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週刊デッキウォッチング vol.91 -ダークジェスカイ-

2016/10/26 00:00 

    • 伊藤 敦
    • コラム


 マジックの華は、デッキリストだ。

 そのデッキに込められた意思を汲み取ろうとするとき、75枚の物言わぬ文字列はしかし、何よりも雄弁に製作者の心情を物語ってくれる。

 だから、デッキリストを見るということは。

 そのデッキを作った人物について、より深く知ろうとする行いに等しいのだ。



 この連載は【晴れる屋のデッキ検索】から毎週面白そうなデッキを見つけて、各フォーマットごとに紹介していく、というものだ。

 もし気に入ったデッキがあれば自分で作って試してみてもいいし、Magic Online用のtxtフォーマットでダウンロードすることも可能だ。

 それでは、それぞれのフォーマットで気になったデッキをご紹介しよう。






■ スタンダード: 白黒ビートダウン



Obinata Mamoru「白黒ビートダウン」
平日スタンダード20時の部(3-0)

9 《平地》
6 《沼》
4 《乱脈な気孔》
3 《秘密の中庭》
2 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地 (24)-

4 《ズーラポートの殺し屋》
3 《無私の霊魂》
4 《鋳造所の隊長》
4 《武器作り狂》
1 《月皇の司令官、オドリック》
3 《大天使アヴァシン》
2 《発明の天使》

-クリーチャー (21)-
4 《霊気装置の展示》
1 《空鯨捕りの一撃》
2 《停滞の罠》
4 《密輸人の回転翼機》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文 (15)-
3 《断片化》
3 《失われた遺産》
3 《燻蒸》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《神聖な協力》
1 《鑽火の輝き》
1 《破滅の道》
1 《苦渋の破棄》

-サイドボード (15)-
hareruya



発明の天使ズーラポートの殺し屋鋳造所の隊長



 先週末の【グランプリ・クアラルンプール2016】【グランプリ・プロビデンス2016】は、環境の中心がミッドレンジにシフトし始めていることを示唆する結果となった。そしてミッドレンジ環境においては、【プロツアー『イニストラードを覆う影』】の例を見てもわかるように、トークン戦術が強力になる。

 今回紹介する「白黒トークン」は、特に3マナでクリーチャー3体をばら撒くという破格のスペックを持つ《武器作り狂》の性能に着目したデッキとなっている。《ズーラポートの殺し屋》との相性が良いことはもちろん、《ウェストヴェイルの修道院》を変身させるための条件も容易に達成できる。

 また、《霊気装置の展示》《密輸人の回転翼機》からの《鋳造所の隊長》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》というムーブは相手を圧殺するのに十分なクロックを生み出せるし、そこに《発明の天使》まで加われば、ゲームのクライマックスは目前だろう。

 《月皇の司令官、オドリック》《密輸人の回転翼機》《無私の霊魂》の「飛行」を自軍のクリーチャーに分け与えるのが主な使い方となりそうだが、もし《ウェストヴェイルの修道院》と一緒に並んだ日には「飛行、絆魂、破壊不能、速攻」が分け与えられることになるので、間違いなく別次元の楽しさが味わえることだろう。


【「白黒ビートダウン」でデッキを検索】





■ モダン: エルドラージ



Hoshino Tomoyuki「エルドラージ」
休日モダン17時の部(3-0)

1 《荒地》
1 《繁殖池》
1 《草むした墓》
1 《蒸気孔》
1 《踏み鳴らされる地》
1 《湿った墓》
4 《霧深い雨林》
2 《汚染された三角州》
4 《霊気拠点》
4 《魂の洞窟》
4 《エルドラージの寺院》

-土地 (24)-

4 《猿人の指導霊》
4 《空中生成エルドラージ》
4 《エルドラージの寸借者》
2 《作り変えるもの》
4 《難題の予見者》
4 《現実を砕くもの》
1 《希望を溺れさせるもの》
4 《老いたる深海鬼》
1 《膨らんだ意識曲げ》

-クリーチャー (28)-
4 《古きものの活性》
4 《虚空の杯》

-呪文 (8)-
3 《コジレックの帰還》
3 《殺戮遊戯》
2 《部族養い》
2 《突然の衰微》
2 《塵への崩壊》
2 《墓掘りの檻》
1 《ハーキルの召還術》

-サイドボード (15)-
hareruya



エルドラージの寸借者老いたる深海鬼虚空の杯



 《ウギンの目》が禁止されて以降、モダンのエルドラージデッキは【バントエルドラージ】が主流だが、もとよりエルドラージ・クリーチャーたちはどんな色とも組み合わせうるのであり、必ずしもマナクリーチャーと一緒に使わないといけないわけではない。そして、そんなエルドラージの可能性を改めて感じさせてくれるリストがこちらの「4色エルドラージ」だ。

 《猿人の指導霊》からの《虚空の杯》で相手の初動を封じた後は、《空中生成エルドラージ》《難題の予見者》《現実を砕くもの》というお馴染みのラインナップが襲い掛かる。そしてその後に待ち受けるのは、4枚入った《老いたる深海鬼》《空中生成エルドラージ》《作り変えるもの》を「現出」で生け贄に捧げ、コンボデッキ相手にはアップキープにマナを縛ったり、クリーチャーデッキ相手にはクリーチャーを寝かせてエルドラージによるダメージレースをサポートできる。

 さらに圧巻なのは《エルドラージの寸借者》《老いたる深海鬼》《膨らんだ意識曲げ》とのシナジーだろう。奪ったクリーチャーを「現出」で生け贄に捧げれば、相手にとってはクリーチャーが除去された上にマナコストも軽減されて踏んだり蹴ったりである。

 4色デッキなだけあってサイドボードも何が飛んでくるか予測がつかない。禁止カードによって弱体化したとはいえ、ヴィンテージでも活躍しているほどのカードパワーを考えると、【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】のときのように、再びエルドラージがモダン環境を支配する日もそう遠くないかもしれない。


【「エルドラージ」でデッキを検索】





■ レガシー: ゴブリン



Sumiya Takayuki「ゴブリン」
休日レガシー17時の部(3-0)

10 《山》
2 《魂の洞窟》
4 《古えの墳墓》
4 《裏切り者の都》

-土地 (20)-

1 《鞭縄使い》
4 《月の大魔術師》
4 《猿人の指導霊》
3 《ゴブリンの熟練扇動者》
4 《モグ捕り人》
1 《残忍なレッドキャップ》
1 《タクタクの潰し屋》
1 《Goblin Settler》
1 《包囲攻撃の司令官》
1 《鏡割りのキキジキ》

-クリーチャー (21)-
4 《血染めの月》
4 《虚空の杯》
3 《金属モックス》
3 《罠の橋》
2 《三なる宝球》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文 (19)-
4 《突然のショック》
3 《フェアリーの忌み者》
2 《硫黄の精霊》
2 《沸騰》
2 《焦熱の合流点》
2 《三なる宝球》

-サイドボード (15)-
hareruya



モグ捕り人罠の橋反逆の先導者、チャンドラ



 レガシーの「ゴブリン」といえば《霊気の薬瓶》《ゴブリンの従僕》からの《ゴブリンの女看守》《ゴブリンの首謀者》といった動きがメジャーだが、実はレガシー環境にはもう一種類の「ゴブリン」デッキが存在する。【vol.28】でも紹介した「ドラゴンストンピィ」の亜種、《モグ捕り人》を主軸にした「ゴブリンストンピィ」がそれだ。

 《虚空の杯》《血染めの月》《月の大魔術師》で対戦相手の行動を縛り、《モグ捕り人》で強力なゴブリンたちを毎ターン供給して制圧するというのが基本コンセプトのこのデッキに、『カラデシュ』から新戦力が加わっている。そう、《反逆の先導者、チャンドラ》である。

 《精神を刻む者、ジェイス》と向かい合っても先に「奥義」にたどり着いて勝てるこのプレインズウォーカーは、「奇跡」デッキが支配するレガシー環境においては《相殺》《師範の占い独楽》コンボにハマりがちな赤いデッキの救世主として、様々なデッキで期待を集めている存在となっている。

 さらにもともとサイドに入っていた《罠の橋》をメインに移したことで、《実物提示教育》やリアニメイトへの耐性がついたことはもちろん、《秘密を掘り下げる者》《ヴェンディリオン三人衆》などの攻撃からプレインズウォーカーを守りやすくなっている。一か月後に迫ったグランプリ・千葉2016では、思わぬ伏兵として活躍する未来もありえそうだ。


【「ゴブリン」でデッキを検索】





■ フロンティア: 多色コントロール



Izumisawa Ryo「多色コントロール」
平日フロンティア(3-0)

1 《島》
1 《山》
1 《平地》
1 《沼》
2 《燻る湿地》
2 《窪み渓谷》
1 《大草原の川》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
3 《血染めのぬかるみ》
2 《神秘の僧院》
2 《乱脈な気孔》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地 (25)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
3 《魂火の大導師》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー (11)-
3 《焦熱の衝動》
4 《稲妻の一撃》
2 《軽蔑的な一撃》
1 《勇敢な姿勢》
4 《はじける破滅》
2 《苦い真理》
1 《オジュタイの命令》
3 《時を越えた探索》
1 《最後の望み、リリアナ》
2 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《炎呼び、チャンドラ》

-呪文 (24)-
2 《アラシンの僧侶》
2 《強迫》
2 《光輝の炎》
2 《トーモッドの墓所》
1 《竜使いののけ者》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《黄金牙、タシグル》
1 《勇敢な姿勢》
1 《コラガンの命令》
1 《オジュタイの命令》
1 《最後の望み、リリアナ》

-サイドボード (15)-
hareruya



はじける破滅時を越えた探索奔流の機械巨人



 いよいよ開催が今週末に迫った【フロンティアチャレンジカップ】。無料で10ボックスをゲットするビジョンは見えてきただろうか?

 【デッキ検索を覗いてみた】だけでも様々なデッキが入り混じっており何が勝者となるか全く予測がつかない環境だが、【スタッフ交流会】の結果を見る限り、《エルフの神秘家》からの《包囲サイ》が反則気味な「アブザンアグロ」と、そしてこの「ダークジェスカイ」は、環境の本命デッキの一つと言えそうだ。

 4色から選りすぐった優秀なクリーチャー、優秀な除去、優秀なドロー、カウンター、プレインズウォーカー。それを支えるのはフェッチランド+バトルランドという歴代スタンダードでも最強クラスのマナベース。4色とはいっても事故とは無縁そうなそのレシピは、見ているだけでも回してみたくなること請け合いだ。

 クリーチャーは《最後の望み、リリアナ》で、スペルは《ヴリンの神童、ジェイス》で余すところなく再利用できるほか、『タルキール覇王譚』と『カラデシュ』との共演によって2マナでプレイした《時を越えた探索》《奔流の機械巨人》で踏み倒すというインチキ極まりないムーブも可能であり、デッキ全体を使いながらいつまででも戦い続けられるこのデッキは、今週末も活躍が期待できそうだ。


【「多色コントロール」でデッキを検索】






 いかがだっただろうか。

 すべてのデッキリストには意思が込められている。

 75枚から製作者の意図を読み解くことができれば、自分でデッキを作るときにもきっと役に立つだろう。

 読者の皆さんも、ぜひ色々と面白いデッキを探してみて欲しい。

 また来週!


【晴れる屋でデッキを検索する】



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