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なかしゅー世界一周 グランプリ・リッチモンド2017編

2017/05/22 00:00 

    • 中村 修平
    • コラム

5月1日(月)

 人生は失敗の連続とはよく言ったもの。

 中には勝ちっぱなしの方もおられましょうが、マジックはもとよりゼロサム・ゲームトーナメントたる人類社会の構造において、誰もが何かに負けています。

 ともすればただ一人生まれる勝者ですらも別の分野ではやはり何者かに負けているはず。とはいえ、負け方にもいろいろあるわけで。

 中には失敗すると解っていても所々の事情でやらざるを得ないときがあったり、もっと悪いときにはやってしまった後になんて甘い見通しだったかを思い知らされることなんてのも。

 そんなときに私は

 「もうしない」

 と思うことにしています。

 次がある限りにおいて失敗はそう悪いことではありません。

 その失敗から学び、次は同じ過ちを繰り返さないということができればよいのですから。

 よしんばそれが2度目、3度目の同じ過ちでも何も気づかずに同じことを繰り返してしまうよりはよほど良いです。

 そんな訳で、もうしない。

どこまでも続く道

 ただいまリッチモンド空港から歩くこと20分ほどが経過中。

 今度こそ、もうしないです。

 例えばこれは記憶にある限り4回目ですが、グーグル・マップで見たらたった800メートルだからといって歩くなんて愚行はもう金輪際……

 今回のプロツアー合宿は紆余曲折の末、アメリカでの直前グランプリ開催地であるリッチモンドの空港ホテルで開催することになったのですが、前回のチームシリーズ関連騒動でジョン・スターンが抜けた穴は大きく、会議は踊る、されど進まずを地で行く流れに取りまとめ役のパウロが希望アンケート欄に……

 タイムマシーンに乗って1ヶ月前にやり直す。

 を加えたほど(なお、投票数は3票)。

 とは言いつつもウィザーズからの航空券というタイムリミットが定められている案件なだけあって、前日に130キロ離れたワシントンDCのドラフトキャンプに参加するとかなんとかいったゴタゴタで何度も話そのものが崩壊しそうになりながらもこうしてタイムアップギリギリに一応の合意が得られて、こうやって当初の予定通りリッチモンドでホテル&会議室という形式の合宿がスタートしました。

 こうしてスタークイベントなる謎の名義で会議室が借りられていますし、大丈夫なはず。

Stark Event

 ……。

 誰もいませんけど、

 おかしいな、こちらはすでに深夜と言っても差し支えない時間帯。

 みんな既に到着してるはずですし、というか一部デッキらしきものも転がっているのになあとドキドキしながらフロントまで聞きに行くと。

 そこにはシャトルバスから降りたったスーパー帰りと思わしき御一行様が。

 彼らの開口一番。

「シャトル使わなかったの?」

 ええ、もうしませんとも。

 そんなこんなで晴れる屋合宿から即移動日となった月曜日は終了。

5月2日(火)

 一夜明けての火曜日、今日からグランプリまでの4日間、11人のメンバーとともにマジック漬けの日々が始まります。

全員集合

全員集合

 今回のメンバーは……

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa

マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト

 怠惰の権化たるこの集団でなんとかチームとしての体裁を整えるべく日夜奮闘中。がんばれパウロ、負けるなパウロ。

 そして日本に行くのにビザがいるらしく、現在京都の滞在先住所を募集中。

 

ベン・スターク

 メンバー中パウロを口先で丸め込める数少ない人物。怠惰の化身その1。

エリック・フローレッシュ

エリック・フローレッシュ

エリック・フローレッシュ/Eric Froehlich

マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト

 独特のケレン味があるポーカーセレブ。

マイク・シグリスト

 アメリカ人の間からでもブラッド・ネルソンと似てると思われているらしい。

スティーブ・ルービン

スティーヴ・ルービン/Steve Rubin

スティーヴ・ルービン/Steve Rubin

マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト

 ちなみにトークンはポケモンカード。

 しかしアメリカ人がアメリカアクセントで「ピィカー、ピィカァー」て言うのは反則。

アレクサンダー・ヘイン

アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayne

アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayne

マジック:ザ・ギャザリング英語公式ウェブサイト

 彼女がちょっと日本語話せます。あとスティッチ。

ジョエル・ラーション

ジョエル・ラーション/Joel Larsson

ジョエル・ラーション/Joel Larsson

マジック:ザ・ギャザリング英語公式ウェブサイト

 食欲大魔神。知り合った頃に比べたらえらく腰回りとかに肉がついたなと思ってたのですが納得です。

イワン・フロック

 よく間違われるらしいですがチェコではなくてスロバキア人。愛称はクッキー。メンバー随一のコントロール好き。

オンドレイ・ストラスキー

オンドレイ・ストラスキー/Ondrej Strasky

オンドレイ・ストラスキー/Ondrej Strasky

マジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイト

 常に微笑みを絶やさない男。基本アホの子。

ペトル・ソフーレク

 実は大学で日本語を習っているらしく、ちょっとだけ話せます。講師の女の子がかわいいんだって。

3チーム合同軍

 一応今回も「Channel Fireball」と「Face to Face Games」、そして「晴れる屋」の合同軍という体裁。

 これにグランプリ・リッチモンド2017からはサム・パーディとマット・ナスが合流予定。何人かは仕事の都合であったり、そもそもマジックオンラインで『アモンケット』解禁が早まったこともあり、オンライン上での調整で良いかと参加を見送ったり。

 そこはかとなくチームに漂う末期感もありますが、改善しようとする意志もあるにはあるのです。

 例えばスケジューリング。前回はただなんとなく、と言った形で時間が過ぎていったことへの反省でジョエル・ラーションが簡単なスケジュールをあらかじめ提案してきました。

 曰く。朝方にミーティング、そしてドラフト、昼食という流れにしよう。ということで午前9時半からミーティング。

朝のミーティングの様子 眠たげな表情を浮かべる面々

 うん、そう思いましたよ。何人かは起きれてきませんね。私はという恒例の午前3時くらいからばっちり目が覚めてしまっているので悲しいかな、余裕ですが。エリートマジックニートたるもの、早起きが苦手なのでむべなるかな。

 とりあえず第1回の優先議題としては『9時半は早すぎるので午前10時半から』ということに相成りました。

 そんな解りきった茶番は置いておいて、議題として上がったのは、いつものSCGオープンの結果から気になるデッキをピックアップしたところ、各色のゾンビはおもしろそうだからとりあえず組んでみることにした、と言ったところでしょうか

 そしてドラフト。やはりところが変われば、流行りも変わりますね。

ドラフトデッキ

 青が思いっきり人気薄でちょっと霊感が集まりすぎた結果、我が最愛のシステム(※1)を入れることができずにペトル相手にライブラリーアウト負けを喫してしまい2-1。やはり土地を15枚に圧縮するべきだったか

 さて、とりあえず日課も終わり。デリバリーのチャイナでも取るかとチラシを眺めていると「チキンサンドイッチの店に行くよー何が欲しい?」と声をかけられたのでそっちにすることにしたのですが……

 あ、これ昨日の昼に食べたやつやん。

Chick-fil-A

 チック・フィル(Chick-fil-A)。アトランタを中心に展開するチキンサンドチェーン。ま、いっか結構好きだし。

 わたくし、こう見えて決してファーストフードも嫌いじゃありません。黄色いエムもとある理由があって嫌いなだけなのです。もう10年来ですけど、とある事情で1週間世界各地であればかりという食生活をさせられたことがあって、それ以来あのポテトが嫌いになっただけで。

 しかし問題はチキンサンドを食べた後に迫りくる強烈な眠気の方です。

 これはあれですね、時差ぼけ。空腹で弱っていたところに、炭水化物という鈍器のカチコミが入りそれはもうあっという間にゴートゥーベット。

 かくして初日はお昼の3時から午後9時まで優雅なシエスタタイムをしちゃらかしました。みんな、すまん。

※1:《周到の書記官》《死後の放浪》によるコンボ。晴れるーむ合宿でも使用されていた。^

5月3日(水)

 ミーティングは起きれない勢がいたので10時半になりました。

 僕はと言えば2時に目が覚めて5時位に二度寝に入りました。ちなみに今は11時です。

 ……ふう。

 ま、過ぎ去ったことはしょうがありません。幸いミーティング内容自体は特に進展がないようで特にこれと言って新しいデッキというのもありません。毎度おなじみのティムール「現出」デッキをオンドレイが試しているくらい。あとゾンビは可能性を感じるものの、SCGリストは土地事故が多すぎてお話にならないと言ったこととか。

 私はというと、日本で噂になっている浅原デッキ「サイクリングスペシャル」をコピーする作業を。

 とは言ってもデッキ全体にあまりあそび・・・は取れない仕様のデッキのようなので、ビデオマッチを見ながら必要カードをピックアップしていくとだいたいデッキの構造が見えました。

 ちょっと読み間違えたのはサイクリング土地の枚数ですね。緑ベースのデッキだし青白に関して青黒と同じ1枚か多くて2枚かと思っていたのですが翌日アップされたリストを見ると4枚フル搭載。たしかによく森を引き過ぎてコンボがストップしていました。

 しかしパウロの「これ《否認》持ってる相手にどうやって戦うの?」の前にあえなくデッキ自体が瓦解。変なコンボがわりかし大好きなイヴァンこそ興味を示してくれましたが、他のメンバーからはファンデッキという扱いで本日の構築練習は終了。

 時差ぼけに関しても大分頑張りました。眠気にうつらうつらしながらもなんとか午後8時睡眠。これで明日はみんなと同じサイクルになること間違いなし。

5月4日(木)

 はいどうも、午前2時起きです。あかん、とてもあかん。

 おまけにあれです。寝ようと努力しても全く寝れないやつ。もともと睡眠時間は多めじゃないと如実に影響が出てしまうタイプだと言うのに異国の地、慣れない環境で6時間しか寝れないというのはかなり危険な状態。

 それでもなんとか寝ようと努力はしたのですが、空が白みだしたところで諦めてちょっと近隣を散歩しつつゆっくり朝ごはんを食べて、それでも時間が余ったのでマジックオンラインでドラフトを2、3回。

 ミーティングは引き続き機体、《霊気池の驚異》、それに各種コントロールを試してみよう、といったことを再確認。《死の権威、リリアナ》《墓後家蜘蛛、イシュカナ》という5マナコンビが環境的に強力な黒緑昂揚について研究してみようといったところでしょうか。

死の権威、リリアナ墓後家蜘蛛、イシュカナ

今日のドラフト

 イヴァンの《ロナスの碑》から《造反の代弁者、サムト》の前に瞬殺されて2-1。4ターン目の戦闘フェイズ中に出てくるサムト強すぎやしませんかね?

 昼過ぎにバーベキューレストランに行った後から記憶がないところを見るとこのあたりで力尽きたのかと。

5月5日(金)

 午前3時起床。もはや諦めました。いつものように1人でマジックオンラインをやっていると午前7時位に突然私のアイフォンがトルネード警報なるものを警告しだしてびっくり。

Tornado

 でも冷静に考えれば日本でも緊急地震速報がありますし、それほど奇抜なことでもないのかな? そういえばこの間はサンアントニオで幼児を誘拐したと思われる黒いSUVに警戒せよなんてのも来たし。

 そんな金曜日ですがスタンダードで少し進展らしきものが出てきました。「黒緑昂揚」に白の《排斥》《賞罰の天使》を足すことで、従来のアブザンが苦手としていたプレインズウォーカー処理を克服できて良い感じかもという知らせ。

 一方その頃、ジョエルは白黒ビートダウンなる謎デッキで《聖なる猫》《栄光の神バントゥ》の生贄に捧げまわっていました。

 ですが今日の本題は明日に迫ったグランプリ・リッチモンド2017。普段は閑散としているこのホテルもパーリィーピーポーに占拠され、なかなか賑やかなものです。

 ……あ、ブレイカーが落ちた。

暗闇に包まれるホテルの一室(1) 暗闇に包まれるホテルの一室(2)

 突如お誕生日タイムか黒ミサタイムか、男11人が暗闇の中テーブルを囲んでホテルの一室で密談するという、ネタとしては最高の展開を迎えましたが残念ながら10分ほどで電源が復帰。パーリィピーポーたちの平和は救われてしまいました。

5月6日(土)

 昨日頑張って午後10時まで睡眠を引っ張ったおかげで午前6時起き。ここのところの寝不足で頭がクラクラしますが、まあなんとかなるでしょう。

 仕事の関係で途中参加のサム・パーディーと、その同僚で久しぶりに加入するマット・ナスとホテルのロビーで合流。そういえばこの1週間ずっと空港近くで引きこもっていましたが会場は市街地、車に揺られること30分ほど。

サム・パーディー/Samuel Pardee

サム・パーディー/Samuel Pardee

マット・ナス/Matt Nass

マット・ナス/Matt Nass

 さて、お仕事の時間です。

 この環境のシールドは私が練習で引いたパックを見る限りコンパクトにまとまった殴るデッキの方が強い気がしたのですが、大多数はよりゆったりと展開して《大いなるサンドワーム》で決着をつけるというデッキが好みという評価。あまりシールドに費やす時間は無かったのでどちらが正しいという結論は自分の中では未解決。

 そんなの関係ないとばかりに、ひと目見た瞬間に1色だけが抜けて強くて特に迷わずそのまま強いデッキなんてものになれば最高なのにと思ったのに現実は非情です。早速白いカードがほとんどない中ポツンと鎮座する《賞罰の天使》がこちらを見つめているのには思わず苦笑い。

賞罰の天使

 ですが黒い方のレア飛行生物、《イフニルの魔神》は中々有望そう。3枚の《華麗な苦悶》を中心として中々に優秀なところが揃っていますし。どのような形であれ黒は使うことになりそうです。

 カードとしてそもそも使用基準に到達しているカードが6枚しかない白は論外として、やはり同じく二線級になりそうな青も除外すると赤か緑の2択にはなったのですが、どちらもひと押しが足りてないように見えます。

 黒赤は良いように見えますが、戦線を突破するのにほぼ毎回呪文を使わなければならないので見た目より弱そうですし、黒緑の方はマナ加速した先の決め手が《イフニルの魔神》《大いなるサンドワーム》のわずか2枚しかありません。また、どちらの組み合わせにしても撃つと1ターン潰れてしまうし、本当に対処したい対戦相手のレアクリーチャーを撃ち落とせない《華麗な苦悶》がとかく噛み合ってません。

 それでもどちらが良いかと言われればアグレッシブに動ける黒赤か、ということで黒赤に登録してベン・スタークにどちらが良かったか聞いてみたところ、このプールなら多色にした方が良いという答えが。

中村 修平の赤黒。

中村 修平の赤黒。

ベン・スタークが提案した緑多色。

ベン・スタークが提案した緑多色。

 なるほど、たしかにこの環境は《ナーガの生気論者》《楽園の贈り物》といった色マナ1つ供給できれば一気に2つに増える特性もあり、ダブルシンボルタッチが容易。

 それだったらいっそのこと、弾けてこんな構成にした方がよさそうですね。相手が中速以下のデッキであればこちらにした方がよさそうです。

 デッキの出来としては10点満点中6~7点といったところでしょうね。目指せ7-2、上振れ8-1。

 それにしてもStarCityGames主催のリミテッドグランプリは凄いですね。席につくとデッキケースを渡されるのですが、そこに全カードがあらかじめプリントアウト済み。なんとデッキ登録要らず。

 もちろん、完璧というわけではないので構築時間前に事前にシールドプールの確認時間が設けられていますし、そこそこの頻度でエラーも発生しているようですが、ぜひ日本でもやってほしいものですね。

 さて、そんなことを考えてる内にいよいよ私の初戦が始まってしまいました。対戦相手は先攻からの《焼き尽くす熱情》装着とやる気満々。こちらがブロッカーを立たせつつ《超常的耐久力》を構えてターンを返したら《マグマのしぶき》2連打を浴びるという悲しいことに。

超常的耐久力

 ライフ10になりながらもなんとか《信念の双子》で地上を食い止めたかなと思ったら、手札2枚から土地、《燃えさし角のミノタウルス》《激情のカルトーシュ》

 盤面には1/2になっている《ミノタウルスの名射手》。そして《ロナスの勇者》でちょうど10点。

激情のカルトーシュ

 なるほど、これは退いたら負けのガチンコバトルか。全体的に対戦相手から毎回こちらのカードについて確認を求められたり、本来はデッキに入るカードではない《陽焼けした砂漠》を複数枚見たりとマジック自体に不慣れな感じを受けるものの、かなりライフを削ることに向けて尖らせたデッキ構成をしているあたり、別ゲーム……年配の方だったのでそれこそチェスなんかをしている人なのかな。

 2本目はこちらが先手マリガンでクラクラしましたが、あちらもたまたま除去ハンド(《マグマのしぶき》3枚)でこちらが遅めの展開から《イフニルの魔神》《砂漠セロドン》《野望のカルトーシュ》、たまたま《イフニルの魔神》を倒してきたのがコンバットトリック+《投げ飛ばし》だったのでその《イフニルの魔神》を2回墓地回収できて、かなり限界までデッキを酷使してようやくの辛勝。

 しかし次は後手番だしこれはさらに辛い3本目になるな、と思ったところにマリガンも襲いかかってきて、もうだめかな……

 お、対戦相手もマリガン。これでまだゲームになるやも。

「あんまり意味ないけどトップに置くよ」

 からの《進化する未開地》を起動スタート……

 いや、《進化する未開地》も一緒にライブラリーに混ぜちゃ駄目だよと静止しようとしたらよく見たらそれ《陽焼けした砂漠》ですやん! そのまま赤マナが無くてお亡くなりになりました。

進化する未開地陽焼けした砂漠

 ………こうやって後から状況を書き起こしてみると、なんか色々アレですが、私の印象としては本当に間違えてたのだと思います。これ以外にも色々そういうのがありましたし。

 まあ、何はともあれ右も左も地獄のようなスーパーデッキ同士がやりあっているのを尻目になんとか戦えるレベルのデッキと当たり続ける幸運により4連勝。

 ちなみにサイドボードでのデッキチェンジは1/4回。ほとんどの相手はビートダウンで1ターンを争う殴り合い。それを紙一重か二重くらいで2-1で取り続けているのですから、これは今日は何かがきているのかなとか思っちゃいません?

 現実は甘くありませんでした。本当に強いデッキというのは全勝している赤緑のようなデッキです。塵も残らず粉々にされ、次もボコボコにされて2連敗の7勝2敗。

 帰りの日本料理店でペトルに枝豆の食べ方を教えるのに四苦八苦しながら同席していたイーフロウ、ペトルが明日同じポットというのに悶絶していたり。

寿司ドーナッツ/Sushi Donutとは一体……?

寿司ドーナッツ/Sushi Donutとは一体……?

とびっこの握り(食べにくそう)。

とびっこの握り(食べにくそう)。

2日目のドラフトポッド。

2日目のドラフトポット。

 やはり最終戦勝てていればなあ……。

5月7日(日)

 ということで知り合いだらけの1回目ドラフト。《栄光半ばの修練者》《激情の試練》から白を固定させつつ赤を諦めたまでは良かったのですが、2色目候補で途中で押さえていた《ロナスの碑》と1周してきた《アン一門の勇者》に引っ張られすぎ、緑を切るのを躊躇した結果大失敗。

アン一門の勇者

 1パック目のかなり遅い手順で《微光鱗のドレイク》を押さえていましたし、2パック目の3手目、5手目に来た《風案内のエイヴン》のどちらからでも本格的に参入できたのに、特に5手目の方は《採石場の運び屋》程度の緑のカードを取ってしまったのが悔やまれます。

 結果的にカードがやや足りていない白青。イーフロウとの2回戦でデッキの差が如実に出てしまい2勝1敗でトップ8の目無しに。

2日目の1stドラフトデッキ。

2日目の1stドラフトデッキ。

 気を取り直しての2回目は再び白になりそうなパックではあるのですが、初手候補が《信義の神オケチラ》《排斥》《突風歩き》の3枚で後はほとんど検討に値せずというとても偏ったパック。カードパワー的にも返しのパックから白が期待できそうにないことからも《排斥》

排斥

 2手目はこれまた白の候補2枚から《信念の決闘者》を流して《猶予の侍臣》。取っているカードには満足ですが、2回続けておそらく下が、悪くなれば下下までが白になってしまうことを考えるとあまり白に軸足を置くようなことはせず、2色目を早々と決めて確定させて状況によっては2色目をメイン色に白を切ることも考えなければならないでしょう。

 と、考えていたところに《突風歩き》

 の隣に《アン一門の壊し屋》が。

アン一門の壊し屋

 《突風歩き》は白のトップクラスのコモンではありますが、《アン一門の壊し屋》は私的にはアンコモン全体で5指に入るカード。見て取らないことはほぼありえません。

 でも、たしかにマジックオンラインのドラフトでもたまにこんな手順で流れてくることもあり、もしかして世間一般での評価と私の評価が乖離している可能性もあるのですが……こういうときに色々無駄に考えてしまわざる得ないのは仕方がないとはいえ、困ったものです。

  • :素直に赤が人気薄。
  • :別に赤は人気薄などではなくて、このカードの評価が定まっていない。

 普通に考えれば初手レベルのカードが3手目に来るのですからとてもおいしいシチュエーション。ですが、あまり美味しそうに見えすぎて、当たり前ですが裏の裏は表なのではないかと疑心暗鬼になってしまうのです。しかもおあつらえ向きに、こちらに向かえば白の最低保証は用意するよ。なんて人参をぶら下げられているのですから。

 とは言っても私のドラフトでこの手順にしてこうもパワー差のあるカードを取らないなんて選択肢はありません。ということで《アン一門の壊し屋》を取ってみると5手目に再び《アン一門の壊し屋》

 うーん、もしかしたら私の評価が間違っているのか……だめだ、よくわからん。

 とりあえず赤は空いているとして赤をメインに壊し屋をメインに据えた攻撃的なデッキを組むことにするという方針を打ち立てて1パック目を終わらせてみたところ……

 どうも罠だったぽい。

 という印象。その後の赤の流れもあまり良いものではなく、取れたのは《道拓きの修練者》《凶暴な力》、そして失敗ドラフトでよく入る《ハイエナの群れ》を含めても5枚のみ。

道拓きの修練者凶暴な力ハイエナの群れ

 とはいえメインカラーは赤、そして補色候補は……

  • :現状で2枚のカードがあるものの返しのパックでは望み薄。
  • :基本的に攻撃的な色ではなく、組めたにしても赤が主体となるので、今は候補として切ってしまっても構わないかな。
  • :組み合わせ的には悪くはないので候補だけどあまり強いカードを見ていない。上がやっている可能性が高い。
  • :空いてるのかどうか良くわからない。8手目にひょっこり《修練者の相棒》を確保できているのでもしかしたらあるかも。

 とりあえずは2パック目で赤軸路線を堅持できるようなカードが引ければですが、赤いカードがレアの《焼けつく双陽》しかありませんね。

焼けつく双陽

 《焼けつく双陽》自体は強いカードですが赤い攻撃的なデッキという方針にまるであってません。となると白いカードもなかったので《活力のカルトーシュ》。2手目もそれほどうれしいというわけではありませんが、2マナ圏が欲しいところに《血怒りの喧嘩屋》

活力のカルトーシュ血怒りの喧嘩屋

 早いデッキを目指すからには少しでも2マナ域を取っておきたいところ。あるいはカウントしたくないハイエナしかいない4マナ域を《燃えさし角のミノタウルス》にお迎えしたいところ。

 というところに3手目に《ネフ一門の鉄球戦士》。いや、さすがに《オケチラの碑》があるのでこちらか。

オケチラの碑

 4手目はこの手順ではかなりうれしい《マグマのしぶき》

 で5手目に、あれ?気がつけばあんちゃんが3兄弟になった!?

アン一門の壊し屋アン一門の壊し屋アン一門の壊し屋

 とはいえ赤の出は引き続きよろしくありませんね。あまり上手いことマッチするデッキが作りづらいとはいえ、それでも強力な《焼けつく双陽》が1周したところから見ても参入プレイヤー数が少ないのは分かるのですが、2パック目終了時点で赤いカードと換算できるのはわずか11枚(《オケチラの碑》《ハイエナの群れ》含む)。

 白が予想通りほとんど増えず《力強い跳躍》を追加しただけで3枚。黒が2パック目6手目に《最後の報賞》が流れてきたので押さえておいたのを含め、細かい手順で2パック目に押さえたものを3枚で合計4枚。緑が初手の《活力のカルトーシュ》《修練者の相棒》で2枚。

力強い跳躍最後の報賞活力のカルトーシュ

 赤白か赤黒か赤緑か……。

 土地を16枚とした場合、どの組み合わせにしても枚数的に1パック毎のノルマである8枚を超える9枚以上を取らないとデッキにならないので、ここからの判断ミスは許されませんね。今度こそは悩まない赤のカードが欲しいところ。さてさて……

 《戦闘の祝賀者》《マグマのしぶき》、そして《突風歩き》

突風歩き

 強力な赤いレアと赤のトップコモン、そして白の上位コモン。仕掛けるならここですね。

 《アン一門の壊し屋》が左回りだけから来ているだけならばカード評価という可能性はあります、しかし両側から来るというのであれば話は別。グランプリ2日目、そしてまだ賞金圏内でのこの位置で全員が揃ってザルというのはだいぶ可能性として低いです。そして《焼けつく双陽》も1周している。

 私のあんちゃんズ以外な赤も相当振るいませんし、単純に赤の出が悪いだけで赤のユーザーはいてもう1人程度と見るのにもそれなりに根拠がありそう。

 そして白は3パック目に関してはそれなりに流れてくる可能性が高い。つまり《突風歩き》を取って赤いカードを駄々流すことによって本来は生まれないクオリティの9枚目、10枚目を無理やり作りに行く。

 実際のところ勝算は7割以上、8割未満といったところでしょうか。何はともあれこのまま座してもカードが足りてないわけですし、かなりの割合で赤白or赤黒になるのですからその判断を少し早くすることによるデメリットは相当低いと感じました。

 もうできることは一心不乱に主に白いカードを取ることのみ。そして誘惑に負けてしまうような《イフニルの魔神》みたいな黒のとんでもないカードが流れてこないことを祈るだけ。

 賭けに勝ったようです。

 《名誉ある門長》《栄光半ばの修練者》《マグマのしぶき》《ター一門の精鋭》。白いカードを中心にピックを進めていくことがどんどん強化される我がデッキ。

 そして件の9手目は《戦闘の祝賀者》《マグマのしぶき》……

戦闘の祝賀者マグマのしぶき

 ん?

 あれ?

 これってもしかして??

 策士、策を弄しすぎてもしかして策に溺れてる???

 あまりに予想外過ぎて、手拍子でレアの方取っちゃったけど、冷静に考えれば《マグマのしぶき》の方が良かったですね。

2日目の2ndドラフトデッキ。

2日目の2ndドラフトデッキ。

 そして結果の方は1回目と同じく2戦目にラファエル・レヴィの青白にあたり負けて2-1。実はキャップの都合であまり要らないプロポイント2点に65位でノーマネー。

 うーん……。

 いや、デッキの出来もドラフトも満足ですけどなんでしょうね。とても釈然としません。それとそのレヴィとの3本目ハンドです。あちらが1マリガンでこちらがキープするかという選択。

名誉ある門長血怒りの喧嘩屋山山山平地平地

 ちなみにペトル(のみ。そのとき聞いたイワン、ヘイン、ベンスタ、ジェイコブ、サム、イーフロウはキープ)曰く、先手ならキープ寄りだけど、後手だと悩まずマリガン。

 だそうです。

 うーんうーん。

 プロツアー編に続く。

中村 修平

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