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Magic Online Championship 2016 トップ4レポート

2017/03/14 00:00 

    • 浦瀬 亮佑
    • コラム

はじめに

自己紹介

 はじめまして。浦瀬 亮佑と申します。

 自己紹介させていただくと、主にマジックオンライン上でプロツアー出場を目標に日々マジックをしている、東京に住む一介の競技プレイヤーです。マジックは『ドラゴンの迷路』のころに触りはじめ、本格的に始めたのは『テーロス』からになります。これまで特に実績らしい実績はなく、強いて言えば【プロツアー『戦乱のゼンディカー』優勝のアブザンアグロ】マナベースの元を作った (らしい) ということくらいでしょうか (【このリスト】が伝言ゲームで瀧村さんに伝わったそうです)。

 このたび、3月3-5日にシアトルで行われた【Magic Online Championship (MOCS)2016 (※リンク先は英語)】トップ4という成績を残すことができたため、こうしてレポートを書かせていただいています。

MOCSとは

 今回出場したMOCSという大会について、馴染みのない方が多いと思うので、また今回の準備の過程に深く関わってくるので、簡単に解説させていただきます。

(注: 以下はMOCS2016の情報で、MOCS2017については一部変更されているので注意。2017の詳細は【こちら (※リンク先は英語)】

 MOCSとはその名の通りマジックオンラインの最強を決める大会で、以下のような特徴があります。

1. 全てマジックオンラインで対戦を行うこと
2. 優勝者はプラチナレベル待遇や世界選手権への出場権利など莫大な褒賞を得られるが、逆に優勝しなければ賞金以外は得られないこと
3. 16人という少人数制の大会で、デッキリストは各フォーマット最初の対戦以外公開であること
4. 参加権利を得る手段が、プラチナプロに極めて有利に設定されていること

1. 全てマジックオンラインで対戦を行うこと

 これは、元々マジックのプレイ時間の9割がMOの自分にとっては好都合でした。

 自分の課題として、表情や所作に感情が出やすく相手に読まれやすい、逆に相手の表情から情報を読み取るのが下手というのがあります。また、特に格上のプレイヤーとリアルで当たった際は緊張して十分に力を出せないことが多いです。引き続き課題ではありますが、今回これらを回避できたのは僥倖でした。

2. 優勝者はプラチナレベル待遇や世界選手権への出場権利など莫大な褒賞を得られるが、逆に優勝しなければ賞金以外は得られないこと

 賞金は重要ですが、私のようなアマチュア競技プレイヤーはお金のためにマジックをやっているのではありません。そして、プラチナレベルという優勝賞品はあまりにも魅力的です。この時点で優勝をはっきり目指して準備していくことを決めました。

3. 16人という少人数制の大会で、デッキリストは各フォーマット最初の対戦以外公開であること

 これは特にスタンダードの準備に関わってきます。いわゆる「わからん殺し」を狙った尖ったデッキは選択肢から外れました。理想的なのは、単純なデッキパワーが高くプレイが簡単な、在りし日のアブザンアグロのようなデッキです。また、プレイで相手に楽をさせないよう、特にサイドボードのカードは散らした方がよいでしょう。

4. 参加権利を得る手段が、プラチナプロに極めて有利に設定されていること

 普通の人がMOCSに参加するには、基本的には以下の3ステップを踏む必要があります。

ステップ1. マジックオンライン上で好成績 (ドラフト3-0など) をおさめると得られるQP (クオリファイアーポイント) を35点貯める
ステップ2. 毎月行われるMOCSマンスリーに出場し、トップ8に入る
ステップ3. 三か月に一度行われるMOCS最終予選に出場し、優勝か準優勝する

 ところが、プラチナプロは1. 2.を飛ばしていきなり3.の最終予選に参加することができます。必然的に最終予選の参加者の半数近くはプラチナプロという事態となり、そうなれば当然彼らが勝ちやすいです。さらには、この方法以外の出場枠 (世界選手権優勝やMOCSリーダーズボード上位) も基本的にはプラチナプロ以外が狙うのは困難になっています。

 その結果……

参加者紹介

マルシオ・カルヴァリョ 世界ランキング1位。プラチナプロ。
オーウェン・ターテンワルド 世界ランキング4位。プラチナプロ。
ルーカス・ブローン 世界ランキング8位。プラチナプロ。晴れる屋プロ。
リー・シー・ティエン 世界ランキング9位。プラチナプロ。
ブライアン・ブラウン=デュイン 現世界王者。プラチナプロ。
ジェイコブ・ウィルソン プラチナプロ。
ティアゴ・サポリート プラチナプロ。
ニール・ヌーランダー プラチナプロ。
ジョシュ・アター=レイトン 2012-13プレイヤーオブザイヤー。
  ・
  ・
 (中略)
  ・
  ・
ウラセ リョウスケ GP入賞経験ゼロ。プロツアー出場回数1回。

 なんだこの無理ゲー!?

準備編

 とはいえ腐っていても仕方ないので、方針通り出るからには優勝を目指します。やることは普段の大会と変わりありません。ひたすらマジックのことを考えプレイするだけです。準備は『霊気紛争』のマジックオンラインでのリリース直後から始め、すべてマジックオンライン上で行いました。ドラフトがリーグ形式しかないとはいえ、時間効率が段違いです。

 プロツアーの結果が出るまではドラフトを中心に行い、スタンダードのメタがはっきりしてから徐々にスタンダードに比重を移していくという形で、1日1~2回ずつドラフトとスタンダードリーグをこなします。ただ漫然と数をこなす (走りこむ) だけでなく、結果の分析や環境への考察、海外サイト含めた記事の乱読など、インプットを増やすことも重視しました。そんな調子でほぼ仕事と食事とマジックしかない生活を一か月強続けます。

 また、今回サブテーマとして「独力でやること」を意識しました。唯一出場できた【プロツアー『カラデシュ』】の際は、市川 ユウキさんや瀧村 和幸さんをはじめとした超有名プレイヤーたちとのドラフト・構築合宿に混ぜていただき、もちろん大変勉強になりかけがえのない経験となりましたが、自分の力でプロ相手にどこまでやれるのかというのは試してみたいところでした。

 もっと切実な理由としては、今回のMOCSは自分が日本からの唯一の出場者である都合上、モチベーションを共有している人がいないので、あまり他人に頼ってもうまくいかないだろうという予測がありました。プロツアーは新セット発売後2週間で行われるため集団の力が必須ですが、今回は環境の成熟しきった時期に行われる大会であるため、独力でも十分勝負になると踏んでいたというのもあります。

ドラフトの準備

 80回ほどドラフトをして得た結論は、自分は赤白と黒緑が得意だということです。ドラフトというのはいかにデッキの完成形のイメージを持ってピックできるかのゲームだと思っているので、得意な=完成形のイメージの精度が高いアーキタイプを持つことは勝利に直結します。もちろん全ての色の組み合わせで精度を高めることが理想ですが、自分の実力や限られた時間を考えた結果、以下の方針でドラフトに臨むことにしました。

1. できるかぎり赤白か黒緑をやる
2. それが不可能なときは、青黒赤3色のうちの2色を使う
3. 緑白、赤緑、青白、白黒の4つは極力回避する

実際に使っていたドラフトの結果集計表

 また、マジックオンラインでひたすらドラフトをしていた結果、副産物的に気付いてしまったことがありました。それは「ソート」です。

 『霊気紛争』は小型セットということもあり、特にアンコモンでソートが露骨でした。例えば、アンコモン抜けで《ゴンティの策謀》《修復専門家》の2枚が2手目に流れてきた場合、上家はかなり高い確率で《復讐に燃えた反逆者》を初手でピックしたということがわかってしまいます。

ゴンティの策謀修復専門家復讐に燃えた反逆者

この3枚が「ソート」

 あまりこのような盤外戦術は好きではありませんが、使えるものは使います。自然に気付いた10ほどの有用なソートを頭に叩き込みました。本番もMOを用いるMOCSならではですね。とはいえ、正直役に立つ機会はそれほど多くないので、例えばドラフトログからの定量分析などに時間を割くことはしませんでした。

スタンダードの準備

 スタンダードの準備は難航しました。ローグを含めひととおりのデッキを触りましたがピンと来るものはなく、いわゆる「3強」に対する本戦2週間前の印象は以下のようなものでした。

「機体」は、対BGを考えると《致命的な一押し》をメインに3-4枚取りたいが、そうすると2マナ域のクリーチャーの質かマナベースの安定性のどちらかを犠牲にすることになる。

4Cサヒーリは、対BGの勝率が悪く、対「機体」は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が強すぎてせいぜい五分

BGは、どこまでいってもまっすぐな2マナから始まるビートダウンなので、対処されやすい

 結局、当初方針にあった「アブザンアグロのようなデッキ」という理想に一番近かった《緑地帯の暴れ者》4枚のBGエネルギーアグロを使用しようと思って構築を煮詰めていたところで、【RPTQ】およびグランプリ・ユトレヒト2017が開催。

 BG、勝たない。

 BGがもう落ち目であり、「機体」 (《歩行バリスタ》型)、4Cサヒーリ(《チャンドラの誓い》《反逆の先導者、チャンドラ》型)、そしてティムール《電招の塔》が新たな3強になる気配を感じ取るには十分でした。

 《歩行バリスタ》型の「機体」は日本ではプロツアーの頃から試されていたアプローチであり、自身でも「機体」デッキに《経験豊富な操縦者》は必須であるという結論に達していたため、使用しようとは思えませんでした。

 ティムール《電招の塔》はメタゲーム上の立ち位置で台頭してきたデッキで、デッキパワー自体は貧弱であること、コントロールデッキを残り数日でマスターする余裕はないだろうという2点から却下。

巻きつき蛇チャンドラの誓い守護フェリダー

 一方で目に留まったのがついにリストの固まった4Cサヒーリです。自分が以前回していたのは《老いたる深海鬼》型や《霊気池の驚異》型などで、《チャンドラの誓い》はいつもサイドボードでした。しかし実はこのカードが対BGにめっぽう強く、他のマッチアップでも本体火力能力でプレインズウォーカーに睨みを効かせる最後の1ピースだったのです。

 ということで、既に出発3日前、デッキリスト提出期限の1日前でしたが、急遽4Cサヒーリへの乗り換えを決定。しかし、冒頭で「独力でやる」という方針を設定してはいましたが、今から一人でリストを練るのは現実的ではありません。

 悩んだ末に、丁度4Cサヒーリで【RPTQ】を突破されていたHareruya Prosの原根 健太さんに相談を持ちかけたところ、快くサイドボーディングや各マッチのプランニングなどを教えていただきました。ほぼ面識のない間柄だったのにもかかわらず、唐突なお願いに迅速かつ丁寧に応えてくださった原根さんに、この場を借りて改めて感謝申し上げます。

 そんな事情なので、構築やサイドボードプランなどについては【原根さんの記事】を参照してください。ここでは、原根さんのRPTQ突破リストから変更した点のみ述べることにします。

《感動的な眺望所》2枚目を《尖塔断の運河》3枚目に

 白マナが必要になるのは4ターン目以降であるため、白マナを供給するファストランドに枚数をとるのには噛み合わなさを感じました。

・サイドボードの《実地研究者、タミヨウ》《反逆の先導者、チャンドラ》

 《チャンドラの誓い》と合わせて「機体」の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に対抗するための枠ですが、《実地研究者、タミヨウ》のタップ能力では不十分な場面が多いように感じたため、確実に2点ダメージを与えられる《反逆の先導者、チャンドラ》の4枚目にしました。

・サイドボードの《金属の叱責》2枚目を《払拭》

 《奔流の機械巨人》デッキに対する枠ですが、デッキリスト公開ということで散らしました。

 使用したデッキリストはこちら。


浦瀬 亮祐「4Cサヒーリ」
MOCS2016

5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
1 《燃えがらの林間地》
4 《霊気拠点》
4 《植物の聖域》
3 《尖塔断の運河》
1 《感動的な眺望所》

-土地 (21)-

4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
4 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》

-クリーチャー (16)-
4 《霊気との調和》
4 《蓄霊稲妻》
4 《ニッサの誓い》
3 《チャンドラの誓い》
4 《サヒーリ・ライ》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《実地研究者、タミヨウ》

-呪文 (23)-
2 《歩行バリスタ》
2 《不屈の追跡者》
2 《否認》
2 《自然廃退》
2 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《ショック》
1 《払拭》
1 《金属の叱責》
1 《チャンドラの誓い》
1 《反逆の先導者、チャンドラ》

-サイドボード (15)-
hareruya

 いざシアトルへ出発。

本戦編

 会場に着いたら嬉しい誤算が。


もはやネットカフェ

 対戦相手とは基本的に衝立で仕切られており、姿が対戦中に見えることはありません。また、フィーチャーマッチもMOの画面を直接キャプチャして行われるためカメラが入ることもなく、前述のとおりリアルでの対人戦が苦手な自分としては理想的な環境でした。

初日ドラフト

 初手《無秩序街の主》から赤は確定しましたが、白の流れが悪く、色が定まらない状況に。3パック目になるまでフラフラし、3-2の《つむじ風の巨匠》でようやく赤青に決定。その結果できたデッキがこちら。

※クリックすると拡大します

 《無秩序街の主》《霊気圏の収集艇》と爆弾レアに恵まれましたが、ピックミス(《ショック》より《発火器具》を取るべきでした)や構築ミス(《霊気装置の設計図》は流石に弱かったです)もあり、全体的にカードが足りない70点くらいのデッキとなりました。

R1 ブライアン・ブラウン=デュイン ××

 いきなり現世界王者とのマッチング。エネルギーシナジー満載の強力な青緑デッキでした。1本目、ダブルマリガンで《山》2枚の手札をキープしたら《山》ばかりさらに4枚引き、なすすべなく敗北。2本目も《製造機構》が早々に動き出して負けという幸先の悪い結果に。

R2 サイモン・ニールセン 〇〇

 古典的な「地上を止めて空から殴る」青白でした。青白は練習でかなりの回数試したこともあり、「機体」という規格外サイズの生物がいるこの環境では、地上が止まらない弱いアーキタイプであるという認識があります。実際に2ゲームとも《鉄装破壊車》1枚で勝つことができました。

R3 リー・シー・ティエン 〇×〇

 《バラルの巧技》《策謀家テゼレット》《橋上の戦い》入りの青黒デッキ《策謀家テゼレット》を維持され1本は落とすものの、相手がほぼ対処できない飛行機械トークン生成カードを固め引く幸運もありなんとか勝利。

 このフィールドでドラフトラウンド2-1できたというのは相当な自信になりました。「対戦相手、意外と普通だな」と思うことができ、この後は特に相手が誰かということを意識せずプレイできるようになります。

初日スタンダード

R4 BG昂揚 (ルーカス・デュショー) 〇×〇

 《巻きつき蛇》にきっちり除去を合わせて勝利。

R5 マルドゥバリスタ (ジョシュ・アター=レイトン) 〇×〇

※画像をクリックすると動画が再生されます。

 コンボを8枚全抜きする原根さん直伝の対「機体」プランをお披露目。ただ、従来型のマルドゥ「機体」と違ってタフネス1の少ないマルドゥバリスタには《歩行バリスタ》はサイドインしない方が良かったです。それでも相手がコンボをケアして慎重に立ち回ってくれたおかげで勝利することができました。

R6 4Cサヒーリ (ティアゴ・サポリート) 〇〇

 先手3ターン目《サヒーリ・ライ》設置からイージーウィンするなど、快勝。

R7 マルドゥ「機体」 (マルシオ カルバリョ) ××

※画像をクリックすると動画が再生されます。

 メインは長いゲームになりましたが、《キランの真意号》がガンとなり敗色濃厚に追い込まれます。そんな中引いてきたのは《反逆の先導者、チャンドラ》。なんとか自然に見えるアタックをして《キランの真意号》をブロックに釣りだすことに成功し、第2メインで破壊することができました。しかし残念ながら2枚目を引かれ、あえなく敗北。

 2本目は再びコンボを全てサイドアウトし、ビートプランで相手を追いつめます。しかし舞い降りる《大天使アヴァシン》。大逆転を許してしまいました。

 実はこのゲーム、《ニッサの誓い》《歩行バリスタ》《反逆の先導者、チャンドラ》かを選択する場面があり、それまでのゲーム展開からビートに意識が寄っていたため前者を取ってしまいましたが、後者を取って一息ついていれば勝てていた可能性が高いです。常にゲームプランを柔軟に変えられるようになりたいものです。

 ここで初日が終了。5-2という好成績での折り返しとなりました。

二日目ドラフト

 初手《致命的な一押し》、2手目《襲拳会の革命家》から黒緑を本線に。しかし流れがあまり良くなく、半決め打ちの弊害を負います。結果的には、入っているカード個々のパワーはそれなりに高いですが、シナジーの薄さとマナベースへの負担がネックな50点くらいのデッキに。

 カードの足りなさと勝ち筋の細さという問題点を2パック目初手で取ったボム(《速製職人の反逆者》)を強引にタッチすることで解決しようとしていますが、今やっているのはシールドではありません。

※クリックすると拡大します

R8 マルシオ・カルバリョ ×〇〇

※画像をクリックすると動画が再生されます。

 個人的には、今大会の自分のベストバウトです。大会の【TOP 5 MOMENTS】にも取り上げていただきました。興味のある方は是非動画をご覧ください (特に3本目)。

R9 ルーカス・ブローン ×〇〇

※画像をクリックすると動画が再生されます。

 この試合は逆にプレイが冴えませんでした。1本目はコンバットをもう少しうまくやれたと思います (敗北)。2本目は接死のついた《ドゥーンドの調査員》《最前線の反逆者》に突っ込ませる損なアタックを仕掛けたところ、相手がコンバットトリックを警戒して通してくれて、その3点が最後に響き辛勝。3本目は相手がダブルマリガンでの勝利でした。

R10 ジョシュ・アター=レイトン 〇××

 禁止カード (《密輸人の回転翼機》) をはじめ、《改革派の車輪職人》2枚など完成度が段違いの赤白が相手です。1本目は《速製職人の反逆者》を4ターン目に出して運よく勝てたものの、2・3本目は順当に回られてあえなく敗北。

 結果としては、ドラフトラウンドを再び2-1で終えることができました。デッキの出来を考えると運が良かったと思います。この時点で上位は絞られてきており、残りスタンダード4戦を2-2できればおそらくトップ4という状況に。

二日目スタンダード

R11 マルドゥバリスタ (ピョートル・グロゴウスキー) 〇×〇

 メインボードに《大天使アヴァシン》が2枚取られている重めのリスト。サイドから《燻蒸》を入れてきそうな気配もあります。昨日のマルシオ選手との対戦で《大天使アヴァシン》相手にビートをするのは分が悪いことを学んだので、サイド後もコンボを残すようにしました。結果、3本目《平地》をトップデッキしてコンボを決め勝利。

R12 4Cサヒーリ (ルーカス・ブローン) 〇〇

 2本目後手ワンマリガンで、《反逆の先導者、チャンドラ》と土地5枚という手札を、何を思ったかキープしてしまいます。振り返ってみると、このとき自分はティルトに陥っていたのでしょう。しかし、デッキトップから《導路の召使い》《歩行バリスタ》と連続で引いてきて、3ターン目に着地した《反逆の先導者、チャンドラ》がゲームエンドまで延々とアドバンテージを稼ぎ続けて勝利。正直出来すぎでした。

 この時点でほぼTOP4が確定。精神的に余裕ができます。

R13 ティムール《霊気池の驚異》 (アンシ・アルキオ) ××

 メインは、相手が「《霊気池の驚異》の起動1回で《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《不許可》を引かないと勝ち」という場面でしっかり引かれて負け。

 2本目は、相手のリストがコントロール寄りだったので、対ティムール《電招の塔》にするようなコンボを減らすサイドチェンジをしましたが、これは間違いでした。《つむじ風の巨匠》で悠長にビートしている間に《霊気池の驚異》が間に合ってしまい敗北。

R14 4Cサヒーリ (ベンジャミン・ウェイツ) ×〇×

 3本目、相手の場に《反逆の先導者、チャンドラ》《守護フェリダー》とエネルギーが5つある状態で《霊気池の驚異》をキャストされました。《反逆の先導者、チャンドラ》をコンバットで落とすためにも対応して《守護フェリダー》《蓄霊稲妻》を撃ちこむべきだったのですが、なんと《霊気池の驚異》の着地を許してしまう凡ミス。エンドに撃った結果6つ目のエネルギーが貯まり、そのまま《反逆の先導者、チャンドラ》が生き残って負けてしまいました。

 ラウンド開始時にスタンディングを確認した際、敗北してもほぼ確実にトップ4に残れることを認識してしまったために、このようなお粗末なプレイをしてしまったのではないかと思います。自分はあくまで優勝を狙ってこの場に来ているのですから、トップ4の先手後手選択権に関わるこの試合を疎かにしてしまったのは後悔の残る点となりました。

 とはいえ、他のマッチの勝敗が比較的自分に都合のように展開し、結果的には2位通過でトップ4へ進出。

 いよいよあと2勝でプラチナプロが見えてきました。

三日目トップ4

 トップ4は2「マッチ」先取で行われます。

 初戦の相手は、R5でコンボを全てサイドアウトするプランにより勝利した、マルドゥバリスタ操るジョシュ・アター=レイトン選手。当然このプランはもう知られてしまっているので、再戦にあたりどうするかが問題となります。コンボをアウトするかどうかの主導権はこちらにあるので、相手は《歩行バリスタ》を減らすようなリスクを取れるはずがありません。しかしあまり露骨に全抜きしてしまうとプレイング上で楽をさせてしまいます。

 一晩考えた結果、ビートで勝ちにくい後手時のみ、計5枚程度コンボを残すこととしました。

※画像をクリックすると動画が再生されます。

マッチ1 ×〇×

 1本目はコンボを狙うのが基本ですが、除去が2枚あるので《歩行バリスタ》をとりあえず放置して先に《キランの真意号》を破壊したところ、2枚目の《歩行バリスタ》が出てきてコンボが困難に。また、無理して《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を落としに行きますが、2枚目を即座に置かれてゲームエンド。おそらく基本通りコンボに固執するべきでした。

 2本目は、《反逆の先導者、チャンドラ》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》という盤面がしばらく続き敗色が濃くなってきたところで、《領事の旗艦、スカイソブリン》が駆け付けてくれて逆転勝利。

 3本目は優勢な場を《大天使アヴァシン》によって一気に捲られ、なんとか《蓄霊稲妻》を引き込んで対処しますが非常にタイトなダメージレースに。

 そんな中、《つむじ風の巨匠》をトップデッキします。追加のクロック兼《キランの真意号》に対するブロッカーとなる、現状ベストに近いドローです。

 これは勝ったと思って興奮気味に右クリック→「Attack with all creatures」

※クリックすると拡大します

 ………。

 自分のライフは6。

 相手の場には《模範的な造り手》《キランの真意号》。用意できる飛行ブロッカーは1体。自分の場にはなぜかアタックしてしまった飛行機械トークン。

 見事に《無許可の分解》をブロッカーに撃たれて敗北しました。この場で追加の1点入れてもクロックは変わらず、明確かつ致命的なミスでした。

 自分がアマチュアに甘んじている理由を改めて思い知らされました。勝ったと思った瞬間こそ一番気を付ける必要があります。

マッチ2 〇××

 1本目をコンボでイージーウィンした後は、終始フラッド気味だったこともあり、特に良いところなく敗北。自分のMOCSはこれで終わりとなりました。

振り返って

 今回のトップ4という結果は、客観的に見れば大成功です。しかし、優勝を目標にしていた以上、それを果たせなかった悔しさは残りました。特に重大すぎる場面でやらかしてしまった「嬉しくなってフルパン」は、一生心に刻み続けるでしょう。

 また、方針として設定していた「独力でやる」は明らかに「情」でした。少なくともRPTQに出場するプレイヤーはスタンダードに精力的に取り組んでいるはずで、もっと積極的に人と協力しながら準備をするのが合理的だったと思います。

 最後に、改めて実感したのはメンタルコントロールの重要性です。大きなミスのほとんどは精神的に不安や油断があるときに起きています。良い精神状態を常に維持できるかどうかが、アマチュアとプロの最大の差なのかもしれないと感じました。

 今後については、現状プロツアーの権利がないので、またMOPTQを中心に権利獲得を目指していきます。残念ながらグランプリ・静岡2017(春)には仕事の都合で出られませんが、国内とアジア圏のGPは極力出るようにしているので、どこかでお会いしたらお手柔らかによろしくお願いします。

 長々とお読みいただきありがとうございました。

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