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準々決勝: 斉田 逸寛(東京) vs. 大西 純平(東京)

2015/03/01 00:00 



By Atsushi Ito


 『運命再編』が入って、アブザンアグロはその勢力を縮小した。では、アブザンアグロはスタンダードで弱いデッキになってしまったのだろうか?

 否、そうではない。依然として強力なデッキなのだ。何せこのPWCC2015では、【トップ8に3人ものプレイヤーを送り込んでいる】のだから。

 だが、生半可なプレイヤーが使っても簡単に勝てるというものでもなくなってしまった、というのは事実かもしれない。

 ここ準々決勝のテーブルに座る、斉田と大西。そのいずれもが、アブザンアグロという暴れ馬を乗りこなすに足る技術を持つ強豪だからだ。

 斉田は【PWCC2011】で優勝した経験もある強豪で、今期のポイントランキングでも10位につけている。

 一方、大西はマジック的には長野コミュニティの出身で、2010年の【世界選手権】に出場した経験がある。

 経歴的にはほとんど交差しないこの2人だが、プレイスタイルが似通ってるのか、何度か同じデッキ対戦したことがあるそうだ。

大西 「何回かモダンで当たったの覚えてます?」

斉田 「はい、そういえばそのときも緑黒カラーのジャンクでしたね」

大西 「斉田さんとは、選ぶデッキの傾向が似てるのかもしれませんね」

斉田 「そうですね。太いデッキが好き、みたいな(笑)」

 今回も奇妙な縁が働いたのか、アブザンアグロを使用している2人。

 より上手くアブザンアグロを乗りこなせるプレイヤーは、斉田か大西か。





Game 1
 先手は斉田。《羊毛鬣のライオン》が返しに《胆汁病》されたところで、続けて《クルフィックスの狩猟者》を送り出す。一方これを放置できない大西は斉田のドロー後に土地がめくれたところで《英雄の破滅》を撃ちこむが、即座に2体目の《クルフィックスの狩猟者》をプレイされてしまう。ここで斉田のアブザンアグロはかなり同型対決を見据えた構成であることが明らかになる。

 しかし大西も負けてはいない。《荒野の後継者》をブロッカーとして送り出すと、《クルフィックスの狩猟者》との相打ちは避けたいが除去が引けていない斉田はひとまず《包囲サイ》をプレイするしかない。

 これで一息つけた大西は、斉田がドローしたところで《クルフィックスの狩猟者》《英雄の破滅》を浴びせる。

 ならば、と《荒野の後継者》《胆汁病》を撃ちこんで《包囲サイ》でアタックしようとする斉田だったが。



大西 純平 


大西 「待ってください。アタック前に」

 《英雄の破滅》を撃って残り1マナしかなかった大西がプレイしたのは、《残忍な切断》

 このダブルアクションで一気にゲームの形勢が大西に傾いていく。

 さらに斉田の《羊毛鬣のライオン》《アブザンの魔除け》で処理した上で、自身の《羊毛鬣のライオン》を「怪物化」することに成功する。

 斉田も《先頭に立つもの、アナフェンザ》を出すが、《羊毛鬣のライオン》が越えられない。こうなると《風番いのロック》を引くまで耐えるしかないが、大西は《包囲サイ》から《羊毛鬣のライオン》《先頭に立つもの、アナフェンザ》と速やかに並べた上で、《英雄の破滅》をブロッカーに浴びせて物量で押し切った。


斉田 0-1 大西



Game 2
 大西がワンマリガン。斉田の《ラクシャーサの死与え》と大西の《荒野の後継者》とがすれ違う立ち上がり。しかし斉田がタップインを処理している間に《羊毛鬣のライオン》をプレイした大西だったが、3枚目のセットランドがない。しかも《森》《平地》で詰まっているという状況。

 斉田の《先頭に立つもの、アナフェンザ》《異端の輝き》しつつようやく黒マナを引き込むが、悩んだ結果《風番いのロック》をタダでキャストさせないため、斉田に《ラクシャーサの死与え》の再生マナを強要するべく《荒野の後継者》をブロッカーに立たせる。

 返すターン、斉田は注文通り《荒野の後継者》のブロックに対し再生マナを支払ったが、実は斉田の手札状況的にはそっちの方がありがたいプランだった。大西の《羊毛鬣のライオン》のアタックをライフ13点の状況であえてスルーし、第2メインに出てきた《ラクシャーサの死与え》を再生マナがないうちにエンド前にテンポ良く《英雄の破滅》で処理すると、《包囲サイ》でダメージレースを逆転させることに成功する。



斉田 逸寛 


 大西も《羊毛鬣のライオン》で一見無謀なアタックをし、斉田の《包囲サイ》にブロックされたところで《アブザンの魔除け》でカウンターを載せて一方的に討ち取るが、斉田は意に介さず《勇敢な姿勢》でこれを処理した上で、《先頭に立つもの、アナフェンザ》を送り出す。

 《真面目な訪問者、ソリン》からブロッカーを生み出す大西だったが、斉田にさらに《ラクシャーサの死与え》を追加されてしまうと、投了を選択するほかないのであった。


斉田 1-1 大西




Game 3
 《静寂の神殿》《コイロスの洞窟》と置いた大西だったが、「占術1」でカードを下に送ったにも関わらず土地が2枚で詰まってしまう。一方これにより俄然勢いづいた斉田。タップインを処理しながら《ラクシャーサの死与え》を送り出す。

 対して《胆汁病》もない大西、ここでようやく《吹きさらしの荒野》を引き込むが、ひとまずエンドして斉田の続く《先頭に立つもの、アナフェンザ》《アブザンの魔除け》で追放しにいく。

 ……が、返すターンにも4枚目の土地が引けなかった大西。このままでは埒が明かないとばかりにメインで《アブザンの魔除け》をドローで撃ち、4枚目の土地となる《砂草原の城塞》に辿りつく。

 しかし。

 その代償として、《ラクシャーサの死与え》のアタックで「強襲」の条件を満たした《風番いのロック》が、斉田の場に降臨してしまう。


風番いのロック


 11点のライフを守りながら3体を捌ききらなければならない大西、《羊毛鬣のライオン》から《狩人狩り》《ラクシャーサの死与え》を、さらに《残忍な切断》《風番いのロック》を処理するビッグプレイを見せる。

 だがなおも斉田は《胆汁病》《先頭に立つもの、アナフェンザ》で攻め立てる。

 これで止まってくれ……そう祈りながら送り出した《包囲サイ》はしかし、斉田のトップ《異端の輝き》で捌かれてしまい。

 さらに斉田が《羊毛鬣のライオン》を追加したことで、50分をフルに使った難解なロングゲームは斉田に軍配が上がった。


斉田 2-1 大西