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週刊デッキウォッチング vol.136 -エウレカオース-

2017/10/12 00:00 

    • 伊藤 敦
    • コラム

 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。

■ スタンダード: ローグ


Sasaki Shimon「ローグ」
FNM20時の部(3-0)

4 《山》
1 《沼》
3 《泥濘の峡谷》
4 《尖塔断の運河》
4 《竜髑髏の山頂》
4 《霊気拠点》
4 《産業の塔》

-土地 (24)-

4 《屑鉄場のたかり屋》
4 《組織の密売人》
3 《暴れ回るフェロキドン》
1 《つむじ風の巨匠》
1 《ピア・ナラー》
3 《人質取り》
1 《スカラベの神》

-クリーチャー (17)-
4 《稲妻の一撃》
4 《無許可の分解》
4 《キランの真意号》
3 《耕作者の荷馬車》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文 (19)-
4 《霊気圏の収集艇》
2 《致命的な一押し》
2 《強迫》
2 《呪文貫き》
2 《バントゥ最後の算段》
2 《失われた遺産》
1 《否認》

-サイドボード (15)-
hareruya

組織の密売人キランの真意号人質取り

 『イクサラン』発売から数週間が経ち、既にそのポテンシャルが明らかとなった《人質取り》だが、弱点も抱えている。返しのターンで無防備な2/3を除去されてしまうと仕掛けが無為に終わってしまう点だ。スゥルタイ・エネルギーでは《顕在的防御》との併用によって弱点の緩和を図っていたが、また別のアプローチも存在する。それはマナブーストから《人質取り》を出すことだ。これならETB能力の誘発に対応して除去されない限り、奪った人質をすぐさま唱えることが可能となる。

 《反逆の先導者、チャンドラ》は「+1」能力で(赤)(赤)を生み出すことができ、《人質取り》と相性が良い。《耕作者の荷馬車》も併用したこのデッキなら、3マナくらいまでのクリーチャーを奪って即プレイすることは容易だろう。

 また、機体デッキから《人質取り》が出てくるというのは2つの意味で効果的だ。1つは、攻撃的な機体デッキと対戦しているなら最序盤の《キランの真意号》《暴れ回るフェロキドン》に除去を当てる必要があり、《人質取り》まで除去を温存することが難しいということ。そして2点目は、まさか機体から《人質取り》が出てくるとは誰も予想しないだろうからだ。

 2マナ域の「搭乗」要員として《組織の密売人》に行きついているのも面白い。サイドボードの《強迫》《呪文貫き》のパッケージも強力この上なく、青を主軸にした機体デッキの可能性を感じさせる秀作だ。

「ローグ」でデッキを検索

■ モダン: エルフ


Daigo Toshimune「エルフ」
PPTQ2018#1 - 晴れる屋トーナメントセンター(優勝)

3 《森》
1 《寺院の庭》
2 《吹きさらしの荒野》
4 《剃刀境の茂み》
2 《地平線の梢》
4 《魂の洞窟》
1 《ペンデルヘイヴン》

-土地 (17)-

4 《ラノワールのエルフ》
4 《エルフの神秘家》
4 《遺産のドルイド》
4 《ドゥイネンの精鋭》
4 《献身のドルイド》
4 《エルフの幻想家》
1 《療治の侍臣》
4 《エルフの大ドルイド》
3 《背教の主導者、エズーリ》

-クリーチャー (32)-
4 《召喚の調べ》
4 《集合した中隊》
3 《イトリモクの成長儀式》

-呪文 (11)-
2 《流刑への道》
2 《暴走の先導》
2 《忍び寄る腐食》
2 《形成師の聖域》
1 《ブレンタンの炉の世話人》
1 《漁る軟泥》
1 《無私の霊魂》
1 《ファイレクシアの破棄者》
1 《弁論の幻霊》
1 《再利用の賢者》
1 《カメレオンの巨像》

-サイドボード (15)-
hareruya

背教の主導者、エズーリイトリモクの成長儀式形成師の聖域

 モダンのエルフとレガシーのエルフとでは決定的に違う点がいくつか存在する。その1つが爆発的なマナを生み出せる《ガイアの揺籃の地》だが、『イクサラン』によってその差は少し縮まったようだ。

 《イトリモクの成長儀式》はマナクリーチャーから大量のエルフを横に並べるエルフデッキにフィットする1枚で、《背教の主導者、エズーリ》《エルフの大ドルイド》といった大物を探しながら、《太陽の揺籃の地、イトリモク》に変身して膨大なマナを確保することができる。

 《背教の主導者、エズーリ》を出してターンを返すと除去が怖いが、十分なアタッカーを残したままオーバーラン能力も合わせた8マナを出すのは《エルフの大ドルイド》が生きてターンが返ってこないとなかなか容易ではなかったところ、《イトリモクの成長儀式》の加入によってぶん回りルートが一つ増えたといった印象だ。

 サイドには《形成師の聖域》も採用されており、単体除去の多いデッキに対して効果的な牽制となりうる。モダンにおける『イクサラン』のカードの可能性の探求はまだまだ始まったばかりなので、色々と試してみることで新たな発見が得られるだろう。

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■ レガシー: ローグ・コンボ


Sugita Tomohiro「ローグ・コンボ」
晴れる屋レガシー杯(4-1)

4 《森》
4 《島》
2 《Tropical Island》
4 《霧深い雨林》
2 《汚染された三角州》
1 《溢れかえる岸辺》
3 《古えの墳墓》

-土地 (20)-

4 《死儀礼のシャーマン》
3 《ヴリンの神童、ジェイス》
1 《深輝エイ》
1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》

-クリーチャー (9)-
4 《渦まく知識》
4 《Eureka》
3 《意志の力》
4 《ニッサの誓い》
3 《倍増の季節》
1 《名誉に磨り減った笏》
1 《ダク・フェイデン》
1 《ジェイス・ベレレン》
1 《狡猾な漂流者、ジェイス》
1 《精神を刻む者、ジェイス》
1 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《ラル・ザレック》
1 《試練を超えた者、サムト》
1 《実地研究者、タミヨウ》
1 《見えざる者、ヴラスカ》
1 《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文 (30)-
4 《神聖の力線》
4 《虚空の力線》
2 《残響する真実》
2 《基本に帰れ》
2 《圧倒的輝き》
1 《意志の力》

-サイドボード (15)-
hareruya

Eureka倍増の季節深輝エイ

 (※デッキリスト59枚) 《実物提示教育》《Eureka》のような「マナコストを踏み倒す」系のカードを使う場合、出すカードは《引き裂かれし永劫、エムラクール》のようにおよそ通常のプレイとは縁遠いカードになることが多い。もちろんそうでなければ呪文が通ったときのリターンが得られないからだが、このデッキでは《Eureka》で出すカードはあくまで通常プレイが可能な範囲に収めつつ、決まれば一撃必殺という理想的な構成を実現している。

 それを実現するためのキーカードが《ニッサの誓い》で、土地/《ヴリンの神童、ジェイス》/プレインズウォーカー/時には《深輝エイ》を手札状況に応じて探しつつ、様々な色のプレインズウォーカーを色マナを無視して手札からプレイすることを可能にしてくれる。

 《倍増の季節》《深輝エイ》は、《Eureka》からプレインズウォーカーと同時に出せば大抵は「奥義」で実質勝ちまで持っていけるだろう。

 「プレインズウォーカーの唯一性ルール」の廃止によってプレインズウォーカーをタップしてマナを出せる新機軸のカードとなった《名誉に磨り減った笏》も採用しており、《精霊龍、ウギン》《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》の通常プレイすら現実的となったこのデッキは、レガシーにおけるコンボデッキの歴史に新たな1ページを刻むことになるかもしれない。

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■ フロンティア: ジェスカイ


Yasunaka Masaya「ジェスカイ」
晴れる屋フロンティア杯(4-1)

1 《島》
1 《平地》
1 《窪み渓谷》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《感動的な眺望所》
4 《尖塔断の運河》
2 《秘密の中庭》
3 《戦場の鍛冶場》
4 《産業の塔》

-土地 (24)-

4 《搭載歩行機械》
4 《模範的な造り手》
3 《スレイベンの検査官》
4 《屑鉄場のたかり屋》
3 《反射魔道士》
3 《ピア・ナラー》

-クリーチャー (21)-
4 《呪文貫き》
4 《爆片破》
1 《宝船の巡航》
4 《密輸人の回転翼機》
2 《キランの真意号》

-呪文 (15)-
4 《削剥》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
3 《光輝の炎》
2 《払拭》
2 《見えざるものの熟達》

-サイドボード (15)-
hareruya

密輸人の回転翼機模範的な造り手呪文貫き

 スタンダードはローテーションによって『戦乱のゼンディカー』ブロックと『イニストラードを覆う影』ブロックが使えなくなったが、それはすなわち、フロンティア環境と大きな差別化が果たされたことを意味している。《スレイベンの検査官》《闇の掌握》も依然として使えるのがフロンティア環境なのだ。

 さてそんなフロンティアも、『イクサラン』の加入によって多大な影響を受けることとなった。《呪文貫き》《密輸人の回転翼機》《サヒーリ・ライ》《霊気池の驚異》といった強力な非クリーチャー呪文で溢れかえるフロンティア環境においては唯一無二の性能であり、とりわけクロックパーミッションの性質を有するジェスカイアグロにとっては福音とも言うべき1枚だからだ。

 《反射魔道士》でクリーチャーを対処し、《呪文貫き》でスペルを対処するというのはシンプルだが効果的だ。構えていたマナもエンド前に《搭載歩行機械》や手がかり・トークンのマナに費消すれば違和感がない。

 いよいよ今週末、第10期フロンティア神挑戦者決定戦が開催となる。スタンダードとは独自の道を歩み始めた上に『イクサラン』も加わったフロンティア環境の新たな姿とはどのようなものになるのか。ぜひ参加して自分自身の目で確かめてみて欲しい。

「ジェスカイ」でデッキを検索

 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!

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