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週刊デッキウォッチング vol.124 -青単大建築家-

2017/07/06 00:00 

    • 伊藤 敦
    • コラム

 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。

 この連載は晴れる屋のデッキ検索から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。

■ スタンダード: 白単


kalclucho「白単」
Competitive Standard Constructed League(5-0)

20 《平地》
1 《灌漑農地》
4 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (25)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《ハンウィアーの民兵隊長》
4 《格納庫の整備士》
4 《無私の霊魂》
2 《異端聖戦士、サリア》
3 《折れた刃、ギセラ》
1 《信義の神オケチラ》
3 《大天使アヴァシン》
1 《サリアの槍騎兵》
1 《消えゆく光、ブルーナ》

-クリーチャー (27)-
2 《停滞の罠》
2 《排斥》
4 《オケチラの碑》

-呪文 (8)-
3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 《断片化》
2 《石の宣告》
2 《燻蒸》
2 《停滞の罠》
2 《排斥》
1 《大天使アヴァシン》
1 《保護者、リンヴァーラ》

-サイドボード (15)-
hareruya

オケチラの碑ハンウィアーの民兵隊長折れた刃、ギセラ

 『破滅の刻』の発売を待っている人も多いであろうこの時期だが、Magic Online上では空前の《オケチラの碑》祭りが起きているのをご存知だろうか?コンボという蓋がなくなったことで、ミッドレンジ界の最強コンセプトであるトークンデッキが覇権を握るであろうことはまだしも予想できたが、その中でも《オケチラの碑》のポテンシャルがここにきて大注目を浴びているのである。

 《オケチラの碑》のすごいところは、これを設置することで失うアドバンテージを補って余りあるトークン生産力にある。さらに白のクリーチャーのマナコストを軽くすることで、《無私の霊魂》《ハンウィアーの民兵隊長》のようにただでさえ横並べと相性の良いカードがこれまで以上に光り輝いていくのだ。

 《オケチラの碑》が設置してある状態で《格納庫の整備士》を2体引いていれば白マナの数だけトークンを出し続けられる。このデッキならたとえ1枚目の《不敬の皇子、オーメンダール》が対処されたとしても、2枚目を変身させることも難しくないだろう。

 『破滅の刻』で《霊気池の驚異》に代わる新たなコンボデッキが出てこないようなら、引き続きトークンデッキが環境を支配する可能性がある。無策で新環境に飛び込む前に、『アモンケット』環境のスタンダード終盤の模様をよくチェックしておいた方が良いだろう。

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■ モダン: ローグ


truestory「ローグ」
Modern Constructed League(5-0)

17 《島》
4 《ちらつき蛾の生息地》
1 《アカデミーの廃墟》

-土地 (22)-

4 《歩行バリスタ》
4 《霊廟の放浪者》
3 《審判官の使い魔》
4 《エーテリウムの彫刻家》
4 《主任技師》
4 《大建築家》
4 《エーテリウムの達人》
4 《磁石のゴーレム》
1 《ワームとぐろエンジン》

-クリーチャー (32)-
4 《密輸人の回転翼機》
2 《王神の玉座》

-呪文 (6)-
2 《儀礼的拒否》
2 《四肢切断》
2 《大祖始の遺産》
2 《アメジストのとげ》
1 《粗石の魔道士》
1 《大いなる玻璃紡ぎ、綺羅》
1 《ワームとぐろエンジン》
1 《バジリスクの首輪》
1 《墓掘りの檻》
1 《真髄の針》
1 《霊気圏の収集艇》

-サイドボード (15)-
hareruya

大建築家密輸人の回転翼機磁石のゴーレム

 圧倒的な爆発力を持つがゆえに地味に人気の高い《大建築家》だが、その能力は言ってしまえば大ぶりなマナクリーチャーであり、したがってデッキにしたときには引きムラから逃れられない宿命を負っていたため、これまでモダン環境ではいまいち活躍を見ることはなかった。だが、もし引きムラを解消する手段があったならば?そう、《密輸人の回転翼機》こそは《大建築家》にうってつけの相棒だったのだ。

 そうは言っても《大建築家》自体はデッキに4枚しか積めないわけだが、もし《大建築家》を引けないときでも一定の爆発力を担保できるよう、このデッキでは《エーテリウムの彫刻家》《主任技師》という2種の疑似的なマナブーストを採用している。もちろん、これらを《大建築家》と一緒に引いたときにはさらに爆発力が高まることは言うまでもない。

 また、引きムラを減らす狙いはメインの《ワームとぐろエンジン》の枚数を1枚に留めるなど、デッキのマナカーブ自体を低めに抑えていることからも見てとれる。その意味では、Xの値を調整して序盤から終盤まで活躍できる《歩行バリスタ》も、間違いなくこのデッキの勃興に一役買っていると言えよう。

 《王神の玉座》は、たとえ盤面を制圧されていても戦闘を介さずに相手のライフを狙うことが可能であり、《大建築家》だけでなく「搭乗」持ちの《密輸人の回転翼機》とも相性が良い。最近のカードも多く採用されていてモダンのデッキとしては破格の安さということもあり、これからモダンを始めるという方にもおすすめのデッキだ。

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■ レガシー: ローグ・コントロール


Murakami Ryouta「ローグ・コントロール」
札幌店休日レガシー(3-0)

1 《島》
1 《沼》
3 《Bayou》
2 《Underground Sea》
4 《汚染された三角州》
4 《新緑の地下墓地》
2 《Lake of the Dead》
2 《不毛の大地》
1 《ヴォルラスの要塞》

-土地 (20)-

4 《死儀礼のシャーマン》
3 《悪意の大梟》
1 《ヴリンの神童、ジェイス》
1 《トレストの使者、レオヴォルド》
4 《復讐の亜神》
1 《虐殺のワーム》
1 《墓所のタイタン》

-クリーチャー (15)-
4 《ギタクシア派の調査》
4 《渦まく知識》
3 《陰謀団式療法》
1 《ウルヴェンワルド横断》
3 《突然の衰微》
1 《壌土からの生命》
4 《直観》
4 《意志の力》
2 《ヴェールのリリアナ》

-呪文 (26)-
3 《外科的摘出》
2 《狼狽の嵐》
2 《致命的な一押し》
2 《花の絨毯》
1 《集団的蛮行》
1 《ゴルガリの魔除け》
1 《毒の濁流》
1 《森の知恵》
1 《破滅的な行為》
1 《最後の望み、リリアナ》

-サイドボード (15)-
hareruya

復讐の亜神直観Lake of the Dead

 デッキを評価するとき、どのような指標があるだろうか?「勝率」……「安定性」……それらは確かに堅実で、かつ限りなく正解に近いものだろう。だが、それらは人間の欲求と時に相反する。人とは、「格好良さ」を求めてしまうものなのだ。私もなるべくなら「格好良い」カードを使いたいし、「格好良い」デッキはすべてに勝る。

 その観点からすると、《復讐の亜神》はマジックのカードの中でもトップレベルに「格好良い」カードと言えるだろう。赤と黒の混成シンボルが五つという唯一無二のマナコストに、躍動感溢れるイラスト。そしてそれらに負けないくらいスピード感のある能力。しかもうまく使えば勝てそうという、程よく実戦的なカードパワーなのだ。

 そしてうまく使うためのアイデアが《直観》で、一度唱えれば2体の《復讐の亜神》を墓地に送り込めるので、すなわち15点アタックが確定する。これだけだと2回殴らないと勝てないが、《ヴリンの神童、ジェイス》《ヴェールのリリアナ》で先に1枚墓地に落としておけば、20点アタックも夢ではない。

 さらに《Lake of the Dead》は最近リアニメイトなどでも注目を集めているカードで、一瞬のマナブーストは《復讐の亜神》をプレイするのにちょうど良い。《復讐の亜神》は使いたいが《渦まく知識》《意志の力》は (レガシーの嗜みとして) 入れたいという欲求を両立させた、非常に「格好良い」デッキリストだ。

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■ ヴィンテージ: バント


井上 陽介「バントビートダウン」
第9期ヴィンテージ神挑戦者決定戦(7位)

1 《平地》
1 《森》
2 《Savannah》
1 《Tropical Island》
1 《Tundra》
4 《吹きさらしの荒野》
2 《霧深い雨林》
1 《溢れかえる岸辺》
1 《露天鉱床》
1 《カラカス》
3 《不毛の大地》

-土地 (18)-

4 《貴族の教主》
2 《極楽鳥》
4 《スレイベンの守護者、サリア》
3 《クァーサルの群れ魔道士》
2 《封じ込める僧侶》
4 《異端聖戦士、サリア》
3 《ヴリンの翼馬》
3 《三角エイの捕食者》
1 《不屈の神ロナス》
1 《トレストの密偵長、エドリック》
2 《荘厳な大天使》

-クリーチャー (29)-

1 《Ancestral Recall》
1 《Time Walk》
1 《Mox Pearl》
1 《Mox Emerald》
1 《Mox Sapphire》
1 《Black Lotus》

-パワー9 (6)-
4 《剣を鍬に》
1 《森の知恵》
1 《魔力の墓所》
1 《梅澤の十手》

-呪文 (7)-
3 《迷宮の霊魂》
3 《石のような静寂》
2 《呪文滑り》
2 《安らかなる眠り》
2 《墓掘りの檻》
1 《神々の神盾》
1 《封じ込める僧侶》
1 《流刑への道》

-サイドボード (15)-
hareruya

異端聖戦士、サリア三角エイの捕食者荘厳な大天使

 《逆説的な結果》入りのテゼレッターの勝利に終わった第9期ヴィンテージ神挑戦者決定戦だが、他にもトップ8にはかなり独創的なデッキが入賞していた。それがこのバント・ヘイトベアである。

 バントとはいっても青はほぼタッチであり、《スレイベンの守護者、サリア》《異端聖戦士、サリア》《クァーサルの群れ魔道士》《ヴリンの翼馬》といったカードで、クロックを展開しつつ相手の自由な行動を制限することを主眼に置いている。

 ただヘイトベアを並べるだけではなく、妨害で稼いだターンで一気に決着をつけられるフィニッシャー枠も採用されており、その中でも《荘厳な大天使》は、そのままだとMoxenの下位互換になりがちなマナクリーチャーをリソースとして活用できる面白いチョイスだ。

 クロックとなりつつ継続的にアーティファクトを破壊できる《三角エイの捕食者》は、《Mishra's Workshop》が常に一大勢力となっているヴィンテージでは依然として頼もしいことこの上ない。《ドルイドの誓い》対策の《封じ込める僧侶》も搭載できるので、研究しがいのあるアーキタイプと言えそうだ。

「バント」でデッキを検索

 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!

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