。

    書影その1

     左端は新キャラっぽいんですが、その隣。これ……ケイヤよね?

    幽霊暗殺者、ケイヤ

     なにゆえ彼女がラヴニカに? ……待て、思えば第48回で私こんなこと書いてた。

    「あなたの隣のプレインズウォーカー ~第48回 コンスピラシー2 麗しのパリアノ王位争奪編~」より引用

    でも例えば《幽霊の特使、テイサ》がケイヤの能力を知ったら絶対オブゼダートの始末を依頼するよなあ。

     実のところ、ケイヤの能力とストーリーを絡めて何か言及したいな、と思ってちょっと苦し紛れの一文だったんですが。本当にそうなってしまう? いやいやまさかー。

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    4. おわりに

     今回はラヴニカの話になったわけですが、『基本セット2019』『統率者(2018年版)』を完全に飛ばしてしまいました。特に統率者シリーズ、この連載では2014年以降毎年取り上げていますが、今年は取り扱うタイミングを逃してしまった感じです。申し訳ない。でもそれぞれ扱う機会が来た時に話ができればと思います。

    まどろむ島、アリクスメテス

     それではまた次回に。Zzzzz……

    (終)

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