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週刊デッキウォッチング vol.110 -ドロー泥棒-

2017/03/15 00:00 

    • 伊藤 敦
    • コラム

 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。

 この連載は【晴れる屋のデッキ検索】から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。

■ スタンダード: 青黒テゼレット


Akita Naoto「青黒テゼレット」
休日スタンダード20時の部(3-0)

16 《沼》
3 《島》
4 《霊気拠点》

-土地 (23)-

4 《歩行バリスタ》
4 《精神壊しの悪魔》
3 《マリオネットの達人》
2 《害悪の機械巨人》

-クリーチャー (13)-
4 《致命的な一押し》
2 《過酷な精査》
2 《闇の掌握》
4 《改革派の地図》
4 《キランの真意号》
4 《最後の望み、リリアナ》
4 《策謀家テゼレット》

-呪文 (24)-
4 《ギラプールの希望》
3 《餌食》
3 《知恵の拝借》
2 《闇の掌握》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》
1 《連結面晶体構造》

-サイドボード (15)-
hareruya



策謀家テゼレットマリオネットの達人最後の望み、リリアナ


 プロツアーで【あのヤソすら匙を投げた】《策謀家テゼレット》だが、諦めるにはまだ早い。4マナのプレインズウォーカーというのは、環境の変化やまだ見ぬ組み合わせの発見により、いつでも第一線に姿を現す可能性を秘めているのだ。

 《マリオネットの達人》《策謀家テゼレット》の「+1」能力と相性が良く、《歩行バリスタ》との組み合わせも一撃大ダメージのコンボとなる。

 《キランの真意号》《精神壊しの悪魔》の飛行コンビは恐ろしいスピードで対戦相手のライフを削るし、《策謀家テゼレット》の「-2」でキルターンを縮めるテクニックを使いこなせれば、かなり対戦相手をわからん殺しできそうだ。

 《最後の望み、リリアナ》は忠誠度で《キランの真意号》を起動するほか、《策謀家テゼレット》の「-2」や《歩行バリスタ》と合わせて相手のクリーチャーを殲滅する。はたして今週末に迫ったグランプリ・静岡2017(春)でも《策謀家テゼレット》の活躍が見られるのか、カバレージが楽しみだ。

【「青黒テゼレット」でデッキを検索】





■ モダン: 青黒コントロール


Nakane Takumi「青黒コントロール」
晴れる屋モダン杯(3-1-1)

4 《島》
1 《沼》
3 《湿った墓》
1 《蒸気孔》
4 《汚染された三角州》
3 《溢れかえる岸辺》
3 《闇滑りの岸》
2 《沈んだ廃墟》
2 《忍び寄るタール坑》
1 《ガイアー岬の療養所》

-土地 (24)-

4 《瞬唱の魔道士》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
3 《概念泥棒》

-クリーチャー (9)-
4 《致命的な一押し》
2 《呪文貫き》
1 《思考囲い》
4 《撹乱する群れ》
2 《集団的蛮行》
2 《マナ漏出》
3 《遠隔+不在》
3 《謎めいた命令》
1 《神秘の指導》
1 《滅び》
1 《殴打頭蓋》
3 《ジェイス・ベレレン》

-呪文 (27)-
3 《否認》
2 《外科的摘出》
2 《ハーキルの召還術》
2 《四肢切断》
2 《塵への崩壊》
1 《呪文滑り》
1 《殺戮の契約》
1 《払拭》
1 《虚無の呪文爆弾》

-サイドボード (15)-
hareruya



概念泥棒撹乱する群れジェイス・ベレレン


 《死の影》ジャンドの功罪と言うべきか、今モダン環境はかなりフェア寄りの環境になってきている。ではフェアデッキが環境の主流となったとき何が起こるか?そう、コントロールの復権だ。

 なかでもこのデッキは《概念泥棒》をフィーチャーしたかなり独創的なコントロールとなっている。《概念泥棒》が場にいれば《ジェイス・ベレレン》の「+2」は自分だけ2ドローだし、《ガイアー岬の療養所》自分が2ドロー1ディスカード、相手はただ1ディスカードするだけなので相手の手札がないときにドローステップに起動すればハーフロック状態に持ち込める。

 さらにもう一つ面白いカードチョイスが《撹乱する群れ》で、分割カードとの組み合わせはまるで《意志の力》のごとく隙のない動きを可能とする。《遠隔+不在》を追放すると2マナか3マナをカウンターできる (※5マナはカウンターできない) ので、モダン環境の主要なアクションはかなりシャットアウトできるだろう。

 土地コンボへの耐性が厳しいので赤をタッチしてまで《塵への崩壊》を採用しているが、《死の影》ジャンドが隆盛している今なら土地コンボと当たる機会も少なくなりそうなのが追い風だ。5月のグランプリ・神戸2017でも、こういったコントロールがメタゲームの主役となるかもしれない。

【「青黒コントロール」でデッキを検索】





■ レガシー: マーフォーク


Ookura Takahiro「マーフォーク」
平日レガシー17時の部(3-0)

13 《島》
4 《魂の洞窟》
4 《変わり谷》

-土地 (21)-

4 《呪い捕らえ》
4 《銀エラの達人》
4 《アトランティスの王》
4 《真珠三叉矛の達人》
3 《幻影の像》
4 《真の名の宿敵》

-クリーチャー (23)-
4 《意志の力》
4 《虚空の杯》
4 《霊気の薬瓶》
4 《密輸人の回転翼機》

-呪文 (16)-
3 《呪文書の盗人》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
2 《休賢者》
2 《高潮測り》
2 《外科的摘出》
2 《梅澤の十手》
1 《波使い》
1 《高速警備車》

-サイドボード (15)-
hareruya



密輸人の回転翼機真の名の宿敵虚空の杯


 最後にレガシーレベルのマーフォークが出たのはいつだっただろうか?《真の名の宿敵》《潮流の先駆け》?いずれにせよ、あまりに長く続いた日照りにマーフォーク使いたちは業を煮やし、もう我慢できねぇ!と言わんばかりに禁断のアイデアに手を伸ばすことにした。そう、マーフォークをヘリに乗せようというのである。想像しただけで絵面がおかしい

 だが、もともと「《銀エラの達人》を8枚入れたい」「マナフラッドすると負け」といった要望や課題を抱えていたデッキである。そこにきて2マナ3/3飛行というタフなボディにルーティング能力がついた《密輸人の回転翼機》は、むしろ渡りに船、いや渡りにヘリだったのかもしれない。

 さらに「機体」の持つ「搭乗」は自分のクリーチャーを任意のタイミングでタップできるという点から、もともとは《秘密を溺れさせる者》《群れの召喚》などとシナジーする目的で作られていた《休賢者》《呪文書の盗人》《高潮測り》といった『ローウィン』『モーニングタイド』のマーフォークたちと相性が良いことを見出しているのは慧眼だ。

 マーフォークに限らずとも、デッキは新しいカードを取り入れることができる。柔軟な発想で「機体」という新たな武器を見出したことで、レガシーのマーフォークはこれから活躍の機会が増えていきそうだ。

【「マーフォーク」でデッキを検索】





■ フロンティア: 白黒ビートダウン


Noguchi Masayoshi「白黒ビートダウン」
晴れる屋フロンティア杯(3-0)

7 《平地》
5 《沼》
4 《秘密の中庭》
4 《コイロスの洞窟》
2 《乱脈な気孔》

-土地 (22)-

4 《血に染まりし勇者》
4 《マルドゥの悲哀狩り》
1 《ドラゴンを狩る者》
4 《刃の隊長》
4 《血顎の憤怒鬼》
3 《サリアの副官》
4 《アラシンの先頭に立つ者》
1 《マルドゥの急襲指揮者》

-クリーチャー (25)-
1 《致命的な一押し》
1 《潰瘍化》
1 《強迫》
1 《荒野の確保》
2 《勇敢な姿勢》
2 《石の宣告》
3 《集団的努力》
1 《不動のアジャニ》
1 《真面目な訪問者、ソリン》

-呪文 (13)-
2 《断片化》
2 《自傷疵》
2 《神聖なる月光》
2 《戦列への復帰》
2 《絹包み》
1 《強迫》
1 《致命的な一押し》
1 《鑽火の輝き》
1 《苦渋の破棄》
1 《見えざるものの熟達》

-サイドボード (15)-
hareruya



刃の隊長アラシンの先頭に立つ者集団的努力


 《包囲サイ》《カマキリの乗り手》の影に隠れがちだが、『タルキール覇王譚』『運命再編』の「人間・戦士」たちは非常に強力だった。では何が足りなかったかと言えば、それは地上バニラビートゆえの止まりやすさを補うだけの強力な除去カードと最後の一押しだろう。

 その点、《集団的努力》は除去と押し込みの2つの役割を1枚で担うことができるので、このデッキのコンセプトに合致している。ついでのエンチャント破壊はフロンティア環境で猛威を振るっている《硬化した鱗》を破壊するのにぴったりだ。

 《サリアの副官》は「戦士」でこそないものの、2マナで全体を強化する様は古き良き《十字軍》を彷彿とさせる。

 フェッチランドも「探査」もない愚直なまでのビートダウンは一見フロンティア環境らしくないが、アブザンアグロや《硬化した鱗》ビート、人間カンパニーなどが主流の今ならそれらに効きづらい全体除去は少ないだろうし、こうしたストレートな横並べビートダウンにとっては狙い目と言えるのかもしれない。

【「白黒ビートダウン」でデッキを検索】






 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!


【晴れる屋でデッキを検索する】



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