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週刊デッキウォッチング vol.160 -サヒーリコブラエヴォリューション with シャライ-

2018/06/06 00:00 

    • 大久保 寛
    • コラム

 『マジックの華は、デッキリストだ』

 これはある人の言葉ですが、『デッキリストに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる』のだと。

 であればデッキリストを見るという行為は。

 単なる"知識の探求"を超えて、より深い意味合いを伴った行いと言えるのかもしれません。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週おもしろそうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものです。

 気になるデッキがあれば実際に組んで遊んでみるもよし。Magic Online用のtxtフォーマットもダウンロードしていただけます。

 さっそく、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介していきましょう。

スタンダード: 「青緑ビートダウン」

Magic Online用txtフォーマット(右クリックで保存)

歩行バリスタ屑鉄さらい獰猛器具

 先週末はプロツアー『ドミナリア』が開催されていましたね。13時間の時差がある中でのプロツアーでしたが、みなさんの中にも深夜行われていた生放送につい夢中になってしまって、寝不足のまま週明けを迎えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 さて、今回ご紹介するのはそんなプロツアー『ドミナリア』の生放送でも一際異彩を放ち、視聴者を沸かせたこちらのデッキ。MTG強豪集団として名高いChannel Fireballのメンバーがこぞって持ち込んだこの「青緑カーン」は、アーティファクトを軸に戦うミッドレンジデッキのようです。多数のアーティファクトが採用されているため、《ウルザの後継、カーン》の「-2」能力で出てくるトークンも3/3~5/5程度のサイズになることも珍しくないかもしれません。

 他の部分に目を移すと《歩行バリスタ》《新緑の機械巨人》などお馴染みの面々が採用されていますが、このデッキならではの要素である《歩行バリスタ》《屑鉄さらい》のコンボに注目です。《歩行バリスタ》を何度も回収して使い回そうというアイディアのようですが、《屑鉄さらい》の能力を誘発させるために《獰猛器具》といった見慣れないカードまで採用されているのは目から鱗ですね。

 余談ですが、Channel Fireballの一員であり世界トップクラスのプレイヤーとして知られるパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaが、本人のTwitterアカウントにてこのデッキの調整アイディアを披露していました。「赤いデッキじゃなくて、一風変わったデッキも試してみたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?

「青緑ビートダウン」でデッキを検索

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モダン: 「サヒーリコンボ」

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豊潤の声、シャライサヒーリ・ライ守護フェリダー

 スタンダードでは禁止されてしまった《守護フェリダー》ですが、モダンでは健在です。相方の《サヒーリ・ライ》と組み合わせたデッキが、『ドミナリア』のリリースによってマイナーチェンジを遂げていました。

 その新顔は《豊潤の声、シャライ》《サヒーリ・ライ》《守護フェリダー》をコンボから守るのはもちろん、自身が回避能力を持っている上に疑似《ガヴォニーの居住区》能力もあるため、なかなかコンボパーツが揃わないときのビートダウンプランでも貢献してくれます。1枚しか採用されていませんが、《異界の進化》によるサーチも可能です。

 どうしてもスタンダードで共存していた当時猛威を振るっていた《守護フェリダー》との組み合わせに印象を引っ張られてしまいがちですが、《太陽のタイタン》でも無限コンボに入ることができますし、《水蓮のコブラ》《改革派の結集者》が絡めば驚異的なスピードでコンボが成立します。そういった多数のコンボルートによる「分からん殺し」が可能なのもこのデッキの魅力の一つと言えそうですね。

 また、かなりのレアケースにはなりますが理論上は2ターンキルも可能です。必要枚数は7枚。3分以内にコンボルートを見つけられたらあなたもサヒーリマスターだ(?)。

「サヒーリコンボ」でデッキを検索

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レガシー: 「スタイフルノート」

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もみ消しファイレクシアン・ドレッドノート雲変化

 「スタイフルノート」というデッキ名を聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。これは、1マナ・12/12・トランプルという《死の影》に匹敵し得るマナレシオと、強烈なデメリットETB能力を持った《ファイレクシアン・ドレッドノート》を軸に据えたデッキです。その名の通り、《もみ消し》(スタイフル)で自分の《ファイレクシアン・ドレッドノート》のETB能力を打ち消しちゃおう、という渋いコンボですね。

 しかしながら、メインボードから無理なく《もみ消し》を4枚採用できるというのは意外と馬鹿にならないメリットです。対戦相手のフェッチランドを咎められるのはもちろん、「ANT」が《苦悶の触手》をプレイしてきたら不意打ちで《もみ消し》て「ストーム」を打ち消すことができるかもしれません。コンボできない状況でも守りに役に立つ1枚です。

 また、《渦まく知識》《ファイレクシアン・ドレッドノート》を積み込んで《雲変化》で「予示」するプランもあります。裏向きのクリーチャーを表向きにすることは「戦場に出たとき」の能力を誘発させないので、デメリットを消した上でさらに飛行と呪禁をつけることができるわけです。こうなれば並のデッキでは到底対処しきれないでしょう。

 ちなみに《ファイレクシアン・ドレッドノート》《もみ消し》。どちらも古いカードではありますが、この「スタイフルノート」というデッキができたのは『スカージ』が発売され、キーカードである《もみ消し》が出てから4年の月日が経った後のことなんです。「渋い!」と思いきや、意外と最近(2007)年のデッキなんですね。いや、十分渋いか……。

「スタイフルノート」でデッキを検索

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 いかがだったでしょうか。

 ある人は「すべてのデッキリストには意思が込められている」と言いました。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つことでしょう。

 読者の皆さんも、ぜひいろいろとおもしろいデッキを探してみてください。

 また来週!

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