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週刊デッキウォッチング vol.128 -グリクシスパクト-

2017/08/10 00:00 

    • 伊藤 敦
    • コラム

 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。

■ スタンダード: ローグ


Ikuta Masaya「ローグ」
休日スタンダード20時の部(3-0)

10 《沼》
3 《進化する未開地》
4 《イフニルの死界》
4 《栄光の砂漠》
2 《敵意ある砂漠》
1 《屍肉あさりの地》
1 《荒廃した湿原》

-土地 (25)-

3 《忘れられた王族の壁》

-クリーチャー (3)-
3 《致命的な一押し》
2 《過酷な精査》
4 《心臓露呈》
4 《闇の掌握》
4 《大災厄》
1 《殺害》
1 《バントゥ最後の算段》
2 《ヤヘンニの巧技》
1 《栄光の刻》
2 《不帰+回帰》
2 《侵入者への呪い》
4 《スカラベの責め苦》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-呪文 (32)-
4 《才気ある霊基体》
3 《アムムトの永遠衆》
2 《夢盗人》
2 《豪華の王、ゴンティ》
1 《餌食》
1 《バントゥ最後の算段》
1 《失われた遺産》
1 《没収の曲杖》

-サイドボード (15)-
hareruya

忘れられた王族の壁スカラベの責め苦大災厄

 多種多様なデッキが存在する上に、それらが互いに相手の目論見を打ち崩そうとしてくるスタンダード環境では、「どうやって相手が返せない一手を打つか」が重要なテーマとなる。その点、豊富な手札破壊から《スカラベの責め苦》を設置するというこのデッキのコンセプトは、あらかじめ手札破壊で対処手段を抜いた上で、少なくともメインボードではかなり触りづらいエンチャントをフィニッシャーに据えているという点で、非常に理に適った構成と言えるだろう。

 《敵意ある砂漠》は墓地に落ちた《進化する未開地》《イフニルの死界》などで稼働し、相手のプレインズウォーカーにプレッシャーをかけたり、3点ずつライフを詰めることで相手の《スカラベの責め苦》の選択肢を減らしにいくこともできる。

 黒単となると《熱烈の神ハゾレト》の処理にてこずりそうだが、そこは《闇の掌握》《大災厄》に加えて《栄光の刻》できっちりケアをしている。

 毎ターン《スカラベの責め苦》でじわじわと相手を追い詰めていく様は、スタンダードのプリズンデッキと呼ぶにふさわしい。サイドボードからはクリーチャーを大量追加してミッドレンジに変化するオプションもあり、ぜひ一度回してみたいと思わせる楽しげなデッキだ。

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■ モダン: ローグアグロ


Suzuki Koudai「ローグアグロ」
平日モダン17時の部(3-0)

1 《森》
1 《島》
4 《繁殖池》
4 《霧深い雨林》
1 《吹きさらしの荒野》
1 《樹木茂る山麓》
4 《植物の聖域》
3 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《溢れかえる果樹園》
1 《反射池》

-土地 (22)-

4 《次元潜入者》
4 《瞬唱の魔道士》
4 《敏捷な妨害術師》
3 《跳ねる混成体》

-クリーチャー (15)-
4 《血清の幻視》
3 《呪文嵌め》
2 《蒸気の絡みつき》
4 《マナ漏出》
3 《差し戻し》
2 《心霊破》
3 《謎めいた命令》
2 《強大化》

-呪文 (23)-
3 《シュラバザメ》
2 《蒸気の絡みつき》
2 《軽蔑的な一撃》
2 《非実体化》
2 《撹乱する群れ》
2 《四肢切断》
2 《心霊破》

-サイドボード (15)-
hareruya

次元潜入者敏捷な妨害術師強大化

 1マナのクリーチャー、除去、手札破壊がそれぞれ強力なモダン環境では、「クロックパーミッション」はなかなか成立しづらい。モダン環境でフレキシブルなカウンター呪文をプレイするにはどうしても2マナ以上かかってしまうからだ。だが、それでもあえて組もうとするならば、カウンター呪文と瞬速持ちのクリーチャーとの組み合わせは合理的な解答と言える。

 『破滅の刻』で加わった《敏捷な妨害術師》は、フェッチランドが多様される環境ならば《もみ消し》としての効果も期待できる。3/1飛行瞬速として戦場に出してダメージレースを差し切れるかどうかを相手のアクションを見てから判断できるのが強みだ。

 クロックを刻むクリーチャー陣は2/1、3/1ばかりで一見貧弱なラインナップだが、油断してダメージレースを挑むと《蒸気の絡みつき》が絡みつく。さらにライフ一桁まで追い詰めれば、《心霊破》《強大化》が火を噴くだろう。

 不利なダメージレースを《謎めいた命令》でひっくり返したときの快感は何にも代えがたい。インスタントで対戦相手を翻弄したいという方にオススメのデッキだ。

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■ レガシー: 12ポスト


Shimada Hiroyuki「12ポスト」
レガシー神トライアル(優勝)

4 《雲上の座》
4 《微光地》
4 《古えの墳墓》
4 《エルドラージの寺院》
3 《裏切り者の都》
4 《ウギンの目》
2 《ヴェズーヴァ》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地 (26)-

2 《歩行バリスタ》
1 《ファイレクシアの破棄者》
2 《猿人の指導霊》
4 《難題の予見者》
3 《終末を招くもの》
4 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー (16)-
3 《全ては塵》
4 《虚空の杯》
4 《厳かなモノリス》
3 《三なる宝球》
4 《スランの発電機》
1 《精霊龍、ウギン》

-呪文 (19)-
4 《虚空の力線》
3 《次元の歪曲》
3 《真髄の針》
2 《灰燼の乗り手》
2 《歪める嘆き》
1 《三なる宝球》

-サイドボード (15)-
hareruya

雲上の座スランの発電機絶え間ない飢餓、ウラモグ

 レガシーの「エルドラージ」といえば最低限の妨害から《難題の予見者》《現実を砕くもの》を高速展開するストンピィ型が主流だが、先日行われた「レガシー神トライアル」では、マナベースに《雲上の座》《微光地》まで加えたランプ型の「エルドラージ」が参加者70名の頂点に立った。

 土地構成から《不毛の大地》《魂の洞窟》を抜き去り、可能な限り多くの2マナ土地を採用しつつ、《スランの発電機》まで採用することで、《不毛の大地》への耐性を高めている。また、《虚空の杯》の上から採用された《三なる宝球》は、大技を繰り出すのに必要なだけの時間を稼いでくれる。

 フェアデッキに対しては《全ては塵》《精霊龍、ウギン》が相手の《真の名の宿敵》やプレインズウォーカーごとクリーチャーを根こそぎ薙ぎ払う。また、《ウギンの目》でサーチした《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を何度も叩きつけることで相手の心を折ることができる。

 《忘却蒔き》を採用せず、《終末を招くもの》で放置できない脅威の枚数を一定数確保している点も特徴的だ。通常の「エルドラージ」とは違った速度感と戦略を持つランプ型の「エルドラージ」は、まだ使用者は少ないものの、今後じわじわと勢力を伸ばしていくかもしれない。

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■ フロンティア: 青黒赤コントロール


Hayashi Masataka「青黒赤コントロール」
晴れる屋フロンティア杯(3-2)

4 《島》
4 《沼》
2 《山》
3 《窪み渓谷》
2 《燻る湿地》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《汚染された三角州》
2 《進化する未開地》

-土地 (25)-

3 《敏捷な妨害術師》
4 《秘法の管理者》

-クリーチャー (7)-
4 《致命的な一押し》
3 《否認》
1 《削剥》
4 《コラガンの命令》
2 《無害な申し出》
2 《ラザケシュの儀式》
4 《徙家+忘妻》
4 《時を越えた探索》
4 《悪魔の契約》

-呪文 (28)-
3 《龍王シルムガル》
2 《儀礼的拒否》
2 《餌食》
2 《衰滅》
2 《トーモッドの墓所》
2 《最後の望み、リリアナ》
1 《周到の神ケフネト》
1 《否認》

-サイドボード (15)-
hareruya

悪魔の契約徙家+忘妻無害な申し出

 いよいよ今週末の日曜日に開催が迫った「第9期フロンティア神挑戦者決定戦」。『霊気紛争』~『破滅の刻』を経て、フロンティア環境のメタゲームはスタンダードの禁止カードを中心としたものへとシフトしてきているようだが、『マジック基本セット2015』以降のカードが使えるこの環境では、まだ日の目を見ていないシナジーも色々と存在しているであろうことは間違いない。

 《悪魔の契約》はスタンダード当時も専用デッキが作られたほどのパワーカードであり、「敗北」という4つ目の誘発型能力さえ回避できるならば、破格のアドバンテージをもたらしてくれる。《徙家+忘妻》はそんな回避手段の中でも強力な一枚で、「余波」による手札破壊は《悪魔の契約》の手札破壊能力とも方向性が噛み合っている。もちろん「敗北」が選択されていない状態で《無害な申し出》で押し付けてもいい。

 さらに《敏捷な妨害術師》は「あなたがコントロールしていない」という余計な一文があるため《悪魔の契約》の「敗北」は打ち消せないが、フェッチランドが入っているデッキは動きを相当制限されるだろう。

 《秘法の管理者》を「サイクリング」で墓地に落としておくことで、《コラガンの命令》をまるで《電解》のようにも使えるようになるシステムも面白い。フロンティア環境の可能性を感じさせる素晴らしいデッキだ。

「青黒赤コントロール」でデッキを検索

 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!

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