晴れる屋

記事トップ > コラム > USA Legacy Express vol.81 -SCG Premier IQ Indianapolis etc.-

USA Legacy Express vol.81 -SCG Premier IQ Indianapolis etc.-

2015/07/02 00:00 

    • Kenta Hiroki
    • コラム
みなさんこんにちは!

7月26日にはBig Magic Open Legacyが開催されますね。
GP千葉で併催された「晴れる屋協賛 日本レガシー選手権2015・春@The Last Sun 2015予選」以来の、国内で開催される大きなレガシーのイベントということで、この記事をお読みの方の中にも参加される方は多いのではないでしょうか?


さて、今回の記事ではSCG Premier IQ IndianapolisSCG Premier IQ Baltimoreの入賞デッキを見ていきたいと思います。



SCG Premier IQ Indianapolis トップ8 ~赤単色バーンが優勝!~

2015年6月21日

Adam Minniear


1位 Burn/赤単
2位 Death and Taxes/デス&タックス
3位 ANT/むかつきストーム
4位 Temur Delver/カナディアン・スレッショルド
5位 Manaless Dredge/発掘
6位 Omni-Tell/実物提示教育
7位 Miracles/白青奇跡
8位 Jund/ジャンド

フェアデッキ、テンポ、コンボと一通り揃っていた今大会の上位。特に非青フェアデッキではJundを上位で見かけるのは久々です。
混沌としたメタのプレイオフを制したのは、低予算デッキとされている赤単色のBurnでした。


SCG Premier IQ Indianapolis デッキ解説

「Burn」「Miracles」「Jund」



Adam Minniear「Burn」
SCG Premier IQ Indianapolis (1位)

8 《山》
4 《樹木茂る山麓》
3 《乾燥台地》
3 《血染めのぬかるみ》
3 《沸騰する小湖》

-土地(21)-

4 《僧院の速槍》
4 《ゴブリンの先達》
4 《大歓楽の幻霊》

-クリーチャー(12)-
4 《稲妻》
4 《溶岩の撃ち込み》
4 《Chain Lightning》
4 《発展の代価》
4 《裂け目の稲妻》
4 《火炎破》
3 《硫黄の渦》

-呪文(27)-
4 《焼尽の猛火》
4 《紅蓮光電の柱》
3 《渋面の溶岩使い》
2 《難問の鎮め屋》
2 《罠の橋》

-サイドボード(15)-
hareruya


単色なため、高額のカードを多数含んだデッキが多いレガシーの中では比較的安価で組めるデッキで、常に一定数存在します。
土地、火力に加えて数種類ながらこのデッキの方向性にマッチした優秀なクリーチャーで構成されており、《僧院の速槍》《大歓楽の幻霊》といったクリーチャーが刷られてからは上位で見かけることも増えました。
特に《紅蓮光電の柱》を内蔵した《大歓楽の幻霊》は、コンボに対して相性が悪かったこのデッキにとって大きな収穫でした。


☆注目ポイント

《大歓楽の幻霊》に加えてサイドには《紅蓮光電の柱》が4枚積まれているなど、コンボデッキを意識しているようです。
また、メインから採用されている《硫黄の渦》や、サイドに忍ばせてある《難問の鎮め屋》などMiraclesにも強い構成になっています。
《罠の橋》はReanimatorやSneak and Showなどのファッティを止める以外にも、Death and Taxesなど装備品を採用したクリーチャーデッキや《タルモゴイフ》のように火力で対処の困難なクリーチャーを採用したデッキとの対戦でも有効です。


大歓楽の幻霊硫黄の渦罠の橋







Jacob Coffey「Miracles」
SCG Premier IQ Indianapolis (7位)

5 《島》
3 《平地》
1 《山》
2 《Tundra》
1 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《沸騰する小湖》
1 《乾燥台地》
1 《Karakas》

-土地(22)-

2 《瞬唱の魔道士》
2 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《造物の学者、ヴェンセール》

-クリーチャー(5)-
4 《渦まく知識》
4 《剣を鍬に》
2 《呪文貫き》
2 《紅蓮破》
4 《Force of Will》
4 《終末》
2 《時を越えた探索》
3 《相殺》
1 《血染めの月》
4 《師範の占い独楽》
3 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(33)-
2 《封じ込める僧侶》
2 《狼狽の嵐》
1 《エーテル宣誓会の法学者》
1 《イゼットの静電術師》
1 《硫黄の精霊》
1 《造物の学者、ヴェンセール》
1 《悟りの教示者》
1 《赤霊破》
1 《摩耗+損耗》
1 《真髄の針》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《安らかなる眠り》
1 《サーボの網》

-サイドボード(15)-
hareruya


大きなトーナメントの上位では必ずと言っていいほど見かけるMiracles。
クリーチャーを一掃する《終末》はDelver系に強く、基本的に青白の2色なので基本地形を多数入れることができ、今大会を制したBurnの使用する《発展の代価》やテンポデッキを中心に多くのデッキが採用している《不毛の大地》などに耐性があるのも強みです。


☆注目ポイント

奇跡スペルでこのデッキのエンドカードとされている《天使への願い》が不採用で、そのためメイン、サイドともに他のリストよりもクリーチャーが多めに採られています。

特殊地形に頼らない構成を利用し、アンチ特殊地形カードの《血染めの月》がメインから採られていることから12 Postなどとの相性が若干緩和されています。
サイドの《サーボの網》はあまり見かけないカードですが、LandsやDeath and Taxesの 《リシャーダの港》やInfectの《墨蛾の生息地》のようなミシュラランド対策になります。

《悟りの教示者》によって各種対策カードをサーチすることも可能で、特に流行りのOmni-tellに対して《エーテル宣誓会の法学者》をサーチできることにも注目です。


終末サーボの網悟りの教示者







Dan Mercer「Nic-Fit」
SCG Premier IQ Indianapolis (8位)

3 《森》
2 《山》
2 《沼》
2 《Bayou》
1 《Taiga》
1 《Badlands》
4 《新緑の地下墓地》
2 《樹木茂る山麓》
4 《燃え柳の木立ち》
1 《ファイレクシアの塔》
1 《ヴォルラスの要塞》

-土地(23)-

4 《老練の探険者》
1 《死儀礼のシャーマン》
1 《漁る軟泥》
2 《永遠の証人》
1 《クルフィックスの狩猟者》
2 《高原の狩りの達人》
1 《最後のトロール、スラーン》
1 《スラーグ牙》
1 《原始のタイタン》

-クリーチャー(14)-
4 《陰謀団式療法》
4 《緑の太陽の頂点》
4 《罰する火》
3 《突然の衰微》
1 《大渦の脈動》
3 《破滅的な行為》
3 《師範の占い独楽》
1 《原初の狩人、ガラク》

-呪文(23)-
2 《外科的摘出》
2 《思考囲い》
2 《赤霊破》
2 《窒息》
2 《精神壊しの罠》
1 《ドライアドの闘士》
1 《真髄の針》
1 《ゴルガリの魔除け》
1 《壌土からの生命》
1 《殺戮遊戯》

-サイドボード(15)-
hareruya


Jundとされていますが《タルモゴイフ》《血編み髪のエルフ》を採用したミッドレンジ型ではなく、《老練の探険者》からマナを伸ばして《原始のタイタン》《原初の狩人、ガラク》といった高コストの強力なクリーチャーやスペルで勝利を目指すNic-Fitと呼ばれているデッキです。
バリエーションが多く存在するデッキで、今大会入賞を収めたリストは《燃え柳の木立ち》《罰する火》のエンジンにアクセスできるJund型です。


☆注目ポイント

デッキ内の緑のクリーチャーのラインナップが充実しており、《緑の太陽の頂点》で状況に応じたクリーチャーをサーチすることで臨機応変に対応できるようになっています。

《高原の狩りの達人》《スラーグ牙》といったクリーチャーはDelver系のデッキにとっては対処が難しく、《相殺》でコストを合わせにくい《原初の狩人、ガラク》《緑の太陽の頂点》はMiraclesに強いです。これらは非青スペルなため《紅蓮破》に引っかからないのもメリットとなります。

サイドには《殺戮遊戯》《思考囲い》《精神壊しの罠》、墓地対策にもなる《外科的摘出》など苦手なコンボ対策に重点が置かれており、青対策も《窒息》《赤霊破》など徹底しています。
興味深いのが《ドライアドの闘士》で、ソーサリー、インスタント限定の墓地対策で、ANTの《炎の中の過去》ルートや《瞬唱の魔道士》対策、Delver系が墓地を肥やしにくくする手段になります。
しかし、自身も《壌土からの生命》《陰謀団式療法》《罰する火》といったスペルを使いにくくなってしまうので、運用には注意が必要です。


老練の探険者緑の太陽の頂点ドライアドの闘士





SCG Premier IQ Baltimore トップ8
~Miracles、Delverなど青いデッキが多数入賞 SultaiカラーのDelverが優勝~


2015年6月28日

Bob Marshall


1位 Sultai Delver/青黒緑アグロ
2位 Death and Taxes/赤白ビートダウン
3位 Dredge/発掘
4位 4C Delver/秘密を掘り下げる者
5位 Miracles/白青奇跡
6位 Miracles/白青奇跡
7位 Miracles/白青奇跡
8位 Grixis Delver/青黒赤ジャンク

Delver系とMiraclesが多く勝ち残った大会で、優勝もSultai Delverでした。
また、Death and Taxesが2週連続で準優勝を収めており、Dredgeも先週に引き続いてトップ8まで勝ち残っています。


SCG Premier IQ Baltimore デッキ解説

「Sultai Delver」「Death and Taxes」



Bob Marshall「Sultai Delver」
SCG Premier IQ Baltimore (1位)

3 《Underground Sea》
3 《Tropical Island》
4 《汚染された三角州》
3 《新緑の地下墓地》
1 《霧深い雨林》
4 《不毛の大地》

-土地(18)-

4 《秘密を掘り下げる者》
4 《死儀礼のシャーマン》
4 《タルモゴイフ》
3 《闇の腹心》
1 《真の名の宿敵》

-クリーチャー(16)-
4 《思案》
4 《渦まく知識》
3 《呪文貫き》
3 《もみ消し》
2 《見栄え損ない》
4 《目くらまし》
3 《突然の衰微》
3 《Force of Will》

-呪文(26)-
2 《方向転換》
2 《思考囲い》
2 《湿地での被災》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《外科的摘出》
1 《狼狽の嵐》
1 《墓掘りの檻》
1 《真髄の針》
1 《突然の衰微》
1 《大渦の脈動》
1 《残忍な切断》
1 《Force of Will》

-サイドボード(15)-
hareruya


Jim DavisがSCGO Indianapolisで使用し優勝を収めたSultai Delver。《もみ消し》が採用されており、クリーチャーが多めでハンデスがメインでは不採用なのが特徴的です。
SCGOで結果を残したことによりアメリカでは現在最もポピュラーなSultai Delverの形のようです。


☆注目ポイント

過去のSultai Delverと比べるとデッキ内の黒シンボルが薄くなったことと、《真の名の宿敵》《ヴェンディリオン三人衆》といった青いスペルの増量により《Tropical Island》《Bayou》よりも優先されているなどマナ基盤に若干の変化が見られます。
また、デッキ内の《島》が増量されているため《目くらまし》もピッチでキャストしやすくなっています。

《剣を鍬に》《稲妻》には劣るものの、《見栄え損ない》はこのデッキの貴重な1マナの除去です。《死儀礼のシャーマン》《秘密を掘り下げる者》《若き紅蓮術士》など多くのクリーチャーを除去します。


真の名の宿敵ヴェンディリオン三人衆見栄え損ない



《真の名の宿敵》はその除去耐性の高さからフェアデッキに強く、青いカードなので最悪《Force of Will》のコストになり、このデッキなら 《死儀礼のシャーマン》から最速2ターン目にキャストできます。
サイドの 《方向転換》はカウンター合戦では相手のカウンターの対象を変更することで疑似《呪文貫き》として機能します。他にも《突然の衰微》の対象を変えたりと、場合によってはアドバンテージを得ることができます。

この型の強みは《死儀礼のシャーマン》によりマナに余裕があり、《もみ消し》のマナも立てやすく、展開を遅らせることなく《不毛の大地》《目くらまし》をアグレッシブに使っていけることです。
直接火力の不在によりTemur DelverやUR Delverと比べると相手のライフにプレッシャーをかけるのが難しくなりますが、その分《闇の腹心》からのカードアドバンテージやこの環境ではほとんど確定除去として機能する《突然の衰微》によってロングゲームにも強いのが他のDelver系にはないメリットです。


死儀礼のシャーマン闇の腹心突然の衰微







Travis Cowley「Death and Taxes」
SCG Premier IQ Baltimore (2位)

6 《平地》
2 《Plateau》
3 《溢れかえる岸辺》
2 《吹きさらしの荒野》
2 《Karakas》
4 《不毛の大地》
4 《リシャーダの港》

-土地(23)-

4 《ルーンの母》
4 《石鍛冶の神秘家》
4 《スレイベンの守護者、サリア》
3 《ファイレクシアの破棄者》
1 《レオニンの遺物囲い》
4 《ちらつき鬼火》
3 《月の大魔術師》
2 《帝国の徴募兵》
1 《エイヴンの思考検閲者》
1 《秘教の十字軍》

-クリーチャー(27)-
4 《剣を鍬に》
4 《霊気の薬瓶》
1 《梅澤の十手》
1 《火と氷の剣》

-呪文(10)-
3 《唐突なる死》
2 《外科的摘出》
2 《大変動》
1 《エーテル宣誓会の法学者》
1 《レオニンの遺物囲い》
1 《悟りの教示者》
1 《墓掘りの檻》
1 《万力鎖》
1 《安らかなる眠り》
1 《議会の採決》
1 《殴打頭蓋》

-サイドボード(15)-
hareruya


一般的なDeath and Taxesは白単色ですが、今回準優勝を収めたTravis Cowleyのリストは《帝国の徴募兵》《月の大魔術師》のために赤をタッチしています。
単色のときと異なり《唐突なる死》のようなスイーパーにもアクセスが可能になり、Elvesなど苦手としていたマッチアップも単色のときと比べれば相性が緩和されているようです。


☆注目ポイント

《月の大魔術師》はLandsをはじめ多くのデッキが特殊地形に依存しているため、《血染めの月》と同様に場に出るだけでほぼ勝ちとなるマッチアップも多数存在します。
クリーチャーなためエンチャントの《血染めの月》と比べると対処されやすいのが難点ですが、逆にクリーチャーであることを活かして《霊気の薬瓶》から出したり《帝国の徴募兵》でサーチして来ることが可能です。

デッキ内のほとんどのクリーチャーがパワー2以下なため、《帝国の徴募兵》は先ほどの《月の大魔術師》や各種ヘイトベアー、《石鍛冶の神秘家》といったクリーチャーを状況に応じてサーチすることができ、このデッキでは《Demonic Tutor》のような活躍が期待できそうです。
サイドの《唐突なる死》は赤をタッチしたことによる恩恵の一つで、色が違うElvesなどに対して使えば自分の場には一切被害のない全体除去になります。


月の大魔術師帝国の徴募兵唐突なる死



総括


SCG Premier IQ IndianapolisではBurnが優勝を収め、その翌週のSCG Premier IQ BaltimoreはSultai Delverの優勝で幕を閉じました。
環境は相変わらず混沌としており、MiraclesやOmni-tell、Delver系以外にも2週連続でDeath and Taxesが準優勝を収めていたり、DredgeやJundなど、青くないデッキのアーキタイプもコンスタントに入賞しています。今週末に開催されるGP Lilleからも目が離せません。

以上USA Legacy Express Vol.81でした。
次回の記事ではレガシーの一大イベントであるGP Lilleの結果を中心にカバーしていく予定です。
それでは次回の記事でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!



※編注:記事内の画像は、以下のサイトより引用させて頂きました。
『StarCityGames.com』
http://www.starcitygames.com/index.php



Twitterでつぶやく

Facebookでシェアする

関連記事

このシリーズの過去記事