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週刊デッキウォッチング vol.127 -ヘビに睨まれたカエル-

2017/08/02 00:00 

    • 伊藤 敦
    • コラム

 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。

■ スタンダード: エルドラージランプ


Mihara Makihito「エルドラージランプ」
Pro Tour Hour of Devastation 2017(7-3)

4 《森》
1 《山》
4 《隠れた茂み》
4 《獲物道》
3 《ハシェプのオアシス》
3 《ラムナプの遺跡》
3 《見捨てられた神々の神殿》
1 《屍肉あさりの地》
1 《ウギンの聖域》
1 《海門の残骸》

-土地 (25)-

4 《歩行バリスタ》
4 《僧帽地帯のドルイド》
3 《難題の予見者》
4 《世界を壊すもの》
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー (16)-
4 《削剥》
4 《コジレックの帰還》
4 《約束の刻》
4 《ニッサの誓い》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文 (19)-
3 《不屈の追跡者》
3 《グレムリン解放》
2 《栄光をもたらすもの》
2 《捲土+重来》
1 《難題の予見者》
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
1 《チャンドラの敗北》
1 《ニッサの復興》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-サイドボード (15)-
hareruya

難題の予見者世界を壊すもの約束の刻

 「ラムナプ・レッド」や「黒単ゾンビ」の活躍が目覚ましかったプロツアー『破滅の刻』だが、惜しくもトップ8には送り込めなかったものの、「赤緑ランプ」もまたこのプロツアーで復権を果たしたアーキタイプだった。

 1マナ軽い《原始のタイタン》とも言うべき《約束の刻》は、《見捨てられた神々の神殿》を一度に2枚サーチできるほか、《ウギンの聖域》《屍肉あさりの地》《海門の残骸》など、手札や戦場の状況に合わせた特殊地形をサーチできるこのデッキの生命線だ。

 タフネス3とマナクリーチャーにしては堅い《僧帽地帯のドルイド》《コジレックの帰還》でも流れないので安心して併用できる。2ターン目のマナブーストから3ターン目《難題の予見者》《反逆の先導者、チャンドラ》で主導権を握りにいけるオプションも頼もしい。

 「ラムナプ・レッド」→「黒単ゾンビ」→「黒緑アグロ」→……といったメタゲームの移り変わりを想定するなら、ミッドレンジに強い「赤緑ランプ」の時代は、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。

「エルドラージランプ」でデッキを検索

■ モダン: 死せる生


Yamabe Koutarou「死せる生」
晴れる屋モダン杯(3-1-1)

1 《島》
1 《沼》
1 《草むした墓》
1 《蒸気孔》
1 《湿った墓》
4 《汚染された三角州》
3 《血染めのぬかるみ》
2 《闇滑りの岸》
1 《黒割れの崖》
1 《植物の聖域》
1 《尖塔断の運河》
3 《燃え柳の木立ち》

-土地 (20)-

4 《ヴェンディリオン三人衆》
3 《猿人の指導霊》
2 《フェアリーの忌み者》
2 《大爆発の魔道士》
4 《秘法の管理者》
4 《通りの悪霊》
4 《遺棄地の恐怖》
4 《砂漠セロドン》
4 《縞カワヘビ》

-クリーチャー (31)-
2 《死せる生》
4 《暴力的な突発》
3 《悪魔の戦慄》

-呪文 (9)-
4 《スラーグ牙》
3 《叫び大口》
3 《鋳塊かじり》
2 《対抗変転》
1 《フェアリーの忌み者》
1 《嵐の神、ケラノス》
1 《魔女封じの宝珠》

-サイドボード (15)-
hareruya

死せる生ヴェンディリオン三人衆秘法の管理者

 クリーチャーデッキに対して無類の強さを誇る「リビングエンド」は、『アモンケット』『破滅の刻』で強力な1マナ「サイクリング」クリーチャーたちが大量加入したことにより、「続唱」スペルの色と強いクリーチャーの色との間に微妙な齟齬を抱えることとなった。特に「サイクリング」が1マナで素出しも容易、さらに4/4飛行で《死せる生》プレイ後の性能も優秀な《秘法の管理者》の加入は、青メインの「リビングエンド」を構築させるのに十分すぎたようだ。

 このデッキではメインでの緑マナの用途を《暴力的な突発》に絞り、「サイクリング」クリーチャーをグリクシスカラーのものに絞っている。『破滅の刻』で加わった《縞カワヘビ》は呪禁持ちでそう簡単には捌けないため、少ない「サイクリング」枚数からの早いターンの《死せる生》プレイを正当化する強力なフィニッシャーだ。

 特徴的なのは4枚採用された《ヴェンディリオン三人衆》で、グリクシスシャドウの《頑固な否認》を回避する切り札となるほか、手札に来てしまった《死せる生》をライブラリーに戻すのにも役立つ。《燃え柳の木立ち》も標準搭載されており、《死の影》系デッキに対する意識の高さが窺える。

 「サイクリング」構えと《暴力的な突発》だけでなく、《ヴェンディリオン三人衆》との「3択」は対戦相手からしてみれば厄介なことこの上ない。《死せる生》後の飛行クロックとしても優秀な《ヴェンディリオン三人衆》は、青入り「リビングエンド」のキーパーツと言えそうだ。

「死せる生」でデッキを検索

■ レガシー: 秘密を掘り下げる者


Yamamoto Kazuaki「秘密を掘り下げる者」
レガシー神トライアル(優勝)

2 《島》
2 《沼》
4 《Underground Sea》
4 《汚染された三角州》
2 《霧深い雨林》
2 《沸騰する小湖》
4 《不毛の大地》

-土地 (20)-

4 《秘密を掘り下げる者》
4 《死儀礼のシャーマン》
2 《敏捷な妨害術師》
2 《真の名の宿敵》
1 《墓忍び》

-クリーチャー (13)-
4 《渦まく知識》
4 《致命的な一押し》
3 《もみ消し》
2 《思案》
3 《トーラックへの賛歌》
2 《目くらまし》
1 《湿地での被災》
4 《意志の力》
1 《梅澤の十手》
1 《最後の望み、リリアナ》
2 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文 (27)-
3 《外科的摘出》
2 《侵襲手術》
2 《基本に帰れ》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《概念泥棒》
1 《青霊破》
1 《狼狽の嵐》
1 《ファイレクシア病の支配》
1 《夜の戦慄》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《真髄の針》

-サイドボード (15)-
hareruya

致命的な一押し敏捷な妨害術師ファイレクシア病の支配

 『破滅の刻』で加わった《敏捷な妨害術師》は、フェッチランドが《進化する未開地》しかない上に《歩行バリスタ》が歩き回っているスタンダードでは活躍を見かけないが、《もみ消し》が強力でしかもタフネス1にそれほどのデメリットがないレガシーにおいては、唯一無二の頼もしい役割を持っている。

 古典的な「マナ否定戦略」をベースとする《秘密を掘り下げる者》デッキにおける《不毛の大地》《もみ消し》《目くらまし》は、先手時と後手時とでムラが激しいことが難点だった。だが《敏捷な妨害術師》は、先手時は追加の《もみ消し》として、後手時は3/1瞬速でダメージレースを切り返すクリーチャーとして運用できるのであり、手札で腐りづらいのがありがたい。

 《死儀礼のシャーマン》を使ってはいるものの、純粋に黒いマナクリーチャーとして用いて緑マナを出す土地を入れず、代わりにサイドボードから《基本に帰れ》をより強力に運用する割り切りも美しい。

 《ファイレクシア病の支配》はあまり見かけないカードだが、「デス&タックス」や「デスブレード」の《殴打頭蓋》をインスタントタイミングで奪い去ることができるので、不利な状況からでも一発逆転が狙えそうだ。

「秘密を掘り下げる者」でデッキを検索

■ フロンティア: ローグ


Oomori Shouhei「ローグ」
フロンティア神トライアル(トップ8)

2 《森》
2 《山》
1 《沼》
4 《燃えがらの林間地》
2 《燻る湿地》
2 《隠れた茂み》
1 《泥濘の峡谷》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《樹木茂る山麓》
1 《花盛りの湿地》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
1 《絡みつく砂丘》

-土地 (25)-

2 《歩行バリスタ》
4 《残忍な剥ぎ取り》
4 《ラムナプの採掘者》
2 《不屈の追跡者》
1 《野生生まれのミーナとデーン》
2 《ギトラグの怪物》
1 《怒りの座、オムナス》

-クリーチャー (16)-
4 《ウルヴェンワルド横断》
2 《強迫》
1 《乱撃斬》
3 《削剥》
2 《集団的蛮行》
2 《コラガンの命令》
4 《ニッサの誓い》
1 《溶鉄の渦》

-呪文 (19)-
3 《ジャディの横枝》
2 《光輝の炎》
1 《不屈の追跡者》
1 《再利用の賢者》
1 《刻み角》
1 《アクームの火の鳥》
1 《スカラベの饗宴》
1 《チャンドラの敗北》
1 《没収》
1 《驚天+動地》
1 《溶鉄の渦》
1 《侵入者への呪い》

-サイドボード (15)-
hareruya

ラムナプの採掘者ギトラグの怪物怒りの座、オムナス

 『破滅の刻』で加わった「歩く《世界のるつぼ》」こと《ラムナプの採掘者》は、まだレガシーなどで一部のデッキで採用されている程度だが、新しいアーキタイプを誕生させうるポテンシャルを秘めたクリーチャーだ。特に《ギトラグの怪物》と組み合わせると恐ろしいアドバンテージエンジンを形成するのであり、そのシナジーに着目したのがこちらのデッキである。

 『タルキール覇王譚』のフェッチランドが使えるフロンティア環境ならば、《ラムナプの採掘者》で墓地からセットする土地に困ることはない。また、《残忍な剥ぎ取り》で土地は墓地に送り、スペルをトップに積み込めば、《ラムナプの採掘者》が無駄なくリソースとして回収してくれる。

 《ウルヴェンワルド横断》でサーチするフィニッシャーとして《怒りの座、オムナス》が採用されており、《野生生まれのミーナとデーン》《ギトラグの怪物》がいる状況なら、フェッチランドと合わせて一度に凄まじい数のエレメンタル・トークンを生産できるだろう。

 いよいよ来週末、8月13日(日)には「第9期フロンティア神挑戦者決定戦」が開催される。スタンダードと異なり、《密輸人の回転翼機》《反射魔道士》《守護フェリダー》《霊気池の驚異》《約束された終末、エムラクール》も使えるフロンティア環境では、どんなデッキが勝利しても全く不思議ではない。ぜひこの機会に自分の好きなカードやシナジーを使って、デッキ構築の醍醐味を味わってみて欲しい。

「ローグ」でデッキを検索

 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!

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