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週刊デッキウォッチング vol.161 -宇宙の法則が乱れる1T《中隊》-

2018/06/13 00:00 

    • 大久保 寛
    • コラム

 『マジックの華は、デッキリストだ』

 これはある人の言葉ですが、『デッキリストに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる』のだと。

 であればデッキリストを見るという行為は。

 単なる"知識の探求"を超えて、より深い意味合いを伴った行いと言えるのかもしれません。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週おもしろそうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものです。

 気になるデッキがあれば実際に組んで遊んでみるもよし。Magic Online用のtxtフォーマットもダウンロードしていただけます。

 さっそく、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介していきましょう。

スタンダード: 「構築物」

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鋳造所の隊長ファイレクシア教典悪意器具

 『カラデシュ』ブロックでフィーチャーされていた要素と言えば? 真っ先に思い浮かぶのは《密輸人の回転翼機》に代表される「機体」《霊気池の驚異》が猛威を振るった「エネルギー」などですが、「アーティファクト」という大きな括りでも様々なカードが追加されていました。

 このデッキはそんな『カラデシュ』産のアーティファクトクリーチャーをふんだんに使用した、黒茶単とでも言えそうなデッキ。しかもクリーチャータイプが全て「構築物」でまとめられていることもあって、《鋳造所の隊長》のみならず《金属ミミック》もロードとして運用でき、部族デッキのように振る舞うことができます。

 メインカラーを黒にしたことで《屑鉄場のたかり屋》を使うことができるのはもちろん、『ドミナリア』の新カードである《ファイレクシア教典》が採用されている点も注目ポイントです。Ⅱ章の能力は自分の盤面には一切影響がないのでさながら《疫病風》のように機能し、ビートダウンとの対戦ではこれ1枚でゲームが決まってしまうことでしょう。メインボード・サイドボード合わせて3枚も採用されているのも納得ですね。

 即効性がないのは珠に瑕ですが、状況によっては《滅び》以上のカードとしても機能する《ファイレクシア教典》。今後も強いアーティファクトクリーチャーが追加されればその姿を見ることが増えるかもしれません。

「構築物」でデッキを検索

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モダン: 「ローグアグロ」

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猿人の指導霊絡み森の大長宝石の洞窟

 1ターン目に《集合した中隊》をプレイする。もしもそんなことができたなら、モダンの歴史がまた塗り替えられてしまうかもしれません。このデッキはまさにそんな夢が詰め込まれた狂気のストンピィです。

 1ターン目のマナ加速は《猿人の指導霊》《絡み森の大長》の2種8枚に加えて後攻なら《宝石の洞窟》もあるので計12枚。《絡み森の大長》を公開した後《宝石の洞窟》《絡み森の大長》を追放すれば、セットランドも含めて無駄なく1ターン目に3マナを用意できます。デッキ内のクリーチャーのほとんどが3マナなので、3マナあれば十分動けるでしょうが、さらに1マナあれば《集合した中隊》にも手が届きます。

 肝心のクリーチャーはというと、《月の大魔術師》のようなストンピィの定番クリーチャーはもちろん《ゴブリンの熟練扇動者》《ハンウィアー守備隊》などなど、即座に除去しなければ手に負えなくなる強烈なクロックが用意されています。1ターン目のマナ加速にほとんどのリソースをつぎ込む関係上リカバリーが必要になる状況も多々ありそうですが、《風雲船長ラネリー》《不屈の追跡者》は継戦能力を補ってくれそうです。

 もちろん必ずしも毎回最速のゲームができるとは限りませんが、それにしたってこのブン回りルートの強烈さは十分魅力的ですし、ヴィンテージよろしく1ターン目に3~4マナを出して脅威を突きつければ対戦相手の唖然とした表情が見られることは間違いないでしょうね。

「ローグアグロ」でデッキを検索

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レガシー: 「スティールストンピィ」

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ウルザの後継、カーン電結の荒廃者虚空の杯

 スタンダードでは「色を問わずに採用できるアドバンテージ源」といった向きが強い《ウルザの後継、カーン》ですが、強力なアーティファクトが多いレガシーでは「-2」能力も輝きそうです。《ちらつき蛾の生息地》など自力でアーティファクト化できる土地も含めれば43枚ものアーティファクトが採用されているこのデッキなら、「-2」能力で出てくるトークンは莫大なサイズになることでしょう。

 このデッキの基本戦略はヴィンテージの「MUD」などのデッキと同様、2マナ土地などのマナ加速から早いターンに《虚空の杯》《磁石のゴーレム》をプレイして対戦相手を締め上げ、《電結の荒廃者》《歩行バリスタ》《ウルザの後継、カーン》といったフィニッシャーでゲームセットを狙うことです。

 モダンの親和デッキでもお馴染みの《電結の荒廃者》の強さについて今さら多くを語る必要はないかもしれませんが、このデッキでは《剣を鍬に》されそうな《搭載歩行機械》を能動的に墓地に送ったり、《歩行バリスタ》を強化したりと「+1/+1」カウンターシナジーを持ったアーティファクトクリーチャーをサポートすることができるので、モダンの親和デッキ以上に活躍の幅が広がっています。

 こういった独特の趣向を持ったデッキはその性質上なかなかカードが追加されにくいものですが、《ウルザの後継、カーン》はまさにうってつけのフィニッシャーだったと言えそうです。レガシーに限らず、今後はヴィンテージなどでも活躍が見られるかもしれませんね。

「スティールストンピィ」でデッキを検索

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 いかがだったでしょうか。

 ある人は「すべてのデッキリストには意思が込められている」と言いました。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つことでしょう。

 読者の皆さんも、ぜひいろいろとおもしろいデッキを探してみてください。

 また来週!

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